| そして…春を流れ/きっと… 96/04/12制作
あの頃溢れてた音も 今では
ほんの少しも 聞こえなくなって
そして…私は春を流れる
笑い声が舞う街中
一日ごと暮らしていくだけ
幸せを演じるのに もう疲れて
今日もまた
私は夢の中へ 私を飛ばす
素直に時刻む時計 それでも
この一秒を 長く感じて
そして…私は春を流れる
白の風が去る街中
振り向くたび幻が見える
幸せはもういらない 眠りながら
春の夜
私は夢の中に 私を繋ぐ
幸せになりたかった 誰だって
思ってる
私は夢の中で 私を消して
そして……春は流れていく
◆ ひとりぼっち 96/09/05制作
たった一人の帰り道は
冷たい体と 濡れた桃色の頬
ずっと視線はうつむいて
朱色に染まった 足元ばかり見てた
私は夕焼けのこと嫌い
大嫌いよ
人の秘密 勝手に覗いたりしないで
冬はまだ遠き日なのに
やけに寒いのは 風のせいなの?
私は夕焼けのこと嫌い
大嫌いよ
ひとりぼっち 慰めてくれてもいいのに
◆ 傷口 97/06/08制作
何度も何度も 同じ曲を聞いて
泣いた ウソ泣きのふりして 泣いた
ネコの手は借りたくない
そんなにあたし 弱くないはず
けれど…今ぐらい
泣いた ウソ泣きのふりして
数えきれないほど リフレインをかけて
泣いた この夜が明けるまで 泣いた
先月のカレンダーを
めくれないまま 過ごしてきたの
だから…ゆるしてよ
泣いた この夜が明けるまで
◆ ささやき声がする 97/06/23制作 ⇒Postface
淋しさ紛らすのが 大変だった
子どもの姿形 嘘で汚れきった
勇気という言葉に 惑わされてる
操り人形にも プライドはあるのに
ズキズキ痛む 怪我なんかより もっと痛い
薬はいらないから ただ手を握って
ほんの少しだけど 強くなれるよ
熟れすぎたから 腐った果実 私みたい
自分の何もかもを 壊してしまったの
語り草になるよ サヨナラしても
私を役者にした 白紙の日記
二つに分けた記憶 仲が悪いままね
教えてほしい こんな今では 手遅れでも
哀れなボロ人形 捨てられちゃったね
語り草になるよ サヨナラしても
◆ おでこをコツンと 97/07/21制作
友達よりも 恋人よりも
睡眠薬に頼っていた日々を
いけないことと叱ってくれた人
…でもね
不器用なのは 生まれつきだし
作り話に騙されてたし
今の私は 生まれたてだし
昔話に惑わされたし
愛しさなんて 優しさなんて
必要ないと自己暗示をかけて
口を噤んでピエロの振りしたり
…でもね
不愛想なのは 生まれつきだし
作り話に助けられたし
今の私は 生まれたてだし
昔話に嘘つかれたし
◆ 自分で決めたENDマーク 97/08/20制作
死んでもいいですか?
幸せなんて言葉 言える立場じゃないし
死んでもいいですか? 許可はいりますか?
死んでもいいですか?
この先に続く道 やけに暗そうだから
死んでもいいですか? お金いりますか?
そんな眼差しで 見ないで下さい
死んでもいいですか?
天国に行けるとは 思いもしませんけど
もしもそうなったら 泣いてくれますか?
死んでもいいですか?
十分な悲しみを ずっと背負ってきたし
死んでもいいですか? 明日でいいですか?
死んでもいいですか?
迷惑はかけないし 場所もバレないように
死んでもいいですか? 今すぐいいですか?
風を受けるのも これが最後かな
死んでもいいですか?
天国に行けたなら 手紙でも送ります
もしもそうなったら 読んでくれますか?
◆ 過去と別れる未来 97/09/13制作
春を呼ぶ つむじ風に
昔つぶやいた ささやきが聞こえる
靴を脱ぎ素足のまま
やがて訪れる この今を待ってた
「サヨナラ」は
数えられるほど ありはしない言葉
「サヨナラ」は
口にしないでも 大きな意味を持つ
「サヨナラ」は嫌い 「サヨナラ」は嫌い
水色のあの記憶が
色褪せないのは 装飾をするから
描いては塗り潰した
胸のキャンバスが 本当の嘘つき
「サヨナラ」は
去りゆく自分を 自分で哀れんで
「サヨナラ」は
魔女のたちの使う 魔法のようなもの
「サヨナラ」は呪文 「サヨナラ」は呪文
◆ 永久幻想(a.c.) 97/09/21制作
たくさんの花を集めたなら
あの頃 思春期の香り 戻せるんだって
隣の部屋から 知らない言葉が
眠るの邪魔する(本当に知らない?)ずっとだね
みんないなくなればいいのに
一つの嘘から また誕生する
もう一つの嘘(消せるならよかった)大切よ
私いなくなればいいのね
石けんの泡にくるまれたら
おめかし まやかしの肌の 儚さが綺麗
けなげな努力も 角度が違うと
単なる目障り(自己主張しないで)そうだって
みんないなくなればいいのに
鳴らない楽器に 存在の価値を
分けてあげましょう(重なった面影)できるかな
私いなくなればいいのね
らくがきに見えるセピアの絵が
向こうに三つ編みの少女 影だけ残した
石けんの泡にくるまれたら
おめかし まやかしの肌の 儚さが綺麗
たくさんの花を集めたなら
あの頃 思春期の香り 戻せるんだって
全身を風に捧げるまで
涙が伝いだす頬は 清らかでいたい
◆ わたし の いるべき せかい へ… 97/10/13制作 ⇒Postface
この日が来るのを ずっと待っていた
心の底では 少し私 悲しんでるみたい
命の価値さえ 人はそれぞれで
生死の境は 想像より 薄っぺらい殻ね
壊れかけのオルゴールを
捨てられずに 飾っていた部屋の暗闇
そこに過去の私がいる
見つめながら 指切りして別れたはずの
危険な視線は 赤く燃えたあと
涙で儚く 窓の外へ ゆっくり流される
風の海でたたずむのは
早く君に いつかのこと謝りたくて
けれど今にも泣き出しそう
うわべだけで 強がってる哀れなピエロ
怒りと憎しみ そっとしておいて
日記という名の 檻の中に 私を閉じ込めた
わたし の
わたし の いるべき
わたし の いるべき ばしょ は どこ?
この日が来るのを ずっと待っていた
心の底では 少し私 悲しんでるみたい
命の価値さえ 人はそれぞれで
生死の境は 想像より 薄っぺらい殻ね
風の海にたたずむのは
早く君の 暖かさに出逢いたいから
けれど君は来てくれない
名前を何度も 風に乗せて呼び続けても
◆ 不正直さん 97/12/13制作
例えようのない この浮遊感
踊りの数だけ昇れるよ
現実逃避は いけずな迷路
必ず途中で行き止まり
信じてたこと全てが 消えてしまった
砂のお城は意外に もろい存在
これが最後よ
レコードの針まで そう言いた気ね
これが最後よ
未来の境に おいてきぼりね
これが最後よ
ドレスの裾から ほつれだしたね
他人の忠告 戯言だから
聞く耳なんかは持ってない
それぐらいのこと 許してほしい
反省するのももう飽きた
愚かな人に言われた 愚かな言葉
羽を休める鳥にも 石を投げるの?
これが最後よ
足跡を頼りに 探さないでね
これが最後よ
夢路の狭間で 徨彷い顔ね
これが最後よ
次また逢えたら 素直でいたい
◆ 焦燥の繭 98/04/08制作
桃色に染まる街と 温もりを流す風を
素直に喜べずにいた
彼らから逃げるように ご自慢の髪を切って
ベットに逃げ込むばかり
そして 季節が過ぎるのを 黙って待ち続け
あなたの面影が 消えゆくのを知った
そして 微かな足音と 香りを手掛かりに
初めて自分から あなたを求めてる
タンポポについた綿を 一息で飛ばしたのは
独りじゃカワイソウだから
人前で強がっても 孤独なら臆病者
秘密にしていて下さい
そして 記憶を閉じ込めた 扉をたぐりよせ
全ての思い出を 一から振り返る
そして 涙を拭きとった 心を慰めた
子どもでいることを 自らやめた日の
そして 季節が過ぎるのを 黙って待ち続け
あなたの面影が 消えゆくのを知った
そして 微かな足音と 香りを手掛かりに
初めて自分から あなたを求めてる
そして 記憶を閉じ込めた 扉をたぐりよせ
全ての思い出を 一から振り返る
そして 涙を拭きとった 心を慰めた
子どもでいることを 自らやめた日の
◆ ココロ・ナミダ・ココロ 98/05/02制作
かけがえのないもの 燃やしちゃった
炎に包まれて 泣かしちゃった
どうしてこうなったのかな?
いつでも守ってくれてたのに
あんなに大切にしてたのに
かけがえのないもの 燃やしちゃった
取り戻せないもの 飛ばしちゃった
どうでもよくなって 壊しちゃった
明日は後悔するかな?
未来をつないでくれてたのに
最後の宝物だったのに
取り戻せないもの 飛ばしちゃった
◆ 風使い 98/05/16制作
独りになりたくて 堤防沿い
少し歩いた
変わらずいてくれる 草木と花
風が足りない
髪は揺れずに うなだれたまま
待ち続けよう 風が吹くのを
悲しみしか映せない瞳 汚れきった血液
憎しみしか宿せない心 不必要な心臓
いらなくなったんだ
ワザワザここまで 捨てに来たんだ
……いらなくなったんだ
時間は過ぎてゆき やがて夜に
月に出逢えた
あまりの明るさに 肌があらわ
風は吹かない
夢を見ていた 鳥になる夢
操っていた 風を自由に
悲しみにも曇らない瞳 純度高き血液
憎しみにも染まらない心 神々しい心臓
確かにあったんだ
この手に感触 覚えてるんだ
……確かにあったんだ
悲しみしか映せない瞳 汚れきった血液
憎しみしか宿せない心 不必要な心臓
いらなくなったんだ
ワザワザここまで 捨てに来たんだ
……いらなくなったんだ
独りになりたくて 堤防沿い
ここで終わりね
見放されたんだよ 愚かな奴
風は吹かない
風が足りない
◆ わるいコ(自称) 98/11/26制作
大地震でも起きればいい
こう思うのはフキンシンかしら?
知ってる人が全部死んで
独りが好きなボクだけが残る
昨夜にこんな夢見ました
口にするのもおぞましいユメを!
伝えたいけど伝えません
文字にしたからあとで読んでみて
もしかしてもう読んでいたら
ボクの秘密はバレたんでしょうね
力及ばずザンネンです
そうボクは…わるいコ
出掛ける時はウォークマンで
明るい唄のサビだけ聞いてた
明るい唄の主人公に
決まってボクは素直になれない
滅亡ばかり望んでいたら
たまたま空を流れ星飛んだ
夜から朝に変わる様を
見守りましたシンパイになって
運命の日に逆らわずに
どうにかうまくごまかし生きてた
そろそろボクは十分です
そうボクは…わるいコ
大地震など起きずにいい
みんな死ぬよりボクが死ねばいい
自分ばかりを可愛がって
そうボクは…わるいコ
寒い路上で泣いていても
優しく声をかけてくれる人
ボクなんかにはいないんです
そうボクは…わるいコ
そうボクは……
◆ 泣きたくても泣かない 99/02/25制作
最後の季節の最後の日
旅立つ準備 またやらなかったね
言い訳だけは考えたけど
去年の自分に会えるなら
忠告したい 「あなた怠けてる」と
後ろを向けば そこにいるはず
痛々しい 白の肌のことで
泣きたくても 泣かない方がいい
久しく鏡を見ていない
どうせうつろで 酷い顔してるよ
化粧でもしてごまかそうかな
笑い方忘れてしまうほど
今の症状 深刻な状態
どうしていくか 相談しよう
可哀相な 迷子みたく
泣きたくても 泣かない方がいい
◆ 弾かれないピアノソナタ 99/09/06制作
きっとボクは 後悔してる
あの時 素直に なれなくて
でも約束は 守るつもりだったし
ウソついたのは あっちが先だった
胸のココロ ウズいているの
なかなか どうして 痛いまま
下手なのはピアノだけじゃないみたい
ケンカなんて つもりなくても
二人は どっちも 怒ってた
でも仲直り すぐするつもりだったし
背中向けたのは こっちが後だった
こんな感じ 初めてだから
強がり 言うのも ムズかしい
下手なのはピアノだけでいいのにね
下手なのはピアノだけじゃないみたい
◆ ナミダのカタチ 01/05/20制作
とっても苦くて ちっとも甘くない
毎年の手作りチョコが
君だけの味と 独りになって初めて気づいた
本当は大嫌い いつだって大嫌い
一度きり叩いたこともあって
何よりも大切に 誰よりも大切に
思っていてくれた君の瞳
淋しげに映る 君を通してボクは映る
やっぱり苦くて どっこも甘くない
毎日のアイスコーヒー
君だけの味と 独りにされて初めて気づいた
知らないで嘘ついて 知ってても嘘ついて
それなのに気のある時もあって
美しい思い出に 繰り返す思い出に
現れては消える君の背中
痛々しいほど 君は微笑みボクを映す
◆ 優しい殺し方 02/08/23制作
伝えたいメッセージ 書き留めて
隠した誰にも秘密のノート
お気に入りの唄から 持ち出した
勇気は未だに返せずじまい
忘れていたなんて嘘ついてゴメン
時々 暗闇は優しくて
苦しくなるほど抱き締められた
それでも 向こうから見つめてる
瞳の強さに負けそうになる
お仕置きに溶かされた チョコレート
なくした形は小さなハート
押し入れで浮かんでる プレゼント
貰った時には喜んでたけど
嬉しくないなんて嘘ついてゴメン
夜明けの 粉雪は儚くて
悲しくなるほど綺麗だった
聞こえた 彼たちの話す声
心配されると泣きそうになる
ほんの少し心が 揺れ出した
あなたに優しく殺されるため
◆ 鎮痛剤のない二人 03/02/19制作
君を恨んだこと ないだなんて
嘘ついちゃってゴメンね
まだ許せそうにないよ
いっぱいおどけたけど
笑っているのは アタシだけみたい
優しいいつもの目で
痛々しいって 君は言いたげね
君を憎んだこと ないだなんて
強がっちゃってゴメンね
まだ癒され足りないよ
怯える仔猫みたく
長爪を立てる 手当たり次第に
一時夢を見さす
鎮痛剤にも 君はなれないね
君を愛したこと ないだなんて
傷つけちゃってゴメンね
もう殺されたくないよ
◆ お役に立てます 04/07/24制作
良い子ちゃんでいたい願望 強し私としては
あげられるものはみんなあげたい
嘘でないけど 冗談に聞こえたなら許して
自己犠牲の響きに弱い 莫迦な誉められたがり
心無い人のそんな蔑み
慣れちゃってるし いくらでも責めてくれてもいいよ
こっそりと準備したおすそわけ 利用価値は大のはず
お役に立てます 例えば 私の臓器はいかが?
助かる人 たくさんいると思うんだけど
煙草は吸えない それにね お酒も好きじゃないから
お医者さんに 誉められるほど綺麗なんだよ
きっときっとお役に立てるよね
独りよがる罪悪感に 疼く私としては
自然に任せて死ぬの待てない
先天性の 苦しみと早くお別れしよう
私ってばすごく偉くて こんないいことしたよ
無事に死ねたなら無理やりにでも
天国行って 神様にことさら自慢しよう
生まれつき授かった良心を 裏切る勇気さえあれば
お役に立てます お次は 私の瞳をどうぞ
小さな子を 優先しての早い者勝ち
涙が多くて その上 視力も悪いんだけど
黒目がちで 小動物にちょこっと似てて
きっときっとお役に立てるよね
大人しくかたくなでしおらしい 出来損ないを責めないで
お役に立てます 最後に 私のお肌をあげる
ここまで来て 腐らせるにはもったいないよ
乾燥しがちで おまけに アトピー持ちだったから
傷だらけで こんなの誰も欲しくないかな
きっときっとお役に立たないね
ゴメンなさい怒らず聞いて 今の私にはもう…
あげられるものはみんなあげたの
あげられるもの 何一つなくなってしまったの
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