■セガサターンソフトレビュー(パズル1)
 
●アイコン
琴線に触れたお気に入り作品。
飽きずに長期間プレイしたもの。単に長いだけは除外。
音楽・音声・効果音が優秀だったり雰囲気に合ってたり。
キャラクターの造形や描き方が魅力的。
グラフィック・ムービー・演出・特殊効果が美しい。
期待を裏切られた作品。
 
 ■ソフト一覧
 
 
■ばくばくアニマル 世界飼育係選手権
・ジャンル:落ちものパズル ・メーカー:セガ
・発売日:1995年11月10日
・クリア状況:全エンディング(中くらい or 激強)/名人
 
  セガサターンの互換基板ST-Vからの即席移植。ブロックが色だけでなく「動物」と「餌」に分かれており、イヌ→骨・パンダ→笹・ウサギ→人参のように組み合わせて消します。
 
 2種類の同色ブロックを消してゆく様を、動物への餌やりに見立てた発想が直感的で秀逸。大量の餌を一気に平らげる動物の食事姿も豪快に描かれ、落ちものパズルの爽快さを増幅します。ルールに取っ付きにくさはあれど、連鎖作成に『ぷよぷよ』の定跡が通じるので初心者卒業までの労力が小さく、上手になれば攻撃量を倍々に増殖させるテクニック「バーチャルベイト」による、瞬殺の魅力も。これをマスターせずして本作の心髄には触れられないだけに、説明書に無記載なのが残念です。
 
 しかし、アーケードであっさりと撤去された事実の通り、完成度は物足りません。深刻なのが動物と餌の出現バランスで、意中のブロックが20手も出てこないのが日常茶飯事だし、酷いと40手以上の時すら。これは攻略記事ライターや全一読者プレイヤーのようなやり込み派からも指摘されており、完全ランダムとの開発者の弁解も空しいですし、むしろランダムに徹するより偏りを正す調整が必要でしょう。動物は連ねても餌と隣接した端しか消えない為、序盤とは裏腹に中盤は動物が盤面を埋めがちなのも、この不満を助長します。どの餌でも食べる動物か、どの動物でも食べる動物がいれば良かったのでは。
 相殺が非採用で逆転性に乏しく、26手目に同色全消しアイテムが出現して仕込みを潰され、ネクスト表示の視認性が悪いのは、類似作の研究が足りない証拠。また、キャラクターやグラフィックが素人級、ボイスが汎用のみ、ストーリーモードは2人分だけ、なぞぷよ・とことんモードが無しと、新人が低予算かつ短期間で作った様子が窺えます。この内容では業界最大手の商品として厳しいですね。
 
 操作性は上々だし、読み込みが短く、ゲームオーバー後にタイトル画面ではなくメニューへ戻る辺り、不快要素は確かに少なめ。また、リーグ戦モード・段位認定モード・記録室等と、家庭用向きのアレンジもそこそこで、駄作ではありません。
 
 
 
■日灼けの想い出+姫くり GIRLS IN MOTION PUZZLE VOL.1
・ジャンル:パズル ・メーカー:やのまん
・発売日:1995年12月8日
・クリア状況:エンディング/全姫くり
 
  実写のピースを組み合わせるジグソーパズルで、モードは動画・対戦・静止画の3種類。出演は桜井亜弓・長谷川真美・藤本恭子・工藤美和子・山室千代子と、どなたも存じません。
 
 まずはメインの動画モード。最初に感心したのはモデルの質が高く、キュート・ボーイッシュ・クール・ワイルド・セクシーと、容姿の傾向が被らない人選です。これは千差万別の主観ではなく客観的評価なので、プレイ予定の方はご安心を。海外ロケによるムービーも単に垂れ流すだけに陥らず、色取りどりの内容で見る者を飽きさせません。しかし、青く澄んでいたであろう日中の空と海を含めて、映像全体が夕陽を浴びたかのように強く赤みがかっているのは、仮にハードの問題だとしても失策でしょう。極めて低い難易度と、パズルが1人当たり4個しか用意されていないのも欠点。本質は上出来な分、おざなりな細部が惜しまれます。
 お次の対戦モードにおまけ以上の価値は無し。CPUとの勝負が可能とは言え、勝ち抜いてエンディングを目指す等の継続性を実装しておらず、ピースを的確に置いていくCPUに卑怯なアイテムで対抗しなければならない展開にも興醒めです。それでも他のモードと趣旨が違う為、気分転換には悪くありませんでした。
 
 最後に「姫くり」と銘打った、静止画モード。その名の通り全366枚のパズルが1日ずつに対応し、毎日の起動を1年間要求する前代未聞の企画です。読み込みを含めた所要時間は1枚当たり約3分で、動画モードとは比較にならない程の永いお付き合いが望め、こつこつと完遂させた者の感想としては暇潰しに最適でした。清々しい背景画像とほんのり物悲しいBGMに、お手付きも制限時間も無い単純な作業性が相俟って、挑戦中に心地よい気怠さを感じさせてくれるのが魅力だと言えましょう。尚、1枚毎にリセットして内蔵時計を調整する手間は、裏技で補えます。
 ただ、静止画の品質が最低最悪なのは誰もが気になるはず。361枚が動画モードのモデルとは別人で、その彼女たちのルックスとプロポーションに大きな難があるのはさて置き、適当な合成の背景と異様なライティングから笑うに笑えない悲惨さになっており、被写体への同情を禁じ得ません。これは千差万別の主観ではなく客観的評価なので、プレイ予定の方は覚悟を。各人の誕生日に登場する動画モードのモデルは5枚全て、きちんと綺麗に映っている事実が不幸を深めるでしょう。
 
 動画モードを数日でクリアして終わらせても良し、静止画モードの制覇を目指して数ヶ月単位で挑むのも良しで、操作性・読み込み・オプション・セーブ等のプレイアビリティも熟れた佳作です。
 
 
 
■ちびまる子ちゃんの対戦ぱずるだま
・ジャンル:落ちものパズル ・メーカー:コナミ
・発売日:1995年12月15日
・クリア状況:全エンディング(ノーマル&★×2orハード&★×7)
 
  読んで字の如く、『ちびまる子ちゃん』のキャラクターが8人登場する『対戦ぱずるだま』です。
 
 一連のシリーズには「ルールは易しいのにCPU戦は無闇に厳しい」との印象を持っていましたが、本作の難易度は控えめ。落下物を必要最小限の2種類に抑えたことも、誰でもお手軽に連鎖の爽快感を楽しめる『対戦ぱずるだま』のゲーム性を生かした好判断だと思います。読み込みとコンテニューの処理が早いのも併せて、プレイ中にストレスは感じにくいでしょう。得点と送り込み量の計算が大雑把で連鎖を組む苦労が報われないのは、『ぷよぷよ』に捉われない狙い通りの調整だと解釈しました。
 ただし、1P用の勝ち抜き戦と2P用の対戦のみのモードに、レベル・難易度・コンテニューの有無で変化しないエンディングと、作りはシンプルを通り越して安易なくらい。オプションでは面間の演出カットすら設定不可の他、サウンドチェックの数字が三桁ありAボタンでストップが可能なのに、実際に聞けるのが000〜014の効果音だけなのは明らかに変。小さな会社・カートリッジ・ロープライスならともかく、大きな会社・CD-ROM・フルプライスの割には空疎な中身で、長いお付き合いは難しいでしょう。たまちゃんや花輪くん以外にペンクローや沢田まゆを使えれば淋しさも癒えるのに、悲しいかなアーケード版は完全未収録です。
 
 最大の不満は登場人物を拝借しただけに終わっている、版権の活用方法。オープニングで主題歌を唄わせたり、抱腹絶倒の漫才デモを用意したり、エンディングをアニメから取り込んだり、これらのファンサービスを付けていれば評価は高まったはず。あと、キャラクターのリアクションは凝っている反面、第一期の作風が好みの者にはそれ以降に準拠の刺々しい描写が辛くもありましたが、少数意見かもしれません。
 
 ちなみに、回収騒動があったそうです。
 
 
 
■くるりんPA!
・ジャンル:落ちものパズル ・メーカー:スカイ・シンク・システム
・発売日:1996年2月23日
・クリア状況:全エンディング(NORMAL or VERY HARD)
 
  見事な完成度に驚かされた『新型くるりんPA!』の原作。プレイ順が発売と前後しているので、続編のレビューも併せてご覧下さい。
 
 続編のタイトルや代わり映えしない見た目により、新型から改良部分を差し引いた余りと等しい内容が予想されますが、ルールにしろキャラクターにしろBGMにしろ、流用は少ないと言えるでしょう。最大の相違点は、連鎖が存在しないこと。これでは導火線の長さのみで送り込み量が決定されて奥が浅いかと思いきや、同時に消した爆弾の数とブロックを10個落とす毎に攻撃力加算の仕組みにより、連鎖の不在が補完されています。攻撃力の上昇はブロックの落下速度に直結する為、粘って点火した方が良いと言い切れないのも上手い調整です。
 キャラクターは半数が続編と被る反面、こちらは非デフォルメなので別人にしか見えませんし、リアクション・音声・エンディングも違います。BGMも基本的に別の曲で、パズルゲームらしからぬ聞き応えなのはまた然り。エンディングにオチが無い駄作があるのは肩透かしでしたが、CGはより綺麗です。更にはオートセーブ&ロードやスコアの実装と、続編に受け継がれていない長所までありました。
 
 レベルアップや全消しの度に操作不能になり、処理が重たいのは気に障ります。ピンチ時のBGMの切り替えで読み込みが発生するのは小さくも大きな失敗で、落ちものパズルの対戦は有利不利の変化が激しく、頻繁に音楽が途切れて無音が入り込むのを避けられません。あと、このジャンルでありがちな問題とは言え、右端の2列のみを天井に近付けるとブロックを置きにくいのがペケ。隠しキャラクターの使用にコマンドが必須なのも面倒です。
 全体的には地味で質素で不器用ながらも丁寧で、ゲーム性と演出に続編と異なる魅力を秘めており、落ちものパズルが好きなら両方を揃えてもありでしょう。
 
 最後に余談を。雪だるまの最高送り数で2500個超を記録出来て満足な私の目に、サターンファン1996年5月10日・5月24日号「雪だるまキャンペーン」の記事が飛び込んできました。総合部門優勝はレベル21の12661個で、セガサターンマガジン1996年1月12・26日号に記載の社内記録に至っては43000個と、上には上が。
 
 
 
大牌砦だいとりで
・ジャンル:パズル ・メーカー:メトロ
・発売日:1996年6月28日
・クリア状況:エンディング
 
  牌砦(とりで)と呼ばれる積み上げられた麻雀牌を取っては消す、有名パズルゲーム『上海』の派生作品。プレイヤーが取った牌と最初から入った牌が合計8枚までストックされるスペースで順子か刻子を作り、ここを空っぽにしたらステージクリアです。分岐制の全66面、3面×5チャプターでエンディング。
 
 麻雀の知識が少しあれば、デモプレイだけで理解出来る簡単なルール。取れる牌を見た目に区別させ、手順前後厳禁の難解なステージでも試行錯誤に費やす時間が少ない、取る順番以外の要素を排したシンプルなパズル性。操作性や読み込みにも問題は感じず、基礎部分は良好です。ただし、後の建築方法に誤りがありました。
 早い段階で引っ掛かるのが、思考型とアクション型の迫間でどっち付かずのゲームデザイン。不用意な選択は手詰りと紙一重の難度から基本軸は前者と推察されるのに、アンドゥやリスタートのような補助機能を未実装にした反面、制限時間と連鎖ボーナスのリアルタイム性でプレイヤーの反射神経は過度に刺激してきます。更に、取るまで正体不明な牌があるわ、同じ面でも牌砦を回転させたり牌種を変化させたりするわで、バランスが極端に悪化。「迫間」には『なぞぷよ』を成功例に挙げられますが、本作は「どっち付かず」の程度が激しいのです。
 
 これらはアーケードからの移植故の特徴でしょうが、稼働場所を変える際に必要な再調整を抜かったのが痛打。家庭でのセーブをゲームセンターにおけるエクステンドで代替したのが短所の代表格で、実質的に限られた地点でしかセーブを許してくれません。つまり、頭が痛くなる程に悩んだ難問が解けても、運悪く再び頭が以下略でセーブも不可能な壁に突き当たった日には…。全面制覇を目指せば前半の再プレイが幾度と求められることも併せて、クリア手順の録画が必須ですね。
 分岐は自然や物質に纏わる英単語で名付けられた本の選択で成されますが、その書名が使い回される上に樹形図を表示せず、全体像を掴むのに一苦労。同じチャプターの同じ書名は同じステージ構成が原則で、自作の分岐表と攻略記事記載の面数も合致したものの、最終チャプターに例外がありますし。そもそも、エンディングが共通のスタッフロールだけでは分岐が無価値で、ここでもインカムとの兼ね合いによるアーケードの仕様を徒に引き継いでしまいました。数少ないリファイン箇所のオプションもやっつけで、コンテニューでステージを初期化しない設定だと、本当に目を閉じたままでクリア出来るのです。面間デモとエンディングの鑑賞を目的とした作品ならともかく、パズル自体を楽しむしかない本作では自滅行為でしょう。
 
 評価が辛い原因の一つが、麻雀牌+パズルの共通点で比較対象がメガドライブ『紫禁城』だったこと。こちらは思考型パズルとしての体裁が完璧で、5種類から選べる高品質の絵柄とBGMに、10面毎のインターミッションと苦労に見合う2種類の豪華なエンディングが用意される、充実の内容でした。それを踏まえて『大牌砦』の家庭用は、ルールを据え置いてもアクション性は極めるか切り捨てて、最低限の機能と演出を付け足すべきだと思います。
 
 
 
■ボディスペシャル264 GIRLS IN MOTION PUZZLE VOL.2
・ジャンル:パズル ・メーカー:やのまん
・発売日:1996年8月2日
・クリア状況:エンディング/最短クリア(パズルクラブ)
 
  『日灼けの想い出+姫くり』の続編。出演は雛形あきこ・松田千奈・木内あきらで、流石に雛形あきこは存じております。
 
 ゲームシステムとモードは前作のままながら、不満点の解消により望ましい続編像に。動画モードは1人当たりのムービーが10本になり、モデル数の減少を物ともしません。難易度は無闇に難しくせず、パズルを完成させる楽しみと連動させた調整で好感が持てます。何より嬉しいのは発色が改善されたムービーで、ちゃんと青いものは青く、白いものは白く映っており、見違える程に美しくなりました。ただ、映像の中身は前作より薄いかもしれません。
 対戦モードは挑戦相手・応援ギャル・増加したアイテムの選択が追加され、少しは存在意義が向上。静止画モードは全150枚と半分以下に減った反面、前作で最低最悪だった部分が全面的に反省されています。また、クリアタイムによってモデルの3人から数種類の台詞が音声で聞けるのも、良い工夫ですね。
 
 首を傾げたのが、動画モードのモデル選択に採用されたルーレットで、単に面倒なだけです。お目当て以外の場所に止まったからとキャンセルすれば暗転後にタイトル画面まで戻りますし、エンディングを阻む最も手強い障害でした。他に気になったのは、静止画モードを2分30秒以下の最高評価でクリアすると、ご褒美として全ての静止画がビュワーにセーブされてしまうこと。個人的には手間が省けて喜んだものの、自力で一枚ずつ作り上げてコンプリートさせたい人もいるはずでしょう。
 
 完成度はこちらが格段に上回っていますが、出演モデルの好みの差が覆し難く、前作を推します。
 
 
 
■新型くるりんPA!
・ジャンル:落ちものパズル ・メーカー:スカイ・シンク・システム
・発売日:1996年8月9日
・クリア状況:全エンディング(NORMAL or MANIAC)
 
  6種類の導火線ブロックを繋げてゆき、ファイヤーブロックで点火させて消す、対戦形式の落ちものパズルです。
 
 独創的なルールと細部の作り込みにより、『ぷよぷよ』の亜流に終わらせていません。導火線に未接続でも密着していれば引火するファイヤーパックによって連鎖が簡単だったり、導火線を繋げる難しさを四方に火種を撒く爆弾で緩和させたり、随所で間口を広く取ろうとした基本ルールは秀逸。ゲームシステムとキャラクターの詳しい説明も完備し、飽和期のジャンルで切り捨てられがちな初心者を手厚くもてなしてくれていますね。
 その上、他のルールは上級者を唸らせる出来栄え。連鎖と共に攻撃力も増しますがフィールドの何百倍も埋め尽くすインフレは起きず、お邪魔ブロックは低所を優先しつつ一度の出現量を抑えて反撃を容易にし、3分間の制限後に相殺停止・落下速度加速・ファイヤーパック出現数低下・お邪魔ブロック出現量増加で試合時間の短縮を図り、ファイヤーブロックの出現順を固定させて消したい時に消せない不満を抱かせず、全消し3割増しボーナスで連鎖作成の見切りの駆け引きを生み出す等、一つ一つが理に適ったものとなっています。送り込み量が破綻に至る『ぷよぷよ』系と、攻撃が不利に直結する『対戦ぱずるだま』系と、連鎖が無意味な『マジカルドロップ』系の欠点を同時に解決しており、同種の作品を相当に研究したのでしょう。
 
 誉めたい箇所はまだまだあります。的確な対応をする思考ルーチンによって、対人戦感覚のCPU戦。それでいて最上級でも常識的な強さで、必ず腕の善し悪しで勝敗が決まる難易度。斜め下に入力すれば、高速落下と左右移動が同時に可能な方向キー。ソフトリセットやコンテニューから一瞬で復帰し、試合間に暗転が皆無と、カートリッジに匹敵する読み込み。これらは全て1997年発売の『ぷよぷよSUN』では蔑ろにされており、名も無きメーカーが前年に発売した作品の完成度が落ちものパズルの王者の最新作を優に上回ることに、驚きを覚えました。付け加えれば、VSモードでCPUの強さを細かく調整出来たり、エンドレスモードへ永遠には続けられない配慮を施したり、アイテム説明が直前に使用したキャラクターに合わさっていたり、密かにBGMの質が高かったりで、至れり尽くせりですね。
 キャラクターのタッチは上手とは言えず、垢抜けないデザインで外見の魅力は薄いものの、一般向けの作品としては特定の層向けのアニメ絵よりも無難でしょう。プレイ中のリアクションでは凄く滑らかに動いて、豊富な音声の台詞回しも楽しく、次第に愛着が湧きましたし。個別に用意されたエンディングは内容も個性的、特に如月ナミのオチにはやられてしまいました。
 
 長所ばかり挙げたので、短所も洩らさず。落ちものパズルに格闘ゲームのごとき特性を入れて成功した例は少ない通り、本作もキャラクターの能力に大きな格差があります。ミハエル・フェリス・如月ナミ等の強者に、リサ&フィリップ・トニラ等の弱者は太刀打ち不可能でしょう。また、お邪魔ブロックの送り込み量を記録するランキングは、普通にプレイすれば200個が限界の11人を、容易に1000個を超えられるフェリスが蹂躙してしまうので、キャラクター毎に分けるべきでした。セーブ&ロードが手動専用なのはともかく、どちらの実行時にも確認のクッションが無い為、大事なデータを一瞬で失ってしまう危険性がいけません。あとは得点を排除したのと、双方に配られるブロックが異なるのが駄目ですね。
 
 結論を言えば、落ちものパズルの最高峰でしょう。
 
 
 
■女子高生の放課後…ぷくんパ
・ジャンル:落ちものパズル ・メーカー:アテナ
・発売日:1996年9月27日
・クリア状況:全エンディング(NORMAL or HARD)
 
  2個一組でフィールドに落下してくるタマを操作して、縦横に同じ色を3つ以上繋げれば消える、有り触れた形式の落ちものパズル。命名は社長とのこと。
 
 大ダマを消すと隣り合った小ダマが大ダマに変化するルールは『対戦ぱずるだま』と共通し、画面もコピーにしか見えませんが、小ダマの中に大ダマの元が2個入っているのが『ぷくんパ』の特徴。他の相違点は、相手の攻撃開始から一定時間しか有効にならない相殺と、フィールドに降るのが小ダマではなくおじゃまダマ──つまり『ぷよぷよ』方式なことくらいです。模造に徹すればプレイヤーの負担が小さく済みますし、元からそっくりな『ぷよぷよ』と『対戦ぱずるだま』を合体させた発想を悪いとは言えないでしょう。
 小ダマから2個の大ダマが出現するので偶然の連鎖が発生し易く、その点では初心者向き。しかし、小ダマ内の回転用に使用ボタンが4つになるのと、小ダマから大ダマが飛び出す方向の法則がややこしく、極めるには相当の練習が必要そう。飛び出しは横並びなら右に、縦並びなら上が基本ながら、隣接スペースの状況によって変化するのが厄介で、残念ながら極められそうもない私は小ダマの影響を最小限にして連鎖を組みました。本末転倒では。
 
 登場キャラクターはタイトルから察っせられる通り、9人全員が女子高生。部活動対抗ゲーム大会とのストーリーから、ソフトボール・水泳・柔道・新体操等々と多様な面子が参加する割に、キュートともセクシーとも言い難いあっさりした絵柄のせいか、髪以外は皆が一緒の顔に見えます。漫才デモが存在せず、連鎖時のリアクションに個性が弱く、個別のエンディングは文章のみと、彼女たちの魅力に引っ張られる人は少なそうです。大連鎖の発生でキャラクターの顔スタンプ風のグラフィックがフィールドにずさっと重なる演出が、唯一の誉めどころかと。
 ゲームシステムはそのままに、キャラクターが獣人や魔女っ娘のようなお子様向けに置き換わる、FUNNYモードについて。説明書で触れているのは一文のみでゲーム中にストーリーの解説すらありませんが、別の落ちものパズルが丸々収録されているのに近くてお得です。ところで、こちらではノーコンテニューで進むと10人目のキャラクターが登場するのに、女子高生モードでは確認出来ません。この少ない1試合分を、FUNNYモードには無い同キャラ対戦で調整しているのでしょうか。
 
 細かな長所を羅列すれば。勝負が決まっても連鎖終了まで画面が切り変わらないのが、『ぷよぷよフィーバー』の先取りで偉い。プレイ中は「○連鎖!」「危ないよ」「負けちゃう…」と音声が賑やかだし、コンテニューも即可能なので負けが込んでもストレスは溜まりません。オートセーブはありませんがオートロードが備わっており許容範囲、オプションで設定した方のモードが直接立ち上がるのも感心です。
 短所を挙げれば、落ちものパズルの命である操作性が冴えないのは絶対に見逃せません。回転の反応がワンテンポ遅く、キーリピートによる横移動の速度が不定なのと、ツモ毎に高速落下の再入力を求められることで、てきぱきと最効率で組み上げるのが困難なのです。これらの足枷に邪魔されてHARDではCPUとの連鎖仕込み競争に敗北必至で、ノーコンテニュークリアは諦めてしまいました。小ダマの割合が多過ぎて意中の大ダマを待つ際にイライラを招くのと、全体がドラム状に動いて異様にわかりにくいスコア表示も要調整でしょう。
 
 喋って欲しい時に無声だったり、背景が描かれるべき場所が真っ暗だったりと総じて安っぽい作りながら、有名な類似作に殊更劣っている訳ではありません。
 
 
 
■ズープ
・ジャンル:アクションパズル ・メーカー:メディアクエスト
・発売日:1996年11月29日
・クリア状況:9面クリア
 
  四方の4列からセンタースクエアに迫る数色のズープをセンターピースからの攻撃で消してゆく、自称シューティングパズル。
 
 センターピースと同色のズープを撃つと消えて、違う色だと入れ替わるだけでは、同色を全部撃っては違う色を撃ちの単純作業に終始しそうなものの、消えたズープの背後に消えないズープがいても入れ替わってしまう仕様から、テクニックを突き詰めていけば戦略性はあります。ただし、闇雲に撃つだけでも進行するので高得点を望む場合に限られ、結論は奥深さ無しの運任せゲーム。人為的に色を変えられるのが先頭のズープだけで、纏め消しは一列単位でのみ発生し、ズープの出現が画面端から完全にランダムだからです。通常と変わった形で消せるアイテムの存在も、ゲームオーバー回避用で得点に繋がりません。レベルが上がるとズープが大量増殖しますし、ハイスコアよりも生存時間に比重を置いたのでしょう。
 何度かリスタートして、平均プレイ時間は約10分。ランダム性が強くて技術の上達が延命に繋がらず、バックアップに対応せずで、やり込む気になれません。面クリア方式のモードもありますが、セーブもコンテニューも用意されなくては以下同文。ステージセレクトで第9面をクリアしてもまだ続きましたし、エンディングは無いのでしょう…と思いきや、当時の雑誌記事や広告によれば99面まで続くらしく、絶句。
 
 ルールの発想や無生物的な雰囲気は悪くないものの、ゲームソフトとして最低限必要な肉付けを怠っています。『マジカルドロップ』みたく後付け連鎖を可能にするか、『倉庫番』みたく非リアルタイムの思考型パズルに変身させれば、もしかしたら化けるかもしれません。
 
 
 
■スーパーパズルファイターIIX
・ジャンル:落ちものパズル ・メーカー:カプコン
・発売日:1996年12月6日
・クリア状況:エンディング(全モード・★×8)/全アイテム
 
  自社の対戦格闘アクションのキャラクターをSD化した落ちものパズルで、アーケードからの移植。略称は『スパズル』とのこと。
 
 固くした『ぷよぷよ』でしかなさそうな見た目とは裏腹に、ノーマルジェムを並べてクラッシュジェムで消す基本ルールと、ノーマルジェムで四角形を作るとパワージェムに変化して攻撃力増加の仕様により、連鎖の重要性が低くて新鮮です。パワージェムの固さが重力に勝る為、下手に迫り出させると障害物になってしまうのが、四角一辺倒の配置では上手くいかない面白さを生み出しています。キャラクターの特徴がお邪魔ブロックの攻撃パターンのみなのと、追い詰められてから粘り易い調整も、対戦形式の落ちものパズルでは長所でしょう。
 しかし、上記以外の部分はおざなり。ぎこちないジェムの動きと、ゲームスピードを上げても改善されない処理落ちにより、操作性は冴えません。ジェムの配分は、アーケード版の攻略本によれば複雑な仕組みの割に、ストレスを誘発しがちです。レバー確定ボーナスの判定が辛く、普通の感覚で置けば無視されるのも難。同色を全破壊するレインボージェムが一定個数毎に出現し、それまでの仕込みを台無しにしやがるのが極め付けで、この防止に空けている1列をレインボージェムの直前にお邪魔ブロックで封じられた時の、腹立たしさと言ったら。
 
 プレイに直接関わらない箇所にも、難点が少なからず。特典を獲得してゆく「ストリートパズルモード」は、その大半が勝利マークや別カラーのような標準装備で当然な内容。ハードより更に難しいと自称の「エキスパートモード」は、相殺の無効化と攻撃量の修正値が原因か通常より明らかに簡単で、ピンチ即自爆の思考ルーチンと共に要改善でしょう。数の乏しさと内容のつまらなさを両立させてしまったショウタイムと、信じ難い程に厳しい乱入キャラクターの条件と、得点のシステムは良いのに保存回りの粗雑な取り扱いでスコアアタックに挑みにくいのも、困ったものです。
 心底残念なのは、騒がしい音声と過剰なアニメパターンによるキャラクター性が売りにも拘らず、クリアしてもスタッフロールだけで終わってしまうこと。おまけに、ハードコース・難易度★×8・コンテニュー無しであろうが、ノーマルコース・難易度★×1・コンテニュー有りであろうが、差異は僅かです。エキスパートモード+コンテニュー無しならば短い英文が流れるものの、ちっとも嬉しくありません。
 
 落ちものパズルとして持ち合わせる魅力を、作り込みの浅さで打ち消していますが、カプコン製品故に期待を抱き過ぎてしまったのも事実。公正に評価すれば標準以上でしょう。
 
 
 
■両替パズル もうぢや
・ジャンル:落ちものパズル ・メーカー:ヴァージン インタラクティブ/エトナ
・発売日:1996年12月20日
・クリア状況:エンディング(ふつう+コンテニュー無orとてもむずかしい)
 
  一円玉・五円玉・十円玉・五十円玉・百円玉・五百円玉を縦横に並べて両替してゆく、日本の硬貨版『ぷよぷよ』です。その低い知名度とは裏腹に、パソコンからアーケードまで多くの媒体で遊べたのだとか。
 
 青ぷよは2個で消えるけど、赤ぷよは5個じゃないと消えない──本作を『ぷよぷよ』に置き換えればこんな風になってしまい、ルールの簡素さが大切なアクションパズルにおいて、掟破りに思えます。しかし、日常生活で馴染み深い硬貨を題材に用いた効力はてきめんで、ぷよの色によって並べるべき数が異なったり、消去後に色が変化したぷよが1枚残ったりするのを、直感で理解可能です。
 ぷよのグラフィックが実物の硬貨を模していないとか、規定枚数以上を並べても必ず1枚に両替されるとか、題材が勝利条件に関連しないとか、付き合い始めは奇妙な点もちらほらとは言え、やがてどれも必然の処置なのがわかりました。また、十数時間遊んでミスが一度も出なかった操作性と、勝利後は一瞬で次戦へ移れる程に高速な画面遷移を擁し、回転・ちぎり・接地等のパラメーターも適切。これは有名な会社でも蔑ろにされがちであり、無名な会社の頑張りを誉めたいです。猫を擬人化したキャラクターは、とかく派手かつ色好みなゲーマーへの訴求力に乏しい印象ながら、一般層向けで好き嫌いの分かれにくい堅実路線として受け取れます。
 
 ここで筆を置けば佳作扱いになってしまう為、以下に現実を。相殺や予告ぷよが存在しないゲームシステムと、連鎖アニメ&ボイス&効果音が弱過ぎな演出面が、あまりに時代遅れ。難易度は激辛ではない反面、お助けアイテムとフリーコンテニューによる調整であり、不粋に最速で積んでゆくCPUには興醒めです。音楽がCD-DAなのにモノラルで、セーブに非対応で、2P対戦でキャラクターの選択が不可と、残念な仕様も。そして、ストーリー1人分・2P対戦・エンドレスしか備えない、モードの少なさが悪評を決定付けます。おまけに、おじゃまぷよを消す度に現在のスコアが減算されてゆく前代未聞の得点システムと、1種類しか無いのに後味が悪いエンディングで、プレイヤーの心理を不用意に汚してしまいました。
 
 本作の弱みは時代にそぐわない小品的さで、前世代機で安価に発売されていれば並の評価は得られたでしょう。
 
 
 
■タクラマカン 〜敦煌傳竒〜
・ジャンル:パズル ・メーカー:パトラ
・発売日:1996年12月27日
・クリア状況:エンディング
 
  ムービーにより構成された空間で14種類のパズルを解いていく、台湾産作品。副題の「とんこうでんき」は「敦煌傳奇」と誤記されがちです。
 
 アジアゲーかつムービーで移動と聞いた瞬間、操作性等の基礎に不安を誘われますが、入力のレスポンスは非常に良く、ムービーは簡潔な内容を高速に再生し、アクセスでの待ち時間は極短で、すぐに偏見だとわかりました。パズルの順番に融通が利き、文字情報以外でもムービーや画面にヒントが隠れており、セーブ&ロードはいつでも可能と、プレイアビリティに欠点はほとんどありません。音声がスキップ不可なのと、パズルの開始前に解説文を表示しないのと、補助メニューを開いた時点でパズルが初期化されるくらいですね。
 最も素晴らしいのは、宗教色に支配された荘厳な世界の表現。映像・音声・台詞にTVゲーム特有のセンスの悪さが無く、質の高いドキュメンタリーのようです。躍動感に溢れたカメラワークによる美麗なムービーの神秘さは目を、郷里大輔と藤田淑子を起用したナレーションとBGMの重厚さは耳を、その特異な物語に深く浸らせてくれました。
 
 パズルは独自のルールが少なく、馴染み深い「絵合わせ」「箱入り娘」と簡単なアクション性のミニゲームで大半を占めます。それらは直感すら必要とせずに解答に辿り着けてしまい、あれよあれよと数時間後にはエンディング。難解なパズルを好まない私はともかく、理詰めと発想力が肝の高度な思考型パズルを期待していた人には手痛いはず。パズルの楽しみは次々に解けていった結果でなく過程で味わえるのが理想であり、エンディング後の再プレイが現実的でない性質も含め、この難度なら問題数は倍増すべきでしょう。
 ただし、当作の評判は上記と反した苦言が目立ち、発売当時のレビューでは異口同音に理不尽な難しさが指摘されていました。これは1問目と2問目に潜む「説明されないルールがある」「画面が暗過ぎて解答に必須の情報が判別し辛い」との欠陥が原因。
 
 1問目の「飛天」では「初手は画面上部に一ヶ所あるポイントしか反応しない」ことを、2問目の「八角算盤」では左上から時計回りに仏像の向きは「右・右下・左・左下・右上・左上」と、中心の突起の数は「1・7・3・5・2・4」と並んでいることを、現在プレイ中の方にお伝えします。
 
 
 
 
▲前のページ 次のページ▼
 
■ソフト一覧 ⇒トップページ