The words of a song
Melancholy eyes
 
 
 
 悲しみ揺れるゆりかごは
95/07/12制作 ⇒Postface
 
 
静かな月の語り 冷たくなった紅茶
感傷うずく一人の夜
哀歌流れるラジオ まるで自分の調べ
占い当たり一人の雪
 
後悔してももう遅い くやしさはあの言葉
ため息だけの冬模様に
 
言い訳なんて 無駄だろうけど
わかって欲しいから
去った君を探しだし 僕は星空の街で
心のゆりかごは悲しみで揺れる
 
 
ほのかな月の明かり 嫌な感じの予感
信じたくない一人の闇
黒猫鳴いた街路 怖く光った瞳
寒さに耐える一人の街
 
口実たくさんあるのに くやしさは会いたくて
旅立つ僕は独白する
 
言い訳なんて 遅すぎるけど
わかって欲しいから
消えた君を追いかけて 僕は静謐の街を
心のゆりかごは切なさで揺れる
 
 
心のゆりかごは柔らかに揺れる
 
 
 
 
 
 
密やかなささめ雪
95/12/14制作
 
 
冷えきった夜の街
マフラーも手ぶくろも
役に立たない 白い結晶の心には
 
どうせ朝を 迎えずに溶けてしまう
この雪たちの 命はどこに?
この雪たちに託した 思いは誰に?
 
 
着飾った星の街
フィナーレはいつだって
幸せになる 無垢な薄幸のヒロインは
 
美しさに 儚さの花を添える
この雪たちの 灯(あかり)はどこに?
この雪たちに唄った 調べは誰に?
 
 
通り過ぎる冬に 別れのささやき
なぜか声が出ない
 
密やかなささめ雪
静けさに舞い込んで
なにも語らず 白い結晶は消えてゆく…
役に立たない 白い結晶の心には…
 
 
 
 
 
 
雨降りし季節 六月の日
96/6/26制作
 
 
毎日が曇り空
姿見せない お日さま
シトシトと音がして
今日も朝から 降ってる ずっと
 
湿ったクッキー ガラスの水玉
お淑やかな六月の雨じゃ
落ち込む心
流れなくて 流れなくて
晴れた気持ちには なれそうもない
 
 
咲く花は輝かず
地味な色した 街並
ヒソヒソと声聞こえ
噂話を している みたい
 
開いたカーテン 重たい大空
ゆううつ気な六月の雨は
なぜだかいつも
変わらなくて 変わらなくて
暗い部屋の中 私も同じ
 
 
 
 
 
 
寝息さえも聞こえない
97/01/27制作
 
 
白く染められた 街路に立って
微笑む君から色が失われていく
赤い唇も 火照った肌も
時の流れは ここに置き去りにしたまま
 
たった一枚残った写真 色があるのは
君が両手で抱えたままの 枯れない花束だけ
 
眠りの姫は 永遠に目覚めてくれない
 
 
なぜか一枚残った写真 炎の中で
「それは燃やさず大事にして」と ささやく君の姿
 
……なのに
姿はおろか 寝息すらもう見つけれない
眠りの姫は 永遠に目覚めてくれない
 
 
 
 
 
 
Fanciful girl
〜she will be back soon or later

97/03/09制作
 
 
There's a red moon tonight
"Fanciful girl" looked up at the sky
in the moonlight
Red is her favorite color
"Fanciful girl" has no secrets from the moon
 
She has red hair
She has red eyes
She has red lip
Because she is "Fanciful girl"
 
 
There's a red moon tonight
"Fanciful girl" shed innocent tears
in the moonlight
Every dream was broken
"Fanciful girl" is as good as dead
 
The girl vanished in the moonlight
We couldn't locate her,
yet there's a red moon tonight too
 
 
 
 
 
 
思考の渦 光の海
97/03/14制作
 
 
思考の渦の中で 君は
誰のために それを守っているの?
 
暗くて 寂しい
孤独なだけの空間は
君のせいじゃない
 
ここからは
決して 未来は生まれないのに
 
 
光の海の中で 君は
遥か遠く ずっとたたずんでる
 
寒くて 静かで
孤独なだけの空間は
君の胸の内
 
いつまでも
君は 心を閉ざしたままで
 
 
 
 
 
 
世界の終わりかけ
97/06/17制作
 
 
0時になれば 世界は終わる
じたばた騒いでも これは決まり事
残り時間は 一時間だけ
長いか短いか それはわからない
 
昨日 蒔いたばかりの 花の種
さっき 借りたビデオは 途中まで
これより先は 見れないのね
 
別に悲しくなんか ないのはなぜかな
 
 
0時の前に 時計を止めた
狂った奴らとは 私違うから
冷静なまま 最後の夜を
普段と同(おんな)じ 夜に仕立てよう
 
みんな 血気盛んに ざわついて
街は 今になっても 生きている
終わりの端は ほらすぐそこ
 
部屋の電気を消して ベッドで眠ろう
 
 
今夜始まる夢は 永遠に続く
 
 
 
 
 
 
淋しいような気がしたり
97/07/04制作
 
 
それはそれは シトシト雨が降る
見えない空気に 溶け込むみたいに
そんなそんな 小さな雨が降る
よくある景色に 溶け込めない あたしだけ
 
一人の傘は やっぱり大きすぎるよ
 
それはそれは ちょっぴり雨が降る
街中綺麗に してくれる雫
 
淋しいような 気がしたりしてもいいの?
 
 
それはそれは 静かな雨が降る
恋人たちへと 贈るプレゼント
そんなそんな 優しい雨が降る
このプレゼントを 喜べない あたしだけ
 
一人の傘に 広がる空間がある
 
それはそれは 儚い雨が降る
逢いびきしてても 許される天気
 
淋しいような 気がしたりしてもいいの?
 
 
そんなそんな ユーツな雨が降る
淋しさに負けた 帰り道は あたしだけ
 
 
 
 
 
 
ブランコ
97/07/06制作
 
 
ブランコは 風まかせな 正直さん
ブランコは いつも孤独に
誰か乗るのを待ち続けてる
 
人気ない公園を選んだ
一途な気持ちが 少し怖かった
 
ここなら 信じていたの
ここなら 優しく迎えてくれる
ここならって…
 
 
ブランコに 挨拶した 「お久しぶり」
ブランコは いつも変わらず
風が吹くたび揺れ続けてる
 
季節がら柔らかな日差しが
公園一面 包んでくれてた
 
ここなら 安心できる
ここなら うつむき泣くことだって
ここならって…
 
 
 
 
 
 
訊けないこと
97/07/09制作
 
 
二度と帰れないこと 知ってるのに
なぜ君はここへ来たの?
 
無駄な質問だと わかっているけど
 
君は 一言も 喋らないね
君は くすりとも 笑わないね
理由なんて 訊けないから
君が君の意志で 教えてくれないかな
 
 
夢の世界だけで 生きていけないよ
 
君の 瞳(め)の中に 明日はない
君の 体中 傷だらけで
理由なんて 訊けないから
君が君の意志で 教えてくれないから
 
 
全て終わらすための 道のりには
困難が立ち向かうよ
 
僕は臆病だと ぽつりこぼした日
 
君が 感情を 押し殺して
君が 演じる マリオネット
理由なんて 訊けないから
君が君の意志で 教えてくれないかな
 
理由なんて 訊けないから
君が君の意志で 教えてくれないかな
 
 
 
 
 
 
架空季節の逃避行
97/07/26制作
 
 
永遠を証明するなんて
僕らには難しすぎるけれど
きっとできると思う
 
風にさらわれる花びらに
君の背中が 一瞬重なったのは
空で煌いた双子星
どこへ逃げても 瞳からは消えないよ
 
そしてまた
季節は流れて 僕らは大人に近づく
 
 
この星が滅びる光景を
二人きり冷めた目で見れるかな
夢のデジャヴのように
 
街で育たない幻は
裏切りに似た 天秤じかけの心
雪の舞う中で二人だけ
内緒にされてた 未来の姿を知った
 
初めてした約束を覚えてる?
 
ゆっくりと
季節は流れて 僕らは変化をしてゆく
 
 
そしてまた
季節を流れて 僕らは大人に近づく
 
 
 
 
 
 
ねむりたいばしょ
97/09/04制作
 
 
どこからか聞こえる
ピアノソナタが ただ唯一の救いで
そして温もり
 
 
まるで合わせ鏡のような
終わりのない世界が 体ごと連れてゆく
 
助けてくれるなら
うんと伸ばした 手の指先をしっかり
君が包んで
 
 
ふっと消えていなくなれたら
幾つもの悲劇が 生まれずにすんでいた
 
ここはラビリンス
真っ暗闇で もう両足で立てない
強くないもの
 
 
どこからか聞こえる
ピアノソナタが ただ唯一の救いで
そして温もり
 
 
 
 
 
幻よりも儚い街
97/12/06制作
 
 
迷子になった天使 戸惑うのが哀れね
弓矢で帰り道を お知らせしてあげよう
明日には
 
開戦迫る空に 鳥の羽が散りゆく
無価値で邪魔なそれを 拾う人はいないの
淋しいね
 
星にだって 都合があるのでしょう
毎夜ごとに 光が小さくなる
暗い 世界に
暗い 朝
 
 
寝床を探す仔猫 小汚くて悲しい
君へのプレゼントは 粉ミルクとマッチの
どっちかを
 
気弱な独裁者に 何もかもを委ねて
とにかく天国への 入り方を調べる
こっそりと
 
街は拒む 天使の祝福さえ
雪と闇に 埋もれた変化の波
寒い 朝日に
寒い 風
 
 
暗い 朝日に
暗い 風
 
 
 
 
 
 
みんないないの…?
97/12/30制作
 
 
あんなに好きなメロディも 忘れた今
一人っきりの世界に 憧れてしまう
 
お願いがあるの
消さないで ずっと 消さないで
そこにある私のかけら
 
 
「あなたの愛が愛しい」 ささやき声
こんなに弱音はくのは あの月のせいね
 
鏡の中に見つけた 夢の廃虚
散り去る花のようには 綺麗じゃないモノ
 
手遅れじゃないよ
消さないで ずっと 消さないで
雪よりも小さなかけら
 
消さないで ずっと 消さないで
冷えきったガラスの器
 
 
下手なガマン 押しつけられた頃
(ヤナコトバッカリ…)
(コロサレチャウカモ…)(イヤ…!)
 
 
後悔しなくていい?
いなくても ずっと いなくても
それくらい許されるよね
 
いなくても ずっと いなくても
最後まで大切にして
 
お願いがあるの
消さないで ずっと 消さないで
そこにいる私のかけら
 
 
「あなたの愛が愛しい」 何度だって
くたびれた瞳の奥には 私がいるから…
 
 
 
 
 
 
天使の缶詰
98/03/20制作
 
 
あなたいないそこに
      あたしいないここに
あなたいたねここに
      あたしいたよそこに
 
手を伸ばした ミルキィウェイに
       ミルキィウェイに 触れられない
 
 
イライラするんだ
子どもじみた 理由で拗ねちゃって
ガマンのしすぎで
あたまん中 何かが暴れそう
 
手を伸ばした ミルキィウェイに
       ミルキィウェイに 触れられない
 
 
屋根に上ったら 届くはずだって
信じてたのに…莫迦
裏切るなんて…大莫迦!
 
天使なら それぐらい 出来るって 思ってた
 
 
あなたいないここに
      あたしいないそこに
あなたいたねそこに
      あたしいたよここに
 
 
泣けずにいるんだ
形だけの プライドあるせいで
素敵なあなたが
そばにいたら 強がりしないけど
 
手を伸ばした ミルキィウェイに
       ミルキィウェイに 触れられない
 
 
指の爪をほら 長くしてみたり
背伸びしたり…駄目
飛んでみたり…全然!
 
天使なら それぐらい 出来るって 思ってた
 
 
天使なら それぐらい……
 
 
 
 
 
 
古き時代 淡き未来
98/06/09制作
 
 
誰からも忘れられた 淋しい物語
助けてあげる
何よりも長い話 最後のページだけ
なぜか白紙ね
 
…もう戻ってこれないの?
変わりゆく世界で
…もう帰ってこれないの?
変わらずにいるのに
 
(人はみな 報われぬ存在)
 
 
博愛を唄う少女 無数の絶望に
たった一人で
残された旋律から 生まれた愛の種
せめて埋めよう
 
…もう戻ってこれないの?
お別れの言葉は
…もう帰ってこれないの?
用意もしてないよ
 
(人はみな 清らかな存在)
 
 
ウソはよくないよ…
 
…もう戻ってこれないの?
変わりゆく世界で
…もう帰ってこれないの?
変わらずにいるのに
 
…もう戻ってこれないの?
お別れの言葉は
…もう帰ってこれないの?
用意もしてないよ
 
 
 
 
 
 
雨降る街を散策しつつ
98/06/17制作
 
 
雨降り街を ゆっくり歩く
ここには お店も何もないけど
 
水玉傘で 空へと飛ぼう
雲より 向こうの星に会うため
 
ずっと元気でいるのは 結構ツライよ
こんな雨の日くらいは 落ち込んでいいよ
泣いたっていいよ
 
乾いた頬に 雨が一粒
涙の 変わりに筋を描いた
 
 
雨降り街に 帳が閉じる
闇夜に ポツリと残されたまま
 
帰りの道を 照らしてくれる
天から こぼれた月の導き
 
昔両手にいっぱい 抱えていたもの
今はポッケの奥底 破片があるだけ
大切にしよう
 
足取り軽く 少しスキップ
明日は 天気のような気がした
 
 
 
 
 
 
レクイエム 密かに…
98/10/26制作
 
 
踏切近く 置き去りされた ように
 
ぬいぐるみと 花束がいる
 
くたびれた目と 萎れた色は きっと
 
いなくなった 少女の分ね
 
 
うるさいだけの 機械の音を なんで
 
レクイエムに 選んだのかな?
 
会ったことない あなたのことで 酷く
 
泣いているのは なんでだろうね……
 
 
 
 
 
 
朝露にポツリ
00/04/17制作
 
 
あの頃失われた
朝露を今でも インク瓶に閉じ込めている
 
窓辺のハナサフラン
枯れてなくなる時 一滴だけ譲ってくれた
 
どこかにある 部屋の隙き間から
ふっと紛れる寒風
インク瓶は 音も立てないで
彼の誇りを拒否する
 
自然たちですら痛々しい世界で…
 
 
誰にも断りなく
桜から散りだす 鴇色した花びらの群れ
 
なぜだか懐かしくて
狂おしい思いを 一枚ずつ昇華してゆく
 
灰色雲から 雪の降るように
こんな醜い地上も
上空へと 色を舞い上げる
無駄だとわかっていたって
 
命と命が仲たがった世界で…
 
 
窓辺のハナサフラン
二度と咲きはしない 例えそれが夢の中でも
 
自然たちですら痛々しい世界で…
 
 
 
 
 
 
stellar tail
02/08/13制作
 
 
日が暮れてもまだ 温いままの季節
冷えきった心 手放せないでいた
少し心地よかったから
 
他人(ひと)よりも 無感動に生まれて
損した気分になるけど
誰一人 怒ることの出来ない
優しい自分(ヒト)でいたかった
 
無数の光 浮かんでは散り行き
遅れて届いた煩さの中
夜空に咲いた 花びらの1つに
君への思いが追いかけてゆく
 
上目使いした横顔を見て
 
 
ルビーより赤い 宝石の瞳と
日焼け知らずの肌 まるで見た目ウサギ
淋しさ嫌いまで似てる
 
たくさんの 時と夢を使って
幸せ通り抜けたけど
叩かれて 気づかされてしまえば
厳しい過去が痛かった
 
でもウサギほど 弱いワケでもなく
ちょこっと心に余裕あるから
夜空に咲いた 花びらに祈った
君だけ素直になれますように
 
おすまし上手な横顔を見て
 
 
夜空に咲いた 花びらの1つに
君への思いが追いかけてゆく
夜空に咲いた 花びらに祈った
君だけ素直になれますように
 
あんなに可愛いあの顔がいる
 
 
 
 
 
 
シャボン雪
02/12/12制作
 
 
どこかで 落としてしまった手袋
あなたの残した 最後の温もりだったのに
 
季節は 独りぼっちには無情で
寒がりの街を 一面白化粧に埋める
 
ただ愛されたかっただけなのに
こんなにも 傷つかないと駄目なの?
誰も答えてくれないつぶやき
 
手の平に舞い降りる このひとひら雪が
溶けるより早く伝えたい想い
手遅れになってでも なくしたくないから
一粒だけでもシャボンで包んで
 
 
記憶に 迷い込んでゆく笑顔を
一瞬捕らえた 写真は今更役立たず
 
涙は 幸せな時に溜まって
不幸せな時 悲しくとめどなく溢れる
 
ただ癒されたかっただけなのに
私には 許されないということ?
胸に届いてくれないささやき
 
瞳に映りゆく このひとひら雪が
消えるより早く伝えたい心
壊れてしまう前に 大事にしたいから
一粒だけでもシャボンに包(くる)んで
 
 
手の平に舞い降りる このひとひら雪が
溶けるより早く伝えたい想い
手遅れになってでも なくしたくないから
一粒だけでもシャボンで包んで
 
 
 
 
 
 
キャンドルにくちづけ
03/01/22制作
 
 
静かに黙り込む 優しい闇の中で
絶えず揺れるロウソクの灯かり
消えてしまわぬよう ゆっくり吐息かけて
小さな火と戯れてみよう
 
願わくば この炎の向こうに
愛しげな顔した 貴方がいて欲しかった
 
窓を隔てた世界では 闇に銀の斑模様で
明日の朝には 積もりそうだね
街の衣を替えるのに 神様すら忙しいのか
私の願いは 叶えられない
 
 
外から閉ざされた 牢屋のような部屋で
育ててきた本当の想い
傷つきやすいから 誰にも秘密にして
あの人まで伝わりもしない
 
見つめ合う この炎の揺らぎが
照れ隠しが下手な 貴方でいて欲しかった
 
肌を寄せ合う寒風も 寂しくなる独りの夜も
天使の授けた 贈り物なの
冷えた身体を包み込む 暖かさが恋しい季節
最後の吐息で 炎は消える
 
 
普段見慣れた街並が 美白色に着替えた朝に
私の想いは 炎に消えた
 
 
 
 
 
 
キミと君の演奏会
03/09/23制作
 
 
キミの指先たちが 鍵盤から生みだす
柔らかな 音階の揺らめき
空気の重みの中 弱々しい震えは
悲しくも ボクだけに伝わる
 
調べに秘めた 存在の証
 
ここにいるよ なんて
今更 言わなくていいのに
ここにいるよ なんて
余計に 心配させたいの?
 
 
君は感じとったね 音の膜に隠した
いじらしい 感情の紛れを
ただ少しの卑怯を 責めたそうな瞳が
肩越しに 私へと繋がる
 
視線に込めた 聞き飽きた言葉
 
嘘つきだね なんて
とっくに 知ってるはずのこと
嘘つきだね なんて
そんなに お人好しじゃないし
 
 
旋律の奥 交差する心
 
ここにいるよ なんて
今更 言わなくていいのに
嘘つきだね なんて
そんなに お人好しじゃないし
 
 
 
 
 
 
ゆきあかね
03/10/21制作 ⇒Diary
 
 
それは 産毛に隠れるほど
ふんわり可愛く ささやかな雪降り
どんな 優しく受け止めても
お別れの言葉 言う間もなく消える
 
柔らかな素肌を 冷気に捧げて
独りして 待ち人の 君はまだ泣かない
寒空の景色に 唯一温もる
切なげな 微笑みを 唇に灯して
 
 
それは 睫毛に埋もれるほど
やんわり小さく いたいけな雪降り
闇に ほんのり差し出された
月明かりにさえ 溶けてしまうという
 
折れそうな小指で 結んだ約束
心ない 振る舞いに ほつれる音がした
黒髪に小雪を リボンのごとくに
いじらしく 咲かせてる 君はまるで花柱
 
 
唇のあかりが 雪に溶けるまで
いつまでも 見守った 君の愛でた季節
 
 
 
 
 
 
シュシュ切り
04/07/08制作
 
 
1つ1つ 叶えたり 諦めたりして
そして最後まで残ったのが この約束
桃を帯びた 木漏れ日に 包まれた季節
忘れちゃうなんてありますまい そう必ず
 
意外に強い風の今日
あまり長い間 待ちぼうけにはさせないで
あんなに固い結び目も
そよぐ髪と共に ほどけてしまいそうだから
 
 
小説より 映画より 素敵な想いも
完結を見ない今のままじゃ 出来損ない
蜜の香る 蝶々すら 照れさした台詞
お子様味覚のあの頃には 美味しすぎて
 
知らない内に曇り空
少し嫌な予感 瞳伝って立ち込めて
やんわり緩む結び目と
はねる髪の先が 先行き不安暗示する
 
 
予報にはない雨模様
うねる髪の線を なだめることも出来なくて
小さな傘に独りきり
結び目からぷつり ほどける音が聞こえそう
 
 
 
 
 
 
おもいほのか
07/02/27制作 ⇒Diary
 
 
小さい頃から 色鉛筆を持つと
淡い色でしか塗れずにいた
失敗だらけで 私の選んだこと
何一つ自信無かったから
 
指先にそっと力 込めるだけの話なのに
どうしたって 出来なくて
真っ白な空間まで 好きな色を届けるのは
おもいのほか むずかしい
 
 
37度の 微熱が苦しくても
「しんどい」だなんて言えずにいた
いつも責められる 面倒見の悪さは
自分にも襲い掛かったから
 
少々のワガママでも 許されちゃう立場なのに
可愛げなく かたくなで
時として好都合の 不幸せに甘えるのは
おもいのほか むずかしい
 
 
大人たちの手で めかされるのが嫌で
余所行きの服も着れずにいた
見つめられるのが どこか怖く感じて
鏡さえ映れなかったから
 
ちょっとでも飾る方が 損はしない容姿なのに
苦手過ぎて 大変で
はにかんだ視線の糸 向かい合って交えるのは
おもいのほか むずかしい
 
 
たくさんの欠点たち 一思いに消し去るのは
おもいのほか むずかしく
もどかしくみっともない とても邪魔な想いだけど
おもいほのか 守りたい
 
 
 
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