──2007年──
 
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■1月4日 M-1グランプリ感想。
 
 新年あけましたおめでとうございました。今年も変わらず、華も実も備えたサイトが百花繚乱するワールドワイドウェブの隅っこで…とか、新年の挨拶を何年も使い回すのには飽き飽きで、早足で昨年のM-1グランプリ2006の感想に移行。
 
 
・POISON GIRL BAND
 その特異な芸風から、最も一番目に登場してはいけないコンビだったことを差し引いても、今年の大会は本当に大丈夫なのかと視聴者を心配させる船出になってしまいました。60点。
 
・フットボールアワー
 自分たちが演じ慣れた、客が見慣れたネタで無難に攻めた様子。こんなに守りに入って決勝に行けるのだろうかと、疑問に感じました。70点。
 
・ザ・プラン9
 最も優勝して欲しいと公言していた如月さんとて、笑いの数も大きさもイマイチだったから駄目だろうなと、審査前から敗北宣言。持ち時間はたったの4分ですから、余計なネタ振りを削る工夫が必要でしょう。毎回「財布落ちてる〜」ではなく「5万円〜」から再生するだけでも、間を詰められるのに。70点。
 
・麒麟
 ネタの形態やボケのポイントに新鮮味が乏しい欠点を、アドリブと思しき田村の台詞で一気に補うのはお約束の域。渾身の「お前がしっかりせいよ、麒麟は!」は至極名言。75点。
 
・トータルテンボス
 マヨネーズが嫌いな人にとっては、どんなに上質のマヨネーズを口にしても決しては美味しく感じられないのです。そんな訳で申し訳ありません、生理的に合わないとしか。55点。
 
・チュートリアル
 前回は押しの弱い前半が勢いに乗れた後半の足を引っ張りましたが、今回は冒頭から飛ばしてくれて文句無し。優勝の為にチューンナップされたネタでした。80点。
 
・変ホ長調
 芸能ネタには疎いけどクスクスと笑わされましたし、汚い言葉遣いや耳障りな絶叫と無縁なのも好感触。あと個人的に、深夜ラジオで予選審査員が評していた「今年は笑い待ちが出来るようになった」との姿を、この目で見られたことにも満足感が。70点。
 
・笑い飯
 箸の使い方から宮本武蔵ネタに運ぶのかと予想したら大ハズレで、チュートリアルとは正反対に優勝の為に特化すべき箇所を残存させていますね。下手な鉄砲を数撃って当たらない部分や、実際には削っているらしいけど前半の冗長さは要改善。60点。
 
・ライセンス
 個々のシチュエーションには笑えるものが混じっていたものの、最初から「死ね」とか「現金」のような安易な言葉遣いが目立ち、うーん。60点。
 
 以下、最終決戦の3組。
 
 
・麒麟
 前知識を持っていても笑える、完成度の高いネタなのは間違いありませんが、この大舞台で優勝を勝ち取るには何かが足りません。技術があって面白いなんて常連組にとっては前提で、更なる付加価値を探って欲しいです。今回にしても噛んだ田村に透かさず川島が突っ込む等、2人がフレキシブルに対応出来る長所が活かされたのは花丸。75点。
 
・フットボールアワー
 双方が怒鳴りっぱなしで不明瞭な台詞が頻出し、視聴者としては嫌な気持ちになります。最初にしつこく蒔いた「取り皿」の種が実ったのは感心しましたけど、それだけでした。70点。
 
・チュートリアル
 大成功に終わった1回目を踏襲したネタで、ウケて当たり前。昨年のブラックマヨネーズを彷彿とさせる見事な戦略と戦術は、今後の大会の教科書になるのでは。弾けるイケメンと戸惑うテカテカの組み合わせだけで、もう一生食べていけそう。85点。
 
 
 以上、事前の予想を覆さずに8ー2ー3で送ったメルゴングと合わせて、如月さんの選芸人眼の真実が暴かれた2006年のM-1グランプリでした。
 
 纏めとしては、悪い意味で画面から伝わる雰囲気が終始緩くて、関西ローカルで放送されるお笑い特番と印象が大して変わりませんでした。これは演者のみならず制作スタッフにも当てはまり、審査員や客席を映したがるスイッチャーや、意図不明なアップ等によるカメラワークの酷さでザ・プラン9やチュートリアルのボケを丸々潰したことに閉口です。演者も制作者も、来年はしっかりして下さい。
 
■1月11日 鎌鼬&恋愛小説家。
 
 新年早々からお笑い番組ネタが続きます。
 
⇒asahi.com:お笑い新人グランプリ最優秀新人賞に「鎌鼬」
 
 今週の月曜日に開催された第28回ABCお笑い新人グランプリにおいて、昨年の展望で敗者復活して欲しいコンビとして挙げた鎌鼬が、最優秀新人賞を受賞したんです。それに加えて、出場者一覧に無記載で残念だと嘆いた恋愛小説家まで審査員特別賞と、喜びや驚きを超えて恐ろしくなる結果でした。今はもう、自分で自分の先見の明にうっとりしています。
 関西では若手お笑い芸人の賞レースは各局が行っており、その登場面子の半分以上は横並びであるから、知っているコンビを適当にピックアップするだけでも的中率は高い…とか、冷静に分析されるとぐうの音も出ないのですが。劇場に足を運ぶような本当のお笑いファンではない者の知識にあるとは即ち、その時点でテレビ番組に露出出来る技術や経験が備わっている証拠なので、どんな賞を受賞しても不思議ではないのが真相です。うっとりなんて勘違いも甚だしい。
 
 お次はジャルジャルかなと、関西在住でお笑いが少しでも好きな人間なら誰でも言える予想を。
 
■1月18日 見知らぬ貴方に教えたい。
 
 新古書店で買った品物を介して、前の持ち主さんと思わぬ心のやり取りが始まることがあります。このサイトに綴った体験談としては、古いコミックなのに保存状態がとても良くて感謝した『星降る森のリトル魔女』や、栞の代用品であろう絵葉書がページに挟まっていた『おしゃべり12ヵ月』が。前者は喜んだ、後者は困らされた出来事です。
 やり取りと言っても、それは売り手から買い手への一方通行で終わってしまう不完全で不義理で不条理なもの。この手のお店で売る側に回った経験が皆無な如月さんとしては、買う側に寄せられる気苦労を一身に引き受けていると自負しており、たまには正反対の立場から見知らぬ誰かさんを喜ばせたり困らせたりしたく思うのも当然です。でも、一方通行故に企みが実現となっても逆立ちしたって気付けない訳で、やっぱりいいです諦めます。
 
 そんなこんなの体験談に先日、新しいエピソードが増えました。泡坂妻夫さん著『生者と死者 酩探偵ヨギ ガンジーの透視術』で、袋綴じが3箇所も未開封だったのです。前の持ち主さん、ミステリーなのに計6ページも読み逃がしちゃってますよ。
 
■1月25日 書記泣かせの出来事。
 
 人通りの消えた静かな夜、後に駐輪車として整備される小さな空き地に独りで立っていると、目の前のマンホールに目掛けて上空から青みを帯びて光り輝く雷が落ちる──そんな光景に遭遇したと言う幼き記憶は、今となっては本当に現実で起きたとの確信が持てません。落雷の地点があまりに間近だったので、実体験であれば心身共に何かしらの衝撃を受けると思われるのですが、都合の良いことに如月さん所蔵のVTRは目撃の瞬間に途切れています。夢で見たと考えるのが自然でしょうか。
 自転車が通るのがやっとの狭い路地を歩いていると、真横から空気を切り裂く風の音が響くや否や、自分の膝の高さ辺りを翼を大きく広げたカラスらしき黒い鳥が高速に真っ直ぐ滑空していき、そのまま10メートル程離れた直角カーブに吸い込まれていった──なんて光景に遭遇したと言う先日の記憶すら、今となっては本当に現実で起きたとの確信が以下略。街に住む鳥たちは人間には不用意に近寄らないと知識にありますし、あんなに低空を美しく飛ぶ姿を見たのも初めてとなれば、それはそれは痺れるような格好良さで如月さんは少し感動を覚えたそうな。決して夢ではないものの、何かの見間違いだったりはしそうです。
 
 どちらも不意のほんの一瞬に始まっては終わりを迎え、頭の中のノートには極めて乱れた筆跡で記入せざるを得なかった、書記泣かせの曖昧な記憶です。
 
■2月1日 赤ちゃんのうまれるとこ。
 
 拾った赤ん坊を姫子とあやす姿を、クラスメートから「夫婦みた〜い」とおちょくられて「ガキみてえなこといってんじゃねえ!」と照れギレする男吾に、玉美からツッコミ。
 
玉美「じゃアンタ
赤ちゃんの
うまれるとこ
なんていうか
しってるゥ!?」
男吾「なにィ!?」
玉美「や〜〜い、
アタシたち
保健の授業で
習ったもん
ね〜〜。」
男吾「じゃ、じゃ
いって
みろ!!」
玉美「病院の
分娩室
  す!」
 
 赤面で視線を逸らす男吾と、爆笑する女子たち。
 
 
 そんなシーンが『あまいぞ!男吾 壱』にあり、連載を読んだ小学校中学年の頃には赤面と爆笑の意味がわからなかったとしみじみ。当時の知識では、胎児はお腹に→出産=帝王切開となっていたので。完全にそう思い込んでいた訳ではなく、人間は病院で手術出来るけど野生の動物はどうしているのだろうと、自分で見つけた矛盾点に首を傾げてはいました。
 
 ここから正解に至るまで、様々な寄り道に入って行きました。
 
■2月8日 原文ママの責任転嫁。
 
 1〜2年程前、古い雑誌から引っ張り出した長文をサイトの更新素材に利用した時、タイピング中に困った事態が。それは引用元が誤植の多さにかけては非常に有名で、誤字脱字が頻出すること。例を挙げれば「復讐→復習」「〜のは→〜のな」等々、校正者気分を味わえる程に盛り沢山です。
 目敏く気付いた人に入力ミスだと思われてしまうのは避けたいけど、一言一句違わない文章を読んでもらいたい。相反する心理が攻防を繰り返した結果、しつこく「原文ママ」である旨を強調して難件は解決されました。
 
 そんな訳で、前回で再現したコミックの会話にて「保健」を「保険」と変換していたのも当然、原文ママで…いいえ駄目です、読み返しては。
 
■2月15日 諦めるまで早い。
 
 初めてウェブサイトの制作に手を出した1999年以来使い続けていた、アクセス解析の提供元が2月に入ってから唐突に繋がらなくなり、今も継続。ここから毎日届くメールの受信ボックスを確認すれば、2月1日までは問題無く送信されていたのに、翌日から音信不通になっています。サーバーがダウンすると復旧に数日掛かるのも珍しくない昔ながらの無料サービスとは言え、半月が経過しては諦めの潮時でしょうか。有料の掲示板やレンタルサーバーを契約していた人たちの運命や如何に、と余計な心配まで抱く始末です。
 アクセス解析は1年程前から別サイトで利用中のものを流用出来ますし、ジオシティーズには備え付けのサイトステータスもあり、代替手段を用意する手間は僅かで済みます。ただ、全ての日記のファイルに洩れなく記述されているアクセス解析のソースを消去しなきゃいけないのって、恐ろしい面倒さです。新しいファイルを作る時に雛形をコピーで使い回していった弊害が現れてしまい、根気知らずの如月さんは後悔しているそうな。ソースの記述は日記以外にも存在するし、バックアップ分まで含めると作業量は2倍に増えるし…もう、どうしたら。
 
 よし、放置してやる。
 
■2月22日 なだぎ武R-1優勝。
 
 先日開催されたピン芸人の頂上対決であるR-1ぐらんぷり2007において、優勝賞金の500万円を獲得したのは元スミス夫人・現ザ・プラン9のなだぎ武さんでした。
 
⇒R-1ぐらんぷり2007
 
 チュートリアルの徳井義実さんと同点1位で並び、大会始まって以来の決戦投票を制する劇的な幕切れも然ることながら、10年以上前のスミス夫人時代からご贔屓にしていたので感動でして。今大会は全体的に笑いが少なくて不満が募っていたのですが、最後の最後で一気に帳消しにしてくれるなんて、流石は如月さんが見初めた芸人さんです。証拠はほら、昨年12月23日分に。
 スミス夫人はネタ番組や新人賞で十分な地位と知名度はあったものの、90年代の関西の第一線で活躍していた千原兄弟やジャリズムと比較すれば華に欠けるきらいがあり、最も好きな若手コンビに挙げる人は多くなかったと思います。彼らに惹かれた理由は明白で、ボケだけに頼らずにツッコミでも笑わそうと努力していたこと。後者で笑いを誘うネタ作りは近年では珍しくありませんが、当時はそのオーバーアクションや独特な擬音が新鮮に感じられたんですよ。長い長い潜伏期間の終了、本当におめでとうございます。
 
 M-1グランプリ2006第28回ABCお笑い新人グランプリに続き、早くも今年3回目のお笑い番組ネタでした。
 
 
  
■3月1日 おもいほのか。
 
 言葉遊びを仕組むの、好きです。『オーデコロン』は「おでこ」からの命名ですし、『心街(こころまち)』は「心待ち」とのダブルミーニング。まだ作品として出来上がっていないネタでも、「大人しい恋」=「おとなしいこい」=「音無し憩い」とか、蜂の巣の「ハニカム」と恥ずかしがる「はにかむ」を上手く掛け合わせて使えないかなと、あれやこれや試行錯誤しています。
 あと、サイト名の由来となった『架空の空』も、辞書を読んでいる時に「架空」の見出し語を目にして、トートロジー風の表現が思い浮かんだのがきっかけ。検索すると大して独創的ではないことがわかってしまうのが玉にキズですが、この言葉から広がった自分なりの世界観はとても気に入っています。図らずも歌詞が連作になったり、小説の題材にしたりで。
 
 「思いの外」=「おもいのほか」≒「おもいほのか」の発想から綴った『おもいほのか』は、決して誤字ではありませんのでよろしくお願いします。
 
■3月8日 超長期計画化確実。
 
 石橋を叩いて渡らない程に慎重な如月さんは、何事にも長期計画で臨める根気の持ち主です。2002年2月に献血を10回しようと思い立ったところ、達成したのはつい先日の2006年12月のこと。昔から「短気は損気」と言われる世の中の流れに逆らわず、ゆったりまったりの生活を送っております。
 そんな訳で、2006年12月16日分で提唱した「かるたクィーンへの道・2ndシーズン」が一向に始まらなくても、当の本人は全然心配はしていません。大丈夫です焦らなくても、少しずつ努力を積み重ねればいつかは完遂出来ますから。風の噂によると、今年になって暗記したのは下記の一首だけで、内部規定の2ヶ月が過ぎても発表する段階まで漕ぎ着けなかった故とのこと。
 
 
中納言兼輔「みかのはら わきてながるる いづみがわ いつみきとてか こいしかるらん」
 
■3月15日 夢のシナリオ尽きし時。
 
 映画でも小説でもコミックでもTVゲームでも、娯楽作品は終わり時を誤らないのが大事。どんな理由があるにせよ、安易な引き延ばしは物語の完成度が途端に低下して、二度と回復不可能に陥ってしまいます。万人から名作だと認められたエンターテイメントは数あれど、この罠を避けられたものは多くないでしょう。商業的に成功したからシリーズ化、人気があるから連載長期化、大作指向でクリアタイム長時間化と。
 長くなる程にシナリオが破綻する確率が高まる物語の筆頭と言えば、睡眠中の夢。誰が脚本家なのか知りませんが、主題も脈絡も現実性も皆無でご都合主義と矛盾が満載の展開は酷いばかりです。ただ、稀に文句を付けられない完璧な仕上がりもあるのが侮れません。近年の代表では「地下道の階段から地上のビル街に出る瞬間、晴れ渡った青空の中程に白い光の筋がゆっくりと落下していくのを視線の先に捉える。あれは核兵器の軌跡に違いないと、階段を上ってきた見知らぬ女性に地下道から出るのは危険だと伝えていると──聞こえていたはずの音が消え、次に視野が一面真っ白になり」のような。他には2006年1月27日分に詳細を綴った、セルアニメも印象深いですね。
 
 このように最適のタイミングで幕引きしてくれると、立派なエンターテイメントに化けてくれる夢ですが。シナリオが尽きてさっさと終了しなければいけない時に、その手段として眠り主を目覚めさせる方法を選ぶのは止めて頂きたい。眠りの浅さに悩まされがちな如月さんにとって、夢の都合によって無理やり起こされるなんて甚だ迷惑なのです。
 
■3月22日 初めての交番。
 
 方向音痴で地元の地理にも疎い如月さんを、わざわざ指名して道を尋ねる貴方たちって…なんて嘆きを洩らしたのは結構な過去で、詳しくは2005年1月24日分から遡って頂ければと。この問題提起の効果なのか近年は平穏に過ごせていたのですが、今年に入ってから状況が一変して既に2回も遭遇。幸いにも知識にある行き先だったので粗相無く説明出来たとは言え、今度はいつどこから声が掛けられるのかと不安に苛まれ、生きた心地のしない日々を送っていました。
 そんな過剰な心配性の持ち主が先日、80歳前後と思しきお婆様から「すみません」と呼び止められたのです。また道案内かとうんざりな気持ちで立ち止まると、曰く「110番してもらえませんか」とのこと。いや、もう、これは不意打ちにも程があります。本音を暴けば一切関わりたくなかったのですが、時刻は22時過ぎで人通りが全く無いのに加え、昨秋に物騒な事件が起こったような場所に、ご老体を放置して良いものかとしばし考え。無視しては後々に良心が咎められる予感がギュンギュンしたので、110番はともかく近所の交番まで案内しました。方向音痴の割に自力でどうにかしたい性格のせいか、これが記念すべき初めての交番となります。
 
 足が不自由な方とお見受けして背負って運び、交番が不在だったので呼び出しの電話を掛け、一人にしては危ないだろうと警官の到着まで付き合うと、あまりに親切な自分に自分で感動したのです。実はお婆様が大富豪でなんて、邪な妄想が頭の片隅に無かったとは言い切れず、感動も台無しだけど。
 
■3月29日 本籍とは何ぞや。
 
 新聞やテレビ番組で「平成の大合併」なんて言葉を見たり聞いたりしても、当該の市町村に住んでいない自分にとっては無縁なものだとばかり思い込んでいたら、意外な方面から歩み寄られて焦ってしまいました。それは先日赴いた運転免許証の更新にて、昨今の大合併で本籍が変更していないか尋ねられた瞬間。
 大阪府生まれの大阪府育ちの大阪府在住で引っ越しも府内を一度だけの如月さん、本籍は四国の土を踏んだ経験すら無いのに高知県にあります。おまけに住所の漢字の読みを知らないと言う、恥ずかしい奴だったりもします。
 
 その場で調べて頂いた結果、非合併とのことで九死に一生を得ました。未だ見ぬ本籍にお住まいの方々、独立を維持してくれて感謝です。
 
■4月7日 トゥインクルしたい。
 
 ウインクを周囲に撒き散らす如月さんを貴方が目撃したなら、どうか見て見ぬ振りをしてあげて下さい。それはたまにしか装着しないコンタクトレンズがちゃんと瞳に収まっているか、不安に思う度に片目ずつ確認している姿なので。知らない間に落としでもしたら緊急事態、使い捨てではないので一財産が消えてしまいます。
 持ち前の視力は相当に悪いのだから、目に映る景色の矯正の有無なんて考えるまでもなく判断出来そうなものですが、極度の心配性の立場から言わせてもらうと意外に難しくて。あれ、このくらいなら裸眼の時でも…と、少しでも不安が芽生えると根気無き勘違いが胸を騒がせ、次の瞬間にはウインクによる確認を強要される訳です。その作業を無事に終えたところで、また10分もすれば振り出しに戻るのはお約束。普段の生活では滅多に意識して行わない運動なので面倒ですけど、瞼の筋肉を鍛えるつもりで頑張ります。
 
 えっと、右よし。うん、左よし。
 
■4月14日 腹式呼吸の演じ方。
 
 如月さんの辞書に自信や確信なんて文字が無いことは前回の日記で明らかになりましたが、コンタクトレンズの件と同じような悩みをもう一つ隠していました。それは、腹式呼吸。使い始めてから15年以上経過しているのに、ちゃんと行えているのか未だによくわかっていません。自覚の足りない人だこと。
 吹奏楽部に足を踏み入れた人はコントラバスかパーカッションに配属されない限り、何よりも優先して徹底的に練習させられるのがこれでしょう。腹式呼吸の成功判定は、息を吸う時にお腹が膨らむか否か。様々な因果により興味も縁も無かった世界に迷い込んだ中学1年生の当時は、先輩にお腹を触られたい放題でした。ちなみに、その頃の部内に数十人在籍していた先輩は全員女性で、世が世ならセクハラでは。
 
 そんな誇張ありの証言はともかく、先輩方のご指導により無事に修得したはずの腹式呼吸。お腹は意識して膨らませるのも引っ込ませるのも自由な部位なので、出来ている振りをするのは簡単でもあり、振りを続ける内に本当に出来たと錯覚したのではと言う心配が胸の奥に潜んでいます。真相は当人のみぞ知る、もとい当人すら知らないのです。
 
■4月21日 放送禁止5しじんの村。
 
 フジテレビ系列で不定期に放送されている『放送禁止』シリーズの最新作は、先週の土曜日深夜にようやく関西地方でも見られました。関東地方での放送に合わせて、Yahoo!テレビの番組表に「放送禁止」と登録してから半年を経過しての出来事です。この番組表では直前になって唐突に現れる場合も多く、知らない内に見逃してしまったのではと不安になっていた如月さん、放送予定が目の前に映し出された時には心底喜んだそうな。
 今更の謎解きは遅きに失する感が否めませんから感想だけを書くと、個人的にシリーズ一番の出来だったと思います。これまでは出演者の演技力や構成等に番組の趣旨をあからさまに伝えようとする意図が目立ち、それを前知識で知っている者からすればこそばいものがあったのですが、今作では苦情を恐れていないのか随分と控えめになったのが好印象。自分の『放送禁止』の初見がこれだったら、すっかり騙されていたでしょう。
 
 番組内容を知らず視聴予定も無ければ、以前に扱った2作目3作目4作目を。
 
■4月28日 It's a Sony.
 
 2000年の夏から2002年の春まで使っていた携帯電話は、ソニーのC305S。一昔前のソニーの機種はジョグダイヤルが特徴で、こやつにもサイドジョグなる入力装置が付いています。左側面から半分顔を出した円盤状の物体を上や下にくるくる回し、カーソルや選択候補を連続的に移動させる仕組みです。ただ、ちっとも使いませんでした。
 左手でジョグを操って高速に候補を選べても決定は出来ないのだから、最初から右手だけで操作が完結するセンタースティックを使う方が効率的との理由でしたが、これは誤り。実際にはジョグを本体側に押し込めば、ちゃんと決定ボタンの役割を果たします。この勘違いに気付いたのは機種変更の直前で、サイドジョグに下した不当な評価を覆すには手遅れでした。
 
 ここで話が終われば単なる失敗談でしかありませんが、数ヶ月後に更なる衝撃が待ち構えていました。あまりの分厚さに放置を決め込んだC305Sの説明書を片付けがてらに流し読みすると、サイドジョグは回すと押すのみならず、斜め奥にも倒せると書いてあったのです。回すと移動で押すと決定、倒した場合はページ送りだった様子。2年近く愛用して何も知らずにいたなんて、どんなに恥ずかしい奴なのでしょう。
 
 そして、2007年の春。録音用のミニディスクに付属のラベルシールの裏書きによると、この保管ケースは中にカードを入れる為にカセットテープのそれと同じく、上下や前後にパカっと開けるそうですね。1998年の冬にミニディスクを使い始めてからケースなんて毎日のように触っているのに、初めて知りました。サイドジョグにミニディスクにと、如月さんはソニー関連の製品を使う資格が無いのかもしれません。
 
 
  
■5月5日 耳痛ワンスモア。
 
 初めて耳鼻科に通ったのは、小学校低学年の頃。激しい耳痛に襲われて診察を受けると、下された結果は中耳炎。季節は初夏に当たり、水泳の授業を長らく休むことになるのですが、プールに入ると泳いでいるのか沈んでいるのか紙一重になる者からすれば、合法的に休めて好都合な境遇でありました。来年もまた来てね、と去りゆく病気を名残惜しんだそうな。
 如月さんの切なる願いが叶えられたのか、一年後に同様の症状に陥ります。この耳の奥が鋭く痛む感覚は中耳炎との再会に間違い無いと、確固たる自信を持って耳鼻科に直行。しかし、お医者さんの取り出したる1本のピンセットが僅か数十秒にて完全治癒を達成し、自信は確信に変わってくれませんでした。それはそれは尋常ならざる大きさの真っ黒な耳垢が、痛みの源だったのです。
 
 今や極度の耳かき中毒者な自分にとって、魅惑の記憶。そして、二度と無いであろう体験です。
 
■5月12日 間下→足立→安達。
 
 どうしてそんな勘違いをしていたのか、理解不能な体験。
 
 あれは、1980年代。如月さんが小学生の時に毎週見ていたテレビ番組『所さんのただものではない!』に、自分と同学年の「間下このみ」と言う子役が出演していました。最近は自身の難病や出産等でメディアに取り上げられる機会が多いので、子役時代を知らない人でも名前くらいは聞いたことがあるのでは。この方の名前を間違えて「足立このみ」と覚えていたのが、事の発端です。
 如月さんが中学生の頃、自分より年下の「安達祐実」が子役として有名になるのですが、この時になぜか「足立このみ」と「安達祐実」は同一人物だと決め込んでしまいました。当時は間下このみが長らくブラウン管から姿を消していたのと、「あだちこのみ」「あだちゆみ」で発音がそっくりだったのが錯覚した原因になりますが、大きく矛盾する年齢をどうして疑問に思わなかったのでしょう。
 
 そもそも、「間下」を「足立」と漢字を指定してまで誤って覚えていたのが謎です。発音や字面が似ている訳でもなく、番組だって毎週見ていたはずですから、単なる聞き間違えとして処理するのは納得が出来ません。この二重の勘違いが完全修正されるのはずっと先、2000年代に入ってのことでした。
 
■5月19日 ミッキー役の子。
 
>これも年末でしたが、ディズニーランドの
>カウントダウンのリハーサルに行ってきました。
 
 (中略)
 
>逆に私服のダンサー達を見ることが
>出来ておもしろかったですよ。
>特にミッキー役の子は、衣装がなくてもやっぱり
>ミッキーの踊りをしていました。さすがです。
 
 
 中国の国営遊園地がディズニーその他のキャラクターを無断使用、なんて話題が取り上げられ始めた頃。偶然か必然か、耳かきのお供に流し読みしていた古いゲーム雑誌にそんな記述を見つけて、背筋が凍り付いてしまったのです。ゲームミュージックで有名な作曲家さんの連載ページからの引用、との説明にピンとくる方もいらっしゃるかもしれません。
 どこがどのようにどうなのかは敢えて口を閉じつつ、東京ディズニーランドの楽曲を手掛けた立場の発言として、少し迂闊な部分があるような。もしかしたら当時は重大な問題になったのではと如月さん、数年の時を経て抱かされた心配に耳かきを操る手がぴたりと止まるくらいでした。しかし先程、グーグルで「ミッキー役の子」と検索してみると、筆者自身がインターネット上で同文を公開中。
 
 イメージ管理に厳格なことで知られるディズニーも、この程度の表現なら許容範囲なのでしょうか。
 
■5月26日 演歌のこぶし。
 
 今まで数多くの勘違いや思い込みを赤裸々に告白してきた如月さんですが、それらには全て「過去の出来事」だと言う共通点がありました。小さい頃の勘違いだからと、何年も前までの思い込みだからと、物を知らない恥ずかしさを誤魔化すのに都合の良い言い訳を使えたからこそ、ネタとして利用するのに躊躇いを感じなかったのです。今の今まで誤り続けていたことなんて、頼まれたって話しません。
 本日の日記では、演歌で必要とされる「こぶし」を子どもの頃に「拳」と漢字変換していた件を書く手筈でした。歌番組で見掛ける演歌の歌手はマイクとは別の方の手を握り締めて──つまり、拳状にしてリズムに乗せて大袈裟に動かすイメージが強かったので、その熱いノリが日本の心を唄うのに大切なのかなと。うん、我ながら理路整然とした正当な勘違いに思えます。ちなみに、正解が「古節」だと知ってから10年も経過していないのは極秘です。
 
 自分で自分を全く信用していない如月さんは、日記のネタに関しては必ず検索をして正確な情報を調べます。えっと、演歌の「こぶし」は「拳」でなければ「古節」でもなく、正しいのは「小節」ですって…?
 
■6月2日 折り返し地点間近。
 
 如月さんの百人一首暗唱計画、非定例報告を執り行います。
 
 
源宗于朝臣「やまざとは ふゆぞさびしさ まさりける ひとめもくさも かれぬとおもえば」
凡河内躬恒「こころあてに おらばやおらん はつしもの おきまどわせる しらぎくのはな」
壬生忠岑「ありあけの つれなくみえし わかれより あかつきばかり うきものはなし」
坂上是則「あさぼらけ ありあけのつきと みるまでに よしののさとに ふれるしらゆき」
春道列樹「やまがわに かぜのかけたる しがらみは ながれもあえぬ もみじなりけり」
紀友則「ひさかたの ひかりのどけき はるのひに しづこころなく はなのちるらん」
藤原興風「たれをかも しるひとにせん たかさごの まつもむかしの ともならなくに」
紀貫之「ひとはいさ こころもしらず ふるさとは はなぞむかしの かににおいける」
清原深養父「なつのよは まだよいながら あけぬるを くものいずこに つきやどるらん」
文屋朝康「しらつゆに かぜのふきしく あきののは つらぬきとめぬ たまぞちりける」
右近「わすらるる みをばおもわず ちかいてし ひとのいのちの おしくもあるかな」
参議等「あさじうの おののしのはら しのぶれど あまりてなどか ひとのこいしき」
平兼盛「しのぶれど いろにいでにけり わがこいは ものやおもうと ひとのとうまで」
壬生忠見「こいすちょう わがなはまだき たちにけり ひとしれずこそ おもいそめしか」
 
 
 以上、この3ヶ月間に14首を覚えられました。過去の日記によると2005年の12月8日より、1月15日までに3首、3月19日までに5首、5月30日までに4首、12月16日までに14首、3月8日までに1首とのことですから、暗記速度は格段に上昇しています。うんうん、やれば出来る。やってこの程度なの、と言われるのも覚悟の上で。
 
 ようやく興に乗れたのか最近は調子良く覚えられていますし、何とか今年中には終えられそうです。いえ、その、半分までは。
 
■6月9日 麻疹はした。
 
 近頃は麻疹が大流行とのこと。時代を先取りした如月さんは20年以上前に罹患しており、一般的な認識に従えば感染は心配無用なはずです。幼稚園の入園の直前に患ったところ、先生方の配慮により入園写真の撮影が延期されたものの、延期の張本人が元気を取り戻した後の撮影日に間が悪く休んでしまった女の子がいたらしく、その節は関係各位に多大なご迷惑をお掛けしました。
 そんな幼少期の詳細な思い出は、本当に正確なのでしょうか。記憶の捏造上手な如月さん、嘘や錯誤が含まれていても不思議ではありません。そもそも、実は麻疹に罹っていないかもしれませんし、先手を打って調査に乗り出しました。ここに取り出したる幼稚園の出席ノートにて、真実を明らかにします。
 
 
4月 9日(月)
4月10日(火) 欠
4月11日(水) 欠
4月12日(木) 欠
4月13日(金) 欠
4月14日(土) 停 はしか
4月15日(日)
4月16日(月) 停
4月17日(火) 停
4月18日(水) 停
4月19日(木) 出席
 
 
 出席停止を食らっていた証拠が見付かり、この時に得た免疫に自分の体を託します。
 
■6月16日 オチの先読みで。
 
 砂漠で水が尽きて息絶えようとしていた少年の前に、犬・馬・虎・羊・牛を連れた老人が現れる。「一頭だけじゃ。どれを旅の友とする?」と問われ、喉の乾きを癒したい少年が「う、牛を……」と答えたところで、ページをめくる指を止めて考えました。もし、このショートショートのオチが「心理テスト」なら、これを買うのは止めておこう。だって、あまりにつまらないから。
 
 以上が森絵都『ショート・トリップ』の新品の購入を3年前に見送り、新古書店の105円の棚で見掛けた今日まで買わなかった理由です。
 
■6月23日 息止め食事法。
 
 如何なる事情でも食事を絶対に残したくない上に、好きな食べ物の総数を嫌いな食べ物が大きく上回るお子様味覚の持ち主にとって、呼吸を止めて食べる技は生命線。これだけで苦手な味は舌の上から完全に近いくらいに消えてくれて、いつも大変お世話になっております。ただ、食感までが苦手だと吐き気を伴うこともしばしばで、決して万能ではありません。
 嫌いな食べ物は一気に始末しようと、口に含む量を増やし過ぎて噛んでも噛んでも呑み込めず、体の酸素が足りなくなってきたら状況は最悪に。ここで諦めて呼吸をしたら全ての努力が水の泡になるけど、意地を張って無呼吸を続けては天に召される──たかが食物ごときに自分の命を危険に晒されるなんて、お子様味覚とは罪作りな奴です。
 
 ふぅ、ようやく食べ終えられた…とほっとした瞬間に呼吸を再開してしまうとまた、うげ。
 
■6月30日 文庫と新古の敵対関係。
 
 先日の新聞広告によると、6月16日分で出会いから数年後の購入に至るまでの一部始終を明らかにした森絵都さんの『ショート・トリップ』が、集英社文庫から6月の新刊として発売されたとのこと。今月の中旬に単行本を買って中身を読んで感想を書いたばかりである、記憶に新しい書名です。そのカタカナの文字列を目にした瞬間には「早まった…!」と動揺したものの、すぐに平静を取り戻せました。
 廉価版の発売直前とは知らずに高価な通常版を買ってしまうのは、買い物下手な自分を思い知らされる耐え難い悲劇でありますが、本件に関して如月さんはちっとも後悔していません。それは、この書籍を読む為に支払ったお金がたったの105円と、約500円の文庫を待った時よりも実際に得しているから。このようなケースで大損の気分を味わうのは、文庫化に当たって大幅な加筆や追加があった時だけでしょう。金銭的には極めて僅かな被害でも、精神的には本棚を見る度に「どうして知らずに買ってしまったのだろう」と嫌な気持ちが生じるくらい、意外に結構辛いのです。
 
 今になって思えば、広告に「単行本未収録作品を収録」と書いてあったのは、我が心の安定の為に読み逃がすべきでした。
 
 
  
■7月7日 新風舎提訴の報道より。
 
⇒Yahoo!ニュース - 読売新聞 - 元教授ら自費出版「新風舎」提訴、一部書店しか本出回らず
 
 ○○賞のような公募には今まで2回の挑戦経験がある如月さん、その内の一つが新風舎の出版賞だったりして詳しくは、2003年6月25日分2004年11月8日分をお読み下さい。当時は共同出版の提案に気分を良くしつつも、回答を要請されたアンケートは送らず、幾度も掛かってくる電話には出ず、次々に手元に届けられる郵送物は封も切らずで、向こうからのアプローチに対して完全無視を決め込みました。このような適切な対応をしたのは創作能力の身の程をきちんと自覚していたお蔭であり、それはそれで少し情けない話とも言えます。
 今でこそ自費出版ビジネスの問題点は広く知られていますが、4年前に調べた時には悪評をあまり見付けられなかったと記憶しています。まるで会社側による宣伝活動なのかと邪推してしまうくらい、単純に喜ぶ本人と素直に応援する友人たちの光景が目立ち、数多くの甘言に乗らなかった者としては違和感を抱かされました。とは言え、極少数だとしても実際に成功者を世に送り出しているのは事実で、その時に見掛けた無名な人々の中に現在では有名な方がいる可能性は否定出来ません。
 
 ちなみに、いつか何かの役に立つかもと手元に残していた「出版企画書」によれば、B6判300部でハードカバー製本90万円・ソフトカバー製本80万円・文庫ソフトカバー製本58万円とのこと。報道の数字と比べれば意外にお手頃…?
 
■7月14日 夢日記の余命。
 
 『不思議の国のアリス』のノートを夢日記として10年以上掛けて使い切った、と喜びの報告をしたのは2006年7月27日分のこと。その最後を「いつのどのような未来に」と締め括ったのは、暗に「2冊目を使い切るような遠い将来にサイトの日記は続けていないだろう」なる意味を込めていたからです。半年後や1年後ならともかく、流石に次回の予定が10年後では自信が持てません。
 さて、夢日記の役割を引き継いだ『スヌーピー』のノートですが、先月の4日には最後のページまで文字で埋め尽くされてしまいました。おかしい、想定の何倍も寿命が短い。1年も経たずに使い切って再度の報告をするなんて、わざわざ用意した前回の締めの言葉も台無しです。保存容量を比較しても『アリス』が49枚22行に対して『スヌーピー』が50枚25行と大幅に上回っているのに、紙上に時空の歪みでも生じたのでしょうか。
 
 80枚26行とサーバーの大増強が行われた3冊目のノートもまた使い切れるとしたなら、いつのどのような未来に。
 
■7月21日 Gコード8653808。
 
 関西在住のF1ファンの泣き所は地上派で予選をほとんど放送してくれないことで、無事に見られたのがフジテレビ系の「24時間テレビ」のスケジュールに組み込まれたレースのみのシーズンも珍しくありませんでした。しかし、ありがたいことに2007年は全戦の予選を放送するようになり、今では日曜日の決勝のみならず土曜日の予選のネタバレも気にする情報拒絶生活中。トヨタの一社提供なのを察するに、今年から日本GPの開催サーキットが自社のお膝元に変更となったのが要因なのでしょう。
 放送時間は1時からだったり3時からだったりと不定なので、以前の『放送禁止5 しじんの村』の時と同じくYahoo!テレビに登録して見逃しを許さないようにしています。そのページで事件が起こったのは16日の深夜、今週末のヨーロッパGPの予選が何時になるのかを確認した時でした。以下、詳細に再現を。
 
 
 7月21日(土) 27:10〜27:15 Gコード(8653808)
 
 
 普段は50分間あるのに、今回はたったの5分って一体。開始時刻か終了時刻の間違いだろうと思いつつ、確認の手段として生まれて初めてGコードなる数字の羅列を入力するに至りましたが、上記の時刻で正しい様子。5分だけの放送であれば、当日の『すぽると!』で結果を見るのと大して変わらず、関西テレビは何を考えているんだっ。
 
 その後、余所のサービスで確認すると3時10分から4時になっており、翌日にはヤフーの番組表も訂正されていました。正確なGコードは7289416ですので、どうかお気を付けを。
 
■7月28日 道案内戦績。
 
 如月さんが「また…?」と独白するのは、政治家の失言問題でなければ松井秀喜選手のホームランでもなく、極度の方向音痴で地元の地理にも非常に疎い自分が道案内を頻繁に頼まれる事象に決まっています。今年に入ってから2回も遭遇して、挙げ句の果てにお婆様から「110番して」と言われましたが、それから4ヶ月間で更に3回も加算される異常事態。いい加減にして下さい、身が持ちません。
 唯一の救いは、格段に向上した正答率。質問されても答えられないのが当然だったのに、今年は抜群の成績で誇らしいくらい。そんな2007年における道案内の戦績を公開しましょう。
 
 
冬:近所の施設A→○
冬:二つ隣りの市への行き方→○
春:遠方の施設→×
夏:近所の施設B→○
夏:隣の市への行き方→○
 
 
 未だ半年弱を残しますが、この好成績を維持したいですね。方音痴&地理に疎い弱点は改善されておらず、実現に最重要となるのは見知らぬ通行人が声を掛けにくい雰囲気を演じることでしょう。
 
■8月4日 49/100.
 
 根気の無さでは世界最高峰だと自負している如月さんが、自分で自分を騙しながら百人一首暗唱計画を着実に遂行中。
 
 
清原元輔「ちぎりきな かたみにそでを しぼりつつ すえのまつやま なみこさじとは」
権中納言敦忠「あいみての のちのこころに くらぶれば むかしはものを おもわざりけり」
中納言朝忠「あうことの たえてしなくは なかなかに ひとをもみをも うらみざらまし」
謙徳公「あわれとも いうべきひとは おもおえで みのいたづらに なりぬべきかな」
曾禰好忠「ゆらのとを わたるふなびと かじをたえ ゆくえもしらぬ こいのみちかな」
恵慶法師「やえむぐら しげれるやどの さびしきに ひとこそみえね あきはきにけり」
源重之「かぜをいたみ いわうつなみの おのれのみ くだけてものを おもうころかな」
大中臣能宣朝臣「みかきもり えじのたくひの よるはもえ ひるはきえつつ ものをこそおもえ」
 
 
 前回の6月2日から8首の加算で暗記達成数は49首に。今回は「ごんちゅうなごんあつただ」やら「おおなかとみのよしのぶあそん」やら、詠み人の複雑な名前が三十一文字よりもぷんすかでした。その意味では、かつてより如月さんが好きだと公言しているモデルの「はな」って、素晴らしい。
 
■8月11日 ペンギンズ・メモリー。
 
 遠くに過ぎ去った記憶の曖昧さに切なくなったのは、アニメ映画『ペンギンズ・メモリー 幸福物語』を約20年振りに観たのがきっかけでした。以下、ネタバレあり。
 
 本作に関しては、遥か昔にほんの短く触れています。そこの記述の通り、小学校低学年で一度だけ鑑賞した過去の自分は、未来の自分に対して「主人公がペンギンで悲しい内容」としか語り継いでくれませんでしたが、この僅かな情報すら正確性に乏しいとは。戦場で友人を失っていく冒頭とそれに付随する心理描写はともかく、題名通りのラブストーリーでしたもの。悲しいと記憶した根拠として、戦争から故郷に帰った主人公が悲しむ原因が「周囲から拒絶されてしまう」と覚えていたのに、実際には「周囲から大歓迎されてしまう」で、思い違いにも程が。
 一場面だけ、鮮明に記憶していたシーンがあって。それは、主人公が牢屋と思しき狭い空間で、淋しそうに独り俯いている姿。時間が進めば進む程に幸せの度合いを増す方向に物語が展開して、自分が作り出した偽りの映像だとしたらどうしようとやきもきしましたが、これは幸いにも確かに存在していました。ただ色彩が全然違って、記憶では白黒の線画で描かれていたのに、20年を経て改めて瞳に映ったのは普通の総天然色だったのが腑に落ちません。
 
 あそこは白黒の線画の方がより切なくて良いのに、と開き直って自分の記憶を肯定してみました。
 
■8月18日 お盆でしたし。
 
 この時期には2004年2005年2006年と「それっぽいお話」を書きましたが、もうネタ切れで思い付きません…なんて、今年はお茶を濁すつもりだったところ。
 
 
・月曜日…録音したラジオ番組を聞きながらの帰宅中、不意に頭の真上から殴られたような無痛の衝撃を時間を置いて2度感じる。尚、番組内容は心霊特集。
・火曜日…体がだるくて寝付けなかった深夜に、1995年以来となる停電に遭遇。如月さんは夏限定で然る事情から、就寝時にも電気は消しません。
・木曜日…数ヶ月振りに金縛り。
 
 
 お盆でなければ気に止めないのに、間が悪くて無視を決め込んでやりました。
 
■8月25日 逆発想目覚まし。
 
 眠っている人を起こすには「大きな音を聞かせる」のが世界共通の方法として名高いですが、反対に「聞こえ続けていた音を消す」のもまた効果的であると、最近になって確信しました。と言っても、自分にしか当てはまらない可能性が無きにしも非ずで、話半分でお読み下さい。少しの物音でも目覚める程に眠りが浅いのと、テレビの気配を察知出来るくらいに音に過敏な奴であることも考慮の上で。
 一定の大きさで単調な音──例えば、自動車のエンジンや工事の騒音等が長らく夢の中に響いていると、それが消えた瞬間に頭がはっとして目が覚めてしまう経験が幾度とあって。聞こえているはずなのに気にならなかった音が喪失した事実を、体が頭に自覚させようとしているのでしょうか。冷蔵庫のモーター音が妙に気になったり、明らかに船を漕ぎ始めた人の前でテレビの電源を消した途端に「見てた!」と反応するのも、同じ理屈でしょう。
 
 この習性を利用すれば、通常は音を発していて特定の時刻に音を消す、逆の発想の目覚まし時計も成立するかもしれません。ただ、今度は眠りに入るまでが大変になってしまいそう。
 
 
  
■9月1日 発展的消去。
 
 日記と一部のコンテンツ以外は更新される気配が皆無の当サイトにて、その日限りではなく再読してもらいたい日記をリストアップするエッセイ集なるページも、約2年も放置していました。それはリスト追加に相応しい内容を確認して日付のメモを取り、目次のファイルから該当の題名とハイパーリンクのソースを抜き出すのが面倒なせい。ドリームキャストのブラウザでも別窓を開けたり、コピー&ペーストが自由に出来たりすれば、また違ったでしょうけど。
 そんな面倒さを解消する為に如月さん、とてつもなく重たかった腰を遂に上げて新しいツールを制作しました。実態を言えば「日記の本文」「目次」「ソースのテキストエリア」と三分割のフレームを呼び出すだけだけど、内容の確認とソースの抜き出しを同時に行えます。楽ちん楽ちん。
 
 楽ちんの結果、エッセイ集は必要性無しと判断するに至り、同ページと新ツールのファイル消去を決定するとは、自分でもよもやの展開でした。何の為に数時間を費やしたんだか。
 
■9月8日 田原・山本・菊川・夜神。
 
 2005年3月1日に続き、自分と同じく2月28日が誕生日の有名人について。先日、意外な場所で新しい仲間を発見して、嬉しいような切ないような複雑な気持ちに。誰にも真似は出来ない強烈な個性の持ち主で、その知名度と影響力は国外にも轟いており、まさかあんな人と同じ星の下に生まれていたなんて思いもよりませんでした。
 
 
 その方のお名前は、夜神月。
 
 
 右手で日記をタイピングして、左手でポテチを取り、食べる!
 
■9月15日 そうよ私は弥生人。
 
 のめり込む余り睡眠時間を削るのも、手加減を知らずに出血するのも当たり前──そんな如月さんが耳かきに傾ける情熱の程は、5月5日分から日付を遡る度に気持ち悪くなっていくくらいに伝わること確実ですが。本日、以下の報道を見掛けて何を思ったか、おわかりになる方はいるかしらん。
 
 
⇒耳あか遺伝子に地域差 高校生が日本人類遺伝学会で発表
 
 
 正解は、自分のハンドルが「如月 弥生」だけに耳の中も…いや、皆まで言うまい。
 
 F1からは「機密情報流出事件でマクラーレンがポイント剥奪&115億円の罰金」なる、政治からは「安倍首相電撃辞任」なる極めて大きなニュースで世間は大騒ぎな中、注目すべきところを間違えさすのが耳かき依存の最大の恐ろしさなのかもしれません。
 
■9月22日 死の瞬間の疑似体験。
 
 十年以上前に遭遇して記憶に止めた眠りに入る瞬間のごとく、夢の中で死の瞬間を体験したお話。
 
 意識を取り戻して最初に自覚したのは、普段の就寝場所であるソファーに寝転んでいたことと、思考回路がはっきりと働いており今は絶対に夢ではないこと。時を置かずにベランダから見知らぬ数人の中年女性が部屋に入室して、一旦は脇を素通り。しかしすぐに、眠りから覚めた当方に気付いた彼女たちが歩み寄ってきて、こちらに笑顔で「森へ帰ろう」と両手を差し伸べてくる。あぁ、そうか、これが死の瞬間なんだ。
 死ぬのは決して本望ではないけど、このまま苦しまずに逝けるならその森とやらに帰るのも別に良いかも…なんて暢気に考えていると唐突に、誘いの発言主の口に可愛らしい青い小鳥が飛び込んで。それを何事も無かったかのような表情で噛み殺して呑み込むグロテスクな光景を目の当たりにした結果、やっぱりこんな危険な奴らを信用して付いていくのは止そうと思い直したところで、目が覚める。
 
 生来の眠りの浅さのせいか、夢日記を記録しているせいか、見る夢のバリエーションが他の人よりも富んでいる気はしていたんですけど。夢の世界に住んでいる偽者の自分や、夢を見ているのを自覚する明晰夢ではなく、本当の自分の価値感を持ったまま僅かな時間でも死を受け入れた事実には、少し衝撃を受けてしまいました。
 
■9月29日 非主流派文体。
 
 ウェブサイトでもメールでも掲示板でも段落文体を使用して、段落の先頭は一文字下げる。自分にとっては当たり前の作法とも言える決まりですが、インターネット上では少数派になってしまうことに納得が出来なくて、いつも心の中に不平不満を溜めています。こうした方が絶対に読み易いはずなのに、どうして主流にならないのかチンプンカンプンです。
 このような考え方に至った理由を分析すると、若かれし頃にワープロで小説を書いていた時の感覚が受け継がれたせいに違いありません。当時は身の程知らずな小説家志望者であり書式を20×20に設定後、小学校で教えられた「原稿用紙の使い方」に倣って文章を綴っていましたから、段落文体と字下げを用いるのは当然だったんですね。段落と無関係な改行や、全て一直線に揃った行頭なんて滅相もない。
 
 他にも、段落当たりの文字数は多からず少なからずに纏めて、形式段落2つで意味段落となるように文章を構成する。どちらも見た目に最も読み易いと自分に定めたルールで、特にBe influencedでは徹底してきました。ただ、「書きたい内容を書きたい分量だけ書く」よりも「文体を守る」を優先してきたのは、本末転倒の気配がしないでもありません。
 
■10月6日 昔の人は長い。
 
 努力するのが何よりも嫌いな如月さんが生まれて初めてそれらしいことを継続している、百人一首暗唱計画。今回、記憶出来たのは50首目から58首目です。
 
 
藤原義孝「きみがため おしからざりし いのちさえ ながくもがなと おもいけるかな」
藤原実方朝臣「かくとだに えやはいぶきの さしもぐさ さしもしらじな もゆるおもいを」
藤原道信朝臣「あけぬれば くるるものとは しりながら なおうらめしき あさぼらけかな」
右大将道綱母「なげきつつ ひとりぬるよの あくるまは いかにひさしき ものとかはしる」
儀同三司母「わすれじの ゆくすえまでは かたければ きょうをかぎりの いのちともがな」
大納言公任「たきのおとは たえてひさしく なりぬれど なこそながれて なおきこえけれ」
和泉式部「あらざらん このよのほかの おもいでに いまひとたびの おうこともがな」
紫式部「めぐりあいて みしやそれとも わかぬまに くもがくれにし よわのつきかな」
大弐三位「ありまやま いなのささはら かぜふけば いでそよひとを わすれやわする」
 
 
 前回の暗記で悩みの種だった長々しい人名も今回は控えめで、かつ「ふじわらのホニャララあそん」だったり「ホニャララのはは」だったり「ホニャララしきぶ」だったりと、同じ系統の名前が続くお蔭で覚え易くて助かりました。ただ、先には「ほっしょうじにゅうどうさきのかんぱくだじょうだいじん」なんて方も待ち構えているらしくて、昔の人は自分の名前を書くのも一苦労だったのではと。
 
■10月13日 シンクロニシティ。
 
 自信はあっても確信が持てない記憶の事実確認をしたくて、ある特定の洋楽の懐メロを聞く機会を一月くらい前に求め出しました。手元に音源はありませんし、かと言って購入する程のことでもなかったので、いつの日か耳に届いてくれればと言う願いを頭の片隅に置いておいただけなんですけど。それから約一週間後、夜中に無意識にチューニングを合わせた携帯ラジオから、その楽曲が流れてくる間の良さにびっくりな自分がいました。
 そこで話が終わっていれば、よくある偶然としてさっさと忘れ去っていたでしょう。更に数日後、早朝にタイマー録音をセットする為にラジカセのスイッチを入れると、再びその楽曲が以下同文。ラジオ局が同一で最新のヒットソングであればともかく、そのどちらも当てはまらないのだから驚きの度合いも伝わるかと思います。特に後者においては、演奏前の曲紹介とスピーカーから音声が流れるタイミングが完全に一致して、この件に関しては妙に巡り合わせに恵まれていたようです。
 
 記憶の方はお蔭様で、正確でした。
 
■10月20日 子からアリエルへの連想。
 
 年賀状に手描きするイラストを決めようと思いました。今までにどんなものを描いてきたかは、2006年1月9日分にて。まだ冬の気配も遠い時期に少し気が早く感じられるかもしれませんが、尋常でなく面倒がりな自分の仕事の遅さに敗北を喫する前に先手を打っていかないと、如月時間なる誰からも理解を得られない言い訳に頼ることになりますから。
 来年の干支は、子とのこと。上記リンク先の通り干支はほとんど考えずに題材を選んできたものの、関係はあった方が無難なのは言わずもがなです。ネズミネズミと獲物を狙う猫のごとく呟きながら数々の条件に合うものを探し出して却下を繰り返し、以下の2つを最終候補としました。
 
 
・今年、感動の再会を果たした『あまいぞ!男吾』より出っ歯の新聞部員、関和美。
・映画は未見な癖に、細々とグッズを飾っている『リトル・マーメイド』より主人公、アリエル。
 
 
 前者は作中のニックネームがそのまま「ネズミ」なので、後者はネズミ→ミッキーマウス→ディズニーから。こじつけだなんて、とんでもない。
 
■10月27日 清原絋さんは清原紘さん。
 
 五代ゆう『玻璃ノ薔薇』を『瑠璃ノ薔薇』だと思い込み、その過ちになかなか気付けなかった経験は2003年11月12日分に。書籍等の題名は必ず正式に表記するように心掛けており、入力には実物を手元に置いて慎重にキーを叩いているのに、如月さんはケアレスミスの達人らしく誤植なんてお手の物。誤りをこっそり正した後は検索エンジンに記録された事実が一日でも早く消えてくれるよう、ひたすら願うばかりです。
 今回も『失踪HOLIDAY』の作画を担当した「清原紘」のことを、この一ヶ月間「清原絋」だと信じて疑いませんでした。修正と言う名の証拠隠滅作業は滞りなく行われましたが、既に恥ずかしい思いは満喫済なので責めないでやって下さい。正直に告白すれば「紘」なんて漢字、存在を初めて認識。
 
 それにしても、って、まるで一卵性双生児。
 
 
  
■11月3日 大阪の中日ファン纏め。
 
 大阪生まれ・大阪育ち・大阪在住と三拍子揃っているのに、どこでどう間違えたのか中日ドラゴンズファンになってしまった如月さん。木曜日に53年振りの日本一を決めた瞬間は右耳からテレビの、左耳からラジオの音声を聞く、聖徳太子も真っ青な方法で試合中継に接していました。2004年に落合監督が誕生した時と今年の始めに中村選手を獲得した時に、両人共に好きな人物でなくて小さからずの嫌悪感を抱いた自分が恥ずかしいばかり。その節は本当に失礼しました、今では心より感謝しております。
 ただ、僅差と言えどもレギュラーシーズンは2位で終えており、今期からセリーグでも始まったプレーオフに助けられての不完全な日本一ですから、喜びも遠慮がちになるのも事実。レギュラーシーズンの首位が日本シリーズに進出して、プレーオフでリーグの優勝を決めるのが最善ではと2005年11月14日分で提唱しましたが、この案が実際に採用されたら誉めてやって下さい。
 
 最後に、過去の日記で用いた「大阪の中日ファン」ネタを集めました。書いた当人の感想として、全体的に卑屈なのを否定はしません。
 
 
セカントインパクト。
 阪神ファン以外の大阪人にとっての災厄。
裏切り者の末路及び現状。
 小さい頃は阪神ファンでした。
10月1日は優勝記念日。
 大阪で中継があるはずがない。
全局阪神まみれ。
 阪神優勝時における在阪各局。
中日が負けますように。
 負けを願う複雑な心境。
 
 
 関西ローカルのメディアや阪神ファンからの無言の圧力に負けず、今後も大阪にて潜伏活動を続けます。
 
■11月10日 まみむめも→りみむりも。
 
 縦に並んだ「まみむめも」の「ま」と「め」にペケ印を付けて「り」と書き直し、最後に「わかったかな?」とナレーションが入る、ツタヤオンラインのCF。先月の中旬、深夜に一挙放送された海外ドラマを見ているとしつこく流れて、その度に頭の中では疑問符が大量生産でした。画面に残される意味不明の「りみむりも」からどのようなメッセージを導き出せば良いのか、如月さんは考えに考えるも何も思い浮かばない辛さに七転八倒した挙げ句、ばたんきゅーしたそうです。
 その頃は具合の悪いことに柔軟な発想の持ち合わせを切らしており、仕方無く見ず知らずの人たちに助けを求めました。一刻も早く悩みを解消したくて逸る心を抑えつつ、検索エンジンに問題の文字列「りみむりも」を正確に入力して、エンターキーを連打。労せずして意中の解答を見付けられた瞬間、満足感も爽快感も無い純粋な脱力感に襲われてしまった訳ですけど。
 
 同サービスの別バージョン──理髪店で大勢の野球部員らしき男子が坊主にされていく意味も、併せて初めて理解しましたとさ。
 
■11月17日 年内で終わらせます。
 
 別段の興味があった訳ではない百人一首を暗記しようと思い立ったのは、2年も前のこと。頭の中でシナプスが繋がったと思いきや切れてしまうを幾度と繰り返し、今度こそ本当に大丈夫だと確信したはずなのに…なんて、出来の良くない自分の記憶力に腹立たしいばかりでしたが、折り返し地点を過ぎた頃から前述分に関連付けて覚えられるようになり、作業の効率化が進みました。長々しい人名も発音のわかりにくい歴史的仮名遣いも、もう怖くありません。
 
 
赤染衛門「やすらわで ねなましものを さよふけて かたぶくまでの つきをみしかな」
小式部内侍「おおえやま いくののみちの とおければ まだふみもみず あまのはしだて」
伊勢大輔「いにしえの ならのみやこの やえざくら きょうここのえに においぬるかな」
清少納言「よをこめて とりのそらねは はかるとも よにおうさかの さきはゆるさじ」
左京大夫道雅「いまはただ おもいたえなん とばかりを ひとづてならで いうよしもがな」
権中納言定頼「あさぼらけ うじのかわぎり たえだえに あらわれわたる せぜのあじろぎ」
相模「うらみわび ほさぬそでだに あるものを こいにくちなん なこそおしけれ」
前大僧正行尊「もろともに あわれとおもえ やまざくら はなよりほかに しるひともなし」
周防内侍「はるのよの ゆめばかりなる たまくらに かいなくたたん なこそおしけれ」
三条院「こころにも あらでうきよに ながらえば こいしかるべき よわのつきかな」
能因法師「あらしふく みむろのやまの もみじばは たつたのかわの にしきなりけり」
良暹法師「さびしさに やどをたちいでて ながむれば いずくもおなじ あきのゆうぐれ」
大納言経信「ゆうされば かどたのいなば おとずれて あしのまろやに あきかぜぞふく」
祐子内親王家紀伊「おとにきく たかしのはまの あだなみは かけじやそでの ぬれもこそすれ」
権中納言匡房「たかさごの おのえのさくら さきにけり とやまのかすみ たたずもあらなん」
源俊頼朝臣「うかりける ひとをはつせの やまおろしよ はげしかれとは いのらぬものを」
藤原基俊「ちぎりおきし させもがつゆを いのちにて あわれことしの あきもいぬめり」
法性寺入道前関白太政大臣「わたのはら こぎいでてみれば ひさかたの くもいにまごう おきつしらなみ」
崇徳院「せをはやみ いわにせかるる たきがわの われてもすえに あわんとぞおもう」
源兼昌「あわじしま かようちどりの なくこえに いくよねざめぬ すまのせきもり」
 
 
 10月6日から20首の追加で、残り22首。定例報告を少し早めたのは題名の通り、今年中に最後まで終わらせると宣言して自分を追い込んでおきかったので。有言不実行が得意技の如月さんも、今回ばかりは違うとのこと。
 
■11月24日 雪踏みの刑。
 
 暑いの嫌いで虫が苦手な如月さん、冬の到来を実感すると犬のごとく庭を駆け回りたくなります。しかし、残念ながら良い話ばかりが待ってくれている訳でもなく、この季節にはこの季節なりの敵がいて。それは積もった雪を踏み締める時に生じる、独特の音。靴の底と雪が接着して「ぎゅっ」「さくっ」と聞こえる度、心臓をくすぐられるような感触に。
 ボコボコに殴られるではなく、グサグサに刺されるでもなく、コチョコチョとくすぐられるだけ。これでは大した悩みとして受け取ってもらいにくいでしょうが、ここで加味して欲しいのがくすぐりに対する自己抵抗力の無さです。どんなに重要な国家機密でもくすぐりの刑に処されれば、すぐに吐く自信があります。
 
 雪積もりし道を歩けと強要される日は、平気な顔をしていても拷問真っ只中の気分なので、お見掛けの際は慮ってやって下さい。
 
■12月1日 おかしなおかしな米ジオ。
 
 時折、トップページのレイアウトがおかしくなっているのが見受けられても、これは如月さんがお得意のうっかりミスをしでかしたのではありません。犯人は利用している無料サーバーの所行で、ファイルの中に空白の行を勝手に忍ばせるんです。仕様か不具合か、保存した瞬間には確認出来なくても、いつの間にか付け加わることもしばしば。
 素直な制作方法でレイアウトを構築した場合、空白の行は存在を認識されないので実害は無いに等しいですが。ここのトップページには「整形済みテキスト=改行やスペースをそのまま表示に反映」を指定しており、一行でも空白が入ると見た目に影響を与えられてしまいます。かと言って、その指定を消して修正を行うのは必要な手間の大きさから現実的ではなく、見付かり次第に直すのが唯一の対策なのが困りものです。
 
 本当にうっかりミスの時も、稀に。
 
■12月8日 増床無き本棚改革。
 
 長らく永久循環だと信じて疑わなかった、本棚が埋まる→収納効率を改善→本棚が埋まるの流れが遂に塞き止められ、最近は本を持ち帰る度に悩ましいばかり。一つの棚に奥と手前の2列・上と下の2段に並べたり、棚板との隙間に寝かせて入れたりは当然で、作者やレーベル毎に纏めた配置を崩すのは美しくないから嫌となれば、改善の余地が残りません。昨夏に増やした途端に溢れた収納場所は更に拡張させたものの、あまり効果が認められずに再び溢れ出ています。
 そんな風に、本を処分する選択肢を持たない者には生か死かの苦境に追い込まれて、本棚を前に駄目元で唸っていると妙案が頭に舞い込みました。文庫や小サイズのコミックは2列に並べても奥行きに少し余裕があり、その奥と手前の列の間に表紙を向けて何冊か置ける。早速、新発見のスペースに2×3冊が宛てがわれ、これでしばらくは大丈夫。実に見事な解決策に自画自賛でした、ぱちぱちぱち。
 
 こんなに単純な方法を今まで思い付けなかったのは、首を傾げざるを得ません。
 
■12月15日 M-1グランプリ失望。
 
 2005年2006年に倣い、今年も展望を好き勝手に発言して明後日の方向に大外れしたかったのですが、決勝進出コンビを知って番組への期待まで萎んだのは如月さんだけでしょうか。
 
 
・笑い飯
・POISON GIRL BAND
・ザブングル
・千鳥
・トータルテンボス
・キングコング
・ハリセンボン
・ダイアン
 
 
 あまりに常連でお腹いっぱいだったり、芸風が生理的に受け付けなかったり、期待が低いとしか思えなかったりと、自分に合わない人選に困惑です。ここまで勝ち上がってきたコンビだから個人の趣向に左右されない面白さを発揮してくれるはず、なんて楽観は過去に覆されていますし。録画や録音では嫌いな場面を容赦無く早送りで飛ばす性格なので、ネタの感想をまともに書けないコンビが大半になってしまうことが心配です。
 
 せめて、敗者復活でジャルジャルが選ばれますように。
 
■12月24日 M-1グランプリ所感。
 
 前回でこぼした愚痴はさておき、3連単予想を「笑い飯→千鳥→ダイアン」としたM-1グランプリ2007の率直な感想を述べていきます。過去の感想は、2006年2005年2004年2003年2002年に。
 
 
・笑い飯
 冒頭の「一文字ずつ交互に言うと〜」なる振りに身構えたのに、全ての笑いを「ロボットの口元」に置いたこと。その形状は多くの人にとって○だろうが▽だろうがωだろうがおかしく思えない為、ボケをボケとして受け取りにくかったこと。以上の二点を敗北の原因と捉えましたが、こんな風に素人から冷静に分析されてしまっては駄目でしょう。出番が最初でなければ、審査員はもっと低評価にしたのでは。55点。
 
・POISON GIRL BAND
 昨年の反省から単純な「あるあるネタ」で攻めてきたのか、と思わされた浅はかな自分に苦笑い。最後まで平坦なネタ運びが順調だった滑り出しを帳消したのが審査上では辛かったものの、こちらは満足な出来でした。75点。
 
・ザブングル
 顔芸と主張出来る程に変な表情はしていない、と感じる方が変でしょうか。肝心の漫才も統一感と関連性に乏しいボケに散漫な印象を与えられて、無味無臭の食事をしたかのようです。どの辺りを評価されて決勝まで勝ち上がったのか、少しも伝わらないまま終わってしまいました。60点。
 
・千鳥
 今回はアプローチを捻り、ブラックマヨネーズとチュートリアルが築いた「ここで勝つ為にチューンナップされたネタ」に挑戦するも、そこまで内容が伴わなず。伊藤博文連発の鉄板ネタをやれば最終決戦に残れるはずなのに、出し惜しみしているのでしょうか。70点。
 
・トータルテンボス
 2004年と2006年に酷評したので嫌々見たら、今回は灰汁が抜けたかのようで純粋に楽しめました。順序立てた展開は洗練されており、役割分担がはっきりした小ボケと大ボケで退屈する暇が無く、前半のボケが後半に生き返ってくる等、完成度が高かったです。80点。
 
・キングコング
 あれだけの高速を維持してミスが窺えないのは、アイドル的な人気に溺れずに相当な努力を積み重ねたのでしょう。ただ、それが面白さではなくわかりにくさに繋がったのが惜しくて、正しい手段で誤った目的を果たしましたね。65点。
 
・ハリセンボン
 個性的な容姿も才能の内かもしれませんが、あそこまで自身のネガティブなキャラクター性に依存した漫才を若い女性がするのは笑えません。かつてのアジアンや変ホ長調も自虐的ではありましたが、まだ微笑ましい程度で済んでいました。60点。
 
・ダイアン
 関西でも華の無い当コンビを敢えて3連単の3位に入れたのは、本番前日のラジオ番組でチュートリアルが彼らの今までの苦労を話していたから。大半のボケに必然性が欠けていたのが弱点で、特に終盤の「カブトムシの幼虫」が象徴的な失敗でした。食物でない物質を食べさすだけでボケとして成立するなら、別に「カブトムシ」でも「幼虫」でも構わない訳で、あそこの単語は前半を伏線にすべきでしょう。60点。
 
・サンドウィッチマン
 ジャルジャルを望んでいた敗者復活からの登場。出だしはオーソドックスな漫才に思わせて、血液型のくだりからツッコミを装ったボケ・ボケを装ったツッコミ・透かし等々、多様な笑いを提供してくれた意外性が花丸。ここまで無意味な大声で怒鳴る等、客側を無視する技術力の低いコンビが目立っていた対比で、腕の違いを見せ付けられました。80点。
 
 以下、最終決戦です。
 
 
・トータルテンボス
 1回目と同様の長所に加えて、後半にまさかの展開が待っていたのがプラス。オリジナリティの溢れる笑いを誘いながら、奇をてらったり下品でなかったりするのは好感が持てますね。80点。
 
・キングコング
 1回目と同様の難点に加えて、どこかで聞いたような在り来りなボケを安易に多用したのがマイナス。テンポが悪かろうがミスがあろうが、それらが面白さを邪魔しないことの方がずっと大事なのでは。65点。
 
・サンドウィッチマン
 ここ数年の優勝コンビにあった爆発力が感じられなかった反面、笑わせるポイントが多いのに外れが無い手堅いネタに感心。ダイアンとは違って、どのボケにもちゃんとした必然性があるんですよね。80点。
 
 
 結果は昨日までは名も知らなかったコンビ、サンドウィッチマンが優勝のハッピーエンドで幕を閉じましたが、今年は出演者のレベルが低いと感じた人は少なくなかったのではないでしょうか。正直に言って、決勝まで残ったのが信じられないコンビが半分を占めました。玉石混淆となりがちな関西の新人賞レースでもここまで酷い惨状にはなりませんし、準決勝の審査基準に難があったとしか思えません。昨年に指摘したスイッチャーとカメラワークの不満は解消されていたので、来年の改善に期待しておきましょう。
 
 3連単予想が掠りもしなかったのは例年通りですから、ちっとも落ち込んでいません。
 
 
 
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