──2008年──
 
⇒目次 ⇒2007年 ⇒2009年 ⇒表紙
 
  
■1月5日 4年前からのご挨拶。
 
 新年あけましたおめでとうございました。今年も変わらず、華も実も備えたサイトが百花繚乱するワールドワイドウェブの隅っこで細々と更新していきますので、お付き合い続けて下さい。
 以上、2004年から流用している、使い古しでした。今年で5年目だなんて実に働き者で、常軌を逸した面倒がりな如月さんは本当に助かっています。毎年の年始に楽をさせてくれる、過去の自分にありがとう。来年も任せた。
 
 昨年末に更新頻度が鈍ってしまって書き残きが幾つかあり、今月は週一回より短い間隔でアップロードしたいと思います。
 
■1月9日 書き残していたこと1。
 
 「今年中に最後まで終わらせる」と宣誓して自分を追い込んだ、百人一首暗唱計画は如何に。
 
 
左京大夫顕輔「あきかぜに たなびくくもの たえまより もれいづるつきの かげのさやけさ」
待賢門院堀河「ながからん こころもしらず くろかみの みだれてけさは ものをこそおもえ」
後徳大寺左大臣「ほととぎす なきつるかたを ながむれば ただありあけの つきぞのこれる」
道因法師「おもいわび さてもいのちは あるものを うきにたえぬは なみだなりけり」
皇太后宮大夫俊成「よのなかよ みちこそなけれ おもいいる やまのおくにも しかぞなくなる」
藤原清輔朝臣「ながらえば またこのごろや しのばれん うしとみしよぞ いまはこいしき」
俊恵法師「よもすがら ものおもうころは あけやらで ねやのひまさえ つれなかりけり」
西行法師「なげけとて つきやはものを おもわする かこちがおなる わがなみだかな」
寂蓮法師「むらさめの つゆもまだひぬ まきのはに きりたちのぼる あきのゆうぐれ」
皇嘉門院別当「なにわえの あしのかりねの ひとよゆえ みをつくしてや こいわたるべき」
式子内親王「たまのおよ たえなばたえね ながらえば しのぶることの よわりもぞする」
殷富門院大輔「みせばやな おじまのあまの そでだにも ぬれにぞぬれし いろはかわらず」
後京極摂政前太政大臣「きりぎりす なくやしもよの さむしろに ころもかたしき ひとりかもねん」
二条院讃岐「わがそでは しおひにみえぬ おきのいしの ひとこそしらね かわくまもなし」
鎌倉右大臣「よのなかは つねにもがもな なぎさこぐ あまのおぶねの つなでかなしも」
参議雅経「みよしのの やまのあきかぜ さよふけて ふるさとさむく ころもうつなり」
前大僧正慈円「おおけなく うきよのたみに おおうかな わがたつそまに すみぞめのそで」
入道前太政大臣「はなさそう あらしのにわの ゆきならで ふりゆくものは わがみなりけり」
権中納言定家「こぬひとを まつほのうらの ゆうなぎに やくやもしおの みもこがれつつ」
従二位家隆「かぜそよぐ ならのおがわの ゆうぐれは みそぎぞなつの しるしなりける」
後鳥羽院「ひともおし ひともうらめし あじきなく よをおもうゆえに ものおもうみは」
順徳院「ももしきや ふるきのきばの しのぶにも なおあまりある むかしなりけり」
 
 
 以上の22首を12月中旬に追加して余裕を持ったゴールイン、これは人生初の有言実行だとか。2005年12月8日に開始して2年以上が過ぎ去りました。2006年の1年間に26首だったのに、2007年9月に32首+10月〜12月に42首と大幅増を遂げられたのは本人にも原因不明です。
 
 最後に、とてつもなく遅い進歩状況を長らく見守って頂いた方に感謝を込めて、百人一首を覚えた動機と成果の発表を。呆れないで。
 
■1月14日 書き残していたこと2。
 
 苦手なのによく頼まれてしまう、道案内。声を掛けられませんようにと真摯に祈り、声を掛けにくい雰囲気を醸す努力も空しく、それからの5ヶ月間で2回が追加されてしまったものの、どちらも無事に回答成功。2007年の道案内戦績は6勝1敗の好成績で幕を閉じ、これは極度の方向音痴・地理音痴で鳴らしてきた自分にとって、奇跡です。必ず感謝はその都度されど、誉めてはもらえないのが少し淋しい。
 以下、余談。地元で起きた事件について何度か書いてきましたが、去年末にも殺人事件が発生してまだ未解決です。その発生当日の夜中が上記2回の内の1回で、翌日の朝刊で事件を知った如月さんは「まさか…」と独白したそうな。訊かれた位置が北の事件現場と南の案内先の中間だったとか、その時の受け答えと案内先にどことなく妙な印象を抱いていたとか、頭の中はこじつけで一杯に。
 
 そうそう、まさか。
 
■1月19日 書き残していたこと3。
 
 『リトル・マーメイド』のアリエルか、『あまいぞ!男吾』の関和美か、昨年10月20日の最終選考に残っていた2008年の年賀状のイラストは、無茶な連想を物ともせず前者が選ばれました。メッセージにも添えた子→ミッキーマウス→ディズニーのこじつけは、他の干支でもドナルドダックやグーフィーで成立すると気付いたけど、知らん振りして投函。発想は良かったと思うので、後悔はしていません。
 選択の理由として真っ先に挙げられるのは、人魚は裸で楽だけど、ネズミは制服で面倒そうだったこと。えっちな意味ではなくて、絵心の持ち合わせが無いのがバレないように描きたい者にとって重要なポイントであり、上手く描けない指や背景を最初に抹消するのと同じ動機。
 
 新年早々、見られて恥ずかしいブツが届いてしまった方には、お気の毒と。
 
■1月26日 ドリームキャストの卒業。
 
 ドリームキャストでインターネットと言う、前世紀的な利用形態を辛抱強く守ってきましたが、抵抗空しくもう限界。記念すべき10周年を迎える2008年は大変革の年に仕立て上げねばなるまいと、満を持して自身の見すぼらしい接続環境の改善に取り組みました。一月以上前の作戦開始から秘密を通しましたが結果が出たので、何より先に発表を。
 
・回線=イーアクセス→アッカ
・速度=8M→12M
・月額=約4000円→約2000円
・機械=ドリームキャスト→ドリームキャスト
 
 最も改善されるべきところが、とツッコミ入れられる気配がぎゅんぎゅんします。
 
 他のコースや会社に変更すれば安くなるのは数年前から気付いていたものの、このご時勢にドリームキャストでの接続を保証してくれるとは思えず、目先のお金に捉われて接続に困るよりは現状維持が無難と、半年で自動更新の契約を見直さずに放置していました。ところが、プロバイダに問い合わせると上記の「アッカ・12M」が対応との回答で、4ヶ月の無料期間と7000円のキャッシュバックと不要なプレゼントにごろにゃーんとなり、決断を下したそうな。
 
 そんなこんなで、留年続きの如月さんがドリームキャストから卒業するのは、いつになるやら。
 
■2月2日 後ろの少年だぁれ?
 
 Postfaceに「小さい頃ホットカルピスのCMで流れていた歌詞が生みの親」と書いたのは、サイトのオープンからあるので2002年9月以前。意外な巡り合わせで先日、大昔から頭の片隅に存在する不確定情報に沿って、生みの親が収録されたCDを買えまして。この「♪誰もいないの?私だけなの?後ろの少年だぁれ?」と唄うのは斉藤由貴で、曲名が『うしろの正面だあれ』と確認しました。
 そんな曲名だから歌詞は当然「♪うしろの正面だあれ」で、もっと言えば「♪あたしだけなの」でもありました。5年半も堂々と勘違いを放置していたなんて、今の心情をサビから一節借りて表現すると「♪トマトの顔をして」状態。あと、曲の印象を「切なくもどこか暖かい」としたのも記憶違いで、むしろおどけた感じの明るい内容。ここまで間違いだらけだと、『A snow scene』は何に影響を受けたのやら。
 
 前述のリンク先で「このCM曲とシナプスで密接に繋がっている」とした『ペンギンズ・メモリー 幸福物語』でも、似たような体験をしましたし。小さい頃の自分程、信用ならない人物はいないですね。
 
■2月9日 K氏に重大疑惑浮上。
 
 文章中の「〜にかかっている」の漢字変換は「掛かる」「懸かる」「係る」のどれを選ぶべきなのか、手元の辞書でははっきりしなかったのでgoo 辞書にて調べると、以下の用例が挙げられていました。
 
 
>(2)疑いが向けられる。
>「 K 氏に嫌疑が―・る」
 
 
 身に覚えがあるかは別にして、条件反射で「ぎくっ」としてしまいました、AやXでなくKなんて中途半端なアルファベットを狙い撃ちにした、その意図を問いたい。
 
■2月16日 湿気なんて無いさ。
 
 今冬、生まれて初めて空気の乾燥を唐突に認識して、新しい感覚の誕生に戸惑わされています。今までは実感出来なかったのに、湿度の低さが自身の体調への悪影響に直結している気配が。我慢とも思わなかった状況がある日を境に耐えにくくなり、日常生活が不便になってしまいました。
 実は少し前に、前触れが。2005年6月17日分にも「湿気が気にならない体質」と書いたくらいなのに、昨年の梅雨に生まれて初めて空気の湿りを唐突に以下略で、更にはこれまた生まれて初めて「カビ臭い」と言う感覚も獲得していました。その匂いは幾度も体験していたものの言葉としては全然繋がらず、ふと気付いた瞬間にほんのりと感動が。これがかの有名な「カビ臭い」だったなんて。
 
 己の鈍感さに閉口すると同時に、鈍いままの方が幸せだったのにと後悔も。
 
■2月23日 テレパシられる。
 
 いつものヌードモデルのアルバイト中、なぜか漫画のアイデアが頭に浮かんでくる。彼女は徹夜で描き上げた下絵を片手に知人のプロ漫画家を訪ねるが、そこで見せられたのはアイデアが同じ原稿。自分は天才だと確信したのに、真相が「人の考えた案がテレパシーでつたわっただけ」とがっかりして、おしまい。以上、藤子・F・不二雄『エスパー魔美』より「天才少女・魔美の巻」の粗筋ですけど、これと似た体験をしてしまいました。魔美ではなく、漫画家で。
 事件が発生したのはラジオ番組『ナインティナインのオールナイトニッポン』で、女性歌手限定の替え歌のコーナー。これが少し前に新企画として始まった頃、ヌードにもモデルにもならなかったのに誰もが知る名曲をハミング中、不意に浮かんで記憶にも定着したネタがありました。それがイヤホンからそっくりそのまま同じ内容が流れてきて、我が耳を疑いました。短くないフレーズなのに一言一句違わず、ありがちなアイデアなのかもと替え歌の一節を検索しても、結果は0件。名立たる葉書職人が大量投稿する番組に素人が1枚送って採用されるはずも、なんて弱気にならず挑戦していれば今頃は…!
 
 今週木曜日深夜に放送されたヨギータがゲストの回で、お手元に録音がある人はどのネタに後悔を誘われたのか探ってみては如何でしょう。番組が番組なので先手を打ってお断りしておくと、絶対に絶対に下ネタではありませんので念の為。
 
 
  
■3月1日 敵の敵は味方。
 
 2006年11月25日分で赤裸々に告白したように、虫や両生類や爬虫類に成人男子としては稀有な拒否反応を示す如月さんも、一種類だけなら冷静なお付き合いが可能なことはあまり知られていません。その正体は、蜘蛛。今も昔も映画や小説で大活躍の、人間にとても身近な生物です。
 屋内で虫等に遭遇した際は「#$%&!」と華麗に取り乱した後、「勇気を振り絞って殺める」か「見なかった振りをして逃げる」の極端な選択肢しか選べませんが。こやつに限っては「あら、こんにちは」と気さくに挨拶を交わしてから、「屋外に捨てる」「無視して同居する」と大人な対応が出来ます。とは言っても、このように平気になったのは近年の話であり、恐らくまだ10年も経っていないでしょう。
 
 心境が正反対に変化したきっかけは、蜘蛛はかの4文字の生物の天敵だと知ったから。もう、素敵。
 
■3月8日 NHKジャーナルに学ぶ。
 
 平日22時からNHKラジオ第1で放送のニュース番組『NHKジャーナル』は週に1〜2回程聞いていますが、なぜか3月3日と4日は前後の『NHKニュース』と併せて失敗連発の散々な状態に陥っていました。黄砂の影響で出演陣の喉に違和感でもあったのかも、なんて強引に理由を付けて心配してしまうくらいです。以下、番組内の不手際を箇条書きで。
 
  • 「病院」を「入院」と読み間違える→言い直す。
  • 「巨額の損失」を噛む→言い直す。
  • 原稿読みの途中でジングルが鳴る→お詫び。
  • 人名を間違える→お詫びと訂正。
  • 「値下がり」を「値上がり」と読み間違える→言い直す。
  • 「経営者」を「容疑者」と読み間違える→言い直す。
  • 「10時」を「9時」と言い間違える→言い直す。
  • 「2連敗でも」を「1勝1敗でも」と言い間違える→「ゴメンなさい」
  • 「777型機」を噛む→言い直す。
  • 「閣議後」を噛む→言い直す。
  • その他、甘噛み多数。
 
 プロフェッショナル集団のNHKでさえこの体たらくなら、アマチュア個人の如月さんが数年間に何度も推敲した自分の文章から更に複数の誤字脱字衍字が発掘されるのも無理からぬ話だと、自身の正当性を主張する根拠に採用しました。
 
■3月15日 あさりちゃん・コード。
 
 2月23日分に続いて、またもや事件はハミング及びサブカルチャーと共に訪れました。
 
 
♪あきれた あのこは あさりちゃん
 さっぱり さえない ふりしても
 りゆうも りくつも いらないこ

 
 
 多くの人にとって聞き覚えのあるフレーズだと思われる、有名なオープニングテーマ。再放送や原作を見た訳でも無いのに、なぜか無意識に選曲された『あの子はあさりちゃん』のAメロをエンドレスでハミングしていると、そこにこっそり隠された暗号が自ずと明らかになったのです。初めての出会いから20年以上の歳月を解読に必要とした、その作詞家からのメッセージとは一体。
 
 
きれた のこは あさりちゃん
 っぱり えない ふりしても
 ゆうも くつも いらないこ

 
 
 歌詞を検索してみると、2番にも同様の仕掛けが施されていましたとさ。
 
■3月22日 S.ブルデーと一緒。
 
 夜神月のような特異なキャラクターと誕生日が一緒で複雑な気持ち、と率直な感想を述べた2007年9月8日分の続編をお届けします。
 先週の今頃、開幕を控えるF1世界選手権の観戦に最低限必要な知識だからと、今期から参戦するセバスチャン・ブルデーの国籍を調べたのがきっかけ。その際に生年月日が視野に入り、7つの数字が綺麗に一致と気付かされました。前に挙げた有名人と違って2月28日だけではなく1979年まで同じとなれば、同じ星の下に生まれた者同士だと馴れ馴れしく宣言しても罰は当たらないでしょう。
 
 日曜日の決勝ではデビュー戦・所属チームは中の下・サバイバルレースの困難を物ともせず上位を堂々走行、最終盤にマシントラブルでストップするも規定周回数に達しており7位入賞の大健闘。他力本願で自分本位な如月さんにとって、格好の自慢材料に育ってくれそうな予感がぎゅんぎゅんしますね。
 
■3月29日 眠りに入る瞬間の記憶。
 
 この世に生を受けてから死を迎えるまで繰り返し繰り返し体験するのに、大多数の人が実感を得られずじまいなのではと推測されるのが、今日の題名。過去にこんな記憶を一度だけ持つ如月さん、数年前に偶然から「眠りに入る瞬間の記憶」を高確率で捉えられるとっておきの方法を編み出しました。布団の上では少々難しいので、ベッドかソファーでお試し下さい。
 固くて小さい物体を手で軽く握り、高さのある寝床の真横の空間に差し出しておくだけで準備完了。あとは普段通り眠りに誘われるまでの手順を進めれば、頭の働きが鈍くなり睡眠状態に突入する寸前、指の力が自然と抜けます。すると、手の中の物体が床に落ちて響いた音に意識が強引に引き戻されて、覚醒と睡眠の迫間にいた瞬間の自分を即座に振り返れる訳です。
 
 ただ、眠る時に何も考えない人には向かないかもしれません。如月さんのように眠れるまで延々と何かを考え続ける者には、自発的な思考を夢なる異世界が如何にこっそり侵食して同化に至るのか、よく理解出来るのですが。
 
■4月5日 重力と混凝土に素肌。
 
 そう言えば、この道路を堤防から見下ろした時に抜け道が…と、真夜中の草原に足を踏み入れてみたものの、現在裸眼中で西園寺まりい状態の自分に街灯の明かりが届かない未知の空間はあまりに強敵だと察知して、数秒で引き返したのは正解でしょう。光源不足かつソフトフォーカスの映像の中、草原と道路の境界線に段差を予測して慎重に左足を出したのも、人としてあるべき姿です。ただ、その時点で安心してしまったのが大きな過ちでした。
 左足の成功に続いた右足は闇と同化して獲物を待ち構えていた排水溝に吸い込まれ、着地場所を探す落下の旅へ。ここで問題となるのがその異様な深さで、後に判明したのですが背丈がすっぽり収まる程もあったのです。気合いで左足は道路上に残せたものの、下半身は一瞬で完全に埋没しました。もう排水溝と言うより、落とし穴。
 
 このまま重力に身を委ねては非常にヤクイと、止む無く緊急避難を決行。まだ宙に浮かんでいた右腕の肘を穴の縁に叩き付ける姿勢を取り、落下開始から3秒後には力任せに地上へと復帰して難を逃れました。ただ、素肌がジャケット越しに立ち向かったコンクリートから相応の出血と結構な打撲の支払いを求められては、難を逃れられていないとする説が有力です。
 
■4月12日 災難の連鎖。
 
 排水溝に落下事件が起きた日曜日と、日記を更新した土曜日に挟まれた、木曜日の夕暮れ。肘に怪我と打撲を抱えた人物が、国道沿いの歩道でお店の駐車場から出てくる自動車に跳ねられたことは、世間には全く知られていません。不注意の過ぎる自分が恥ずかしく、今日まで隠蔽したせいです。
 既にお莫迦な話として回想出来るくらいですから膝下をごつんと当てられた程度、その場で治まるのが確定的な痛みでした。それでも運転手が律儀に慌てて車から降りてこようとしたので、とっさに片手のジェスチャーで制止させる余裕を見せてしまったのが今は悔やまれます。不意の衝撃から自身を襲ったアクシデントの全貌を理解後、過去の交通事故での周囲の反応を瞬間的に思い出したもので。心が貧しくてゴメンなさい、でも学習能力だと好意的解釈も可能なのでは。
 
 1月下旬から2月末まで当事者ではないものの心労の多い問題が生じ、しばらくは落ち着けるかなと気を抜いた3月上旬に最大瞬間体温39度の発熱に苦しめられたのが、連鎖の始まりだったのかもしれません。
 
■4月19日 正しい在り方。
 
 不祥事を起こした内部の人物を無茶な理屈で庇う会社や組織に対して、直接は無関係な自分でも理解に苦しむのは確かだけど。マスコミを恐れて、不祥事を起こした内部の人物を無茶な理屈で庇おうともしない会社や組織だったら、誰が身を粉にして働くものかとも思う。
 我が子を思って教師に身勝手な要求を突き付ける親に対して、第三者の自分すら腹立たしくなるのは確かだけど。世間体を気にする余り、我が子の為に教師に身勝手な要求を突き付けようともしない親だったら、子どもから信頼を得られるか疑問でもある。
 
 ごく限られた利益の為に客観的な悪事が罷り通るのを許さない世の中だが、それによって生じる不利益を受け入れるのなら、実行も一考。この現状は結構、社会と人間の在り方として正しいのではないでしょうか。正義やモラルと言った言葉に過度に縛られると、別の大切なものを逃してしまうかもしれませんから。
 
■4月26日 ペンギン黒い空を飛ぶ。
 
 本日の題名から、今年のエイプリルフールにイギリスのBBCが流した映像を連想されるかもしれませんが、一切無関係で。「かばんでなぐる少女」から2年と少し、このフレーズを覚えているのは云々の第五段をお届けします。
 
 
♪ペ、ペ、ペンギン
 く、く、黒い
 そ、そ、空を飛ぶ〜

 
 
 出典はラジオ番組『林原めぐみのハートフルステーション』で確実、聞いていたのは1993年〜1995年辺りでした。どこぞの子どもが無邪気に唄っていたと言う不条理な歌詞が葉書で届き、林原めぐみさんが即興で節を付けて再現された知る人ぞ知る名曲かと思いきや、検索による知名度調査は歴代のフレーズと同様の淋しい結果に。未だに無意識にハミングしている奴が、世界に自分だけだったらどうしましょう。うん、これは絶対に唄い継いでいかなければ。
 
 初めて文字で歌詞を認識した今回、「黒い」の修飾先が「ペンギン」ではなく「空」の可能性があることに気付きました。たったの4小節なのに、この奥の深さたるや。
 
 
  
■5月3日 おっちょこちょい・7。
 
 漢字の「婆」と「姿」を混同して、「女」の「次」だから「お婆さん」とは良く出来た成り立ちだと納得していました。
 トイザらスのCFより「♪トイザらスキッズ」のフレーズを、「♪トイザらスキー=トイザらス好き」の駄洒落だと信じていました。
 貰い物のペットボトルカバーをミトンだと思い込み、手の平を入れてにぎにぎと感触を確かめていました。
 「古紙」の中における機密文書の類が「故紙」で、処分方法に注意が必要なものだと想像していました。
 
 
 前回からの長い間隔を差し引けば、少なめで済んだのでは。
 
■5月10日 非売品の置き時計。
 
 最も手前にテーブル上に座る黒猫ジジの後ろ姿が大きくあり、小屋の中から窓ガラスを隔てた表に視線を送っている様子。そこに映るのは不測の事態に驚いてずっこけそうな魔女子キキの正面で、彼女の足元には『ブレーメンの音楽隊』を思い起こさせる、下から上に複数の動物を重ねていったかのような化け物の影が。どうやら、ジジが魔法か何かを使ってキキに悪戯を仕掛けて「しめしめ」の図。サイズはアンノン判くらい、裏側には作者に関する解説文があり、値段は25000円とのこと。
 舞台が百貨店内の昨日の夢。時計売り場に到着した自分でない自分を出迎えたのが、そんな『魔女の宅急便』のイラストが描かれた盤面でした。映画のアニメ調ではなく水彩画風で初見のタッチに感じましたが、今にも消えてしまいそうな淡い記憶を回想すれば、原作で3巻以降の挿絵を担当されている佐竹美保のものに近い。キキよりジジ派を公言している者としては、一枚の絵に込められた「見た目の可愛さ」と「シチュエーションの可笑しさ」をいたく気に入ったのに、再見も再現も不可能なのが切ない。
 
 2005年5月6日分に書いた、「美しさを創造出来ない絵心皆無な者とて、美しさを想像するのは可能」が再来したお話でした。
 
■5月17日 じのちゃん。。。
 
 
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 じのちゃん(放浪少女・大体30歳)とは、如月さんのインターネット接続装置・ウェブサイト制作機器・暇潰し道具として、代替わりを重ねながら10年弱も酷使され続けているゲーム機、ドリームキャスト専用のゲームソフト『戦国TURB』のヒロインであり、黒柳陽子なる才媛の独特な感性が爆発したその凄まじい内容を詳細に説明するのは、どだい無理な話ですぶはあ。。。
 耳かきのお茶請けに昔のドリームキャスト専門誌をちらちら覗く内に今更気付きました、じのちゃんの顔がHTMLで描けることに。ズレ防止に等幅フォントを指定した全角文字で作りましたが、ドリームキャストのブラウザには非対応のタグなので、見事に失敗していたら各自修正ちて。。。
 
 尚、遠い過去にPostfaceに記した結構酷い紹介文に、虚偽は一切ありません。オーイエーすうはあん!
 
■5月24日 まるちゃん。
 
 
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 まるちゃん(小学3年生・8歳〜9歳)とは、コミックやアニメでお馴染みの『ちびまる子ちゃん』の以下略。前回のHTMLで描いたじのちゃんが想像以上に可愛らしく、うっとり見とれている内にはたと気付いてしまったのです、まるちゃんの顔と似ていることに。説明するまでもなく既製品を流用の手抜き、と言うか色の指定を消去しただけで早変わりしてくれました。
 
 
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 もう少しまるちゃんっぽくをコンセプトに、瞳と口を変更して小さな工夫も。さくらももこ調になりましたが、黒点を消して眉を目に見立てると『ヤダモン』で有名なSUEZEN調になりそう。
 
 
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 可愛いだけがまるちゃんじゃないをスローガンに、彼女らしい意地の悪さを目付きで表現しつつ赤丸ほっぺで緩和しました。
 
 
 もう日記ではなく、お絵描き帳ですね。
 
■5月31日 花衣夢衣。
 
 新聞のテレビ欄に予期しない上記文字列を見出だした時には、生まれて初めての妙な衝撃を受けました。なぜなら、2002年9月20日制作の自作に『星衣・花衣(ほしころも・はなころも)』と名付けていたから。当時、珍しく作詞系サイトに投稿して数件の感想を頂けた記憶も被害妄想に拍車を掛け、これはもしや密かに真似された…?
 
 
⇒花衣夢衣 - goo Wikipedia
 
 
 独創性の高い題名だと自負していれば自信もあった如月さん、遅ればせながら現実を知って最初に受けた数倍の衝撃に襲われてしまいました。
 
■6月7日 石綿の種。
 
 結びで「夢の中で現実世界に存在しないであろう文章を読んだり音楽を聞いたりする度、それらは一体誰が創作した作品になるのか」と不思議がった、2004年10月27日分の再来を。今回は夢の中ではなく睡眠に達するまでの中間地点で、ある川柳が文字でも音声でもない形で意識上にふと舞い込んだのです。
 
 
 石綿の種 いっぱい吹きたい 許されるなら
 
 
 アスベストをタンポポの種に見立てて息で吹き飛ばしたなら綺麗だろうけど危険だからいけませんよね、なる意味合いだと瞬間的に解釈しつつ結構気に入りもしていました。この「中間地点」と称した状態に共感を頂けるのか自信を持てないので、的確な説明を新井素子の対談形式によるエッセイ本『ネリマ大好き』より引用します。
 
 
 寝てる自覚ってないのよね、ずっと起きてると思っているわけ。起きてて「眠れないな、眠れないな」と思ってるんだけど、そのとき頭ん中で適当な映像が出て来ちゃって、ふっと気がついてみると「あれは寝てるんじゃないか、あの映像はどう考えても夢じゃないか」って思うんだよね。
 
 
 うん、よくわかる。あと、この発言に続く対談者の言葉もまた、よくわかる。
 
 
 寝入ってから見る夢を、水中深く潜って見ている景色だとするならば、うつらうつらしてるときっていうのは、水面のすぐ下をときどき水の外に顔を出しながら泳いでるような感じじゃない?
 
 頭の中で考えてるモヤモヤが、ずうっと頭の外に出て拡がって行く感じ。で、気がつくと音が戻ってきてる。一度暗闇の中で眼を開けていて夢を見たことがあるよ。部屋の中の机なんかのシルエットにオーバーラップして夢を見たの。一瞬だけどあれは怖かった。

 
 
 如月さんの場合は金縛りに襲われるとそうなり、以下の段階を踏んで現実に戻ってきます。
 
 
1:金縛られた自分に気付き、寝入った場所から周囲が見えている。
2:気合いで少しは動けるようになり、蛍光灯のスイッチや携帯電話に触れる。この時点で確かな触覚があるものの、状況証拠によると夢か錯覚らしい。
3:家内を移動して水を飲む等、現実から逸脱しない内容の夢に突入。不在のはずの人がいたり時計の表示が変だったりで、夢を自覚する時も。
4:目が覚めて、1と同じ光景が最初に見える。
 
 
 金縛り常連組でオカルト否定派の如月さん、Q太郎の類にだって未遭遇の立場にも拘らず実態は怖がりなせいか、1で見えるものが何なのか判断出来なくて恐怖心を抱くのは常々。4になると正体が判明して、結局は己の指だったりカーテンの模様だったりしますが、見え方が変わってもいないのに不可解です。
 
■6月14日 螢之丞・いさく・りか。
 
 インターネットに接続してから日が浅く、自ら追い求めなくても様々な新しい知識を自然と得られた頃。1冊だけ著作を読んでいた小説家の妹尾ゆふ子が、イラストレーターのめるへんめーかーの妹だと判明し、自分の中で無関係なものが実際には深く繋がっていて驚かされましたが。
 インターネットに接続してからどっぷり日が暮れて、知らず知らずの内に知らないことを知らなくなってしまった今。昔からたまに見掛ける名前だけどどんな人なのかなと調べてみたイラストレーターの水玉螢之丞が、テレビのニュース番組で頻繁に見掛ける軍事評論家の岡部いさくと、ある書籍の作者として人物名だけ記憶にあった漫画家のおかべりかの妹だったと判明して、どぎつく驚かされました。接点を持たないはずの3人が同時にトライアングル状に接続するなんて、小説より奇な事実に思考回路から煙が。
 
 その書籍は数年前に古本で購入した1989年発行『コドモの定番』で、子どもの陳ねた視線と感情を皮肉混じりのユーモアで描く、笑いどころたっぷりの作品です。コミックともイラストエッセイとも言えないその作りは、まるで学級新聞のよう。1996年に発売の文庫版は新古書店での遭遇率が低くありませんし、立ち読みでも構わないので是非「たーぼえんじんについての親子の対話」を読んでみて。
 
■6月21日 マピオンに騙される。
 
 今年もあと僅かで折り返し地点を過ぎるのに、昨年は大量発生して大変難儀した道案内を一度も頼まれていないのって、果たしてどうしたことでしょう。もしや、この日記が世間に及ぼす影響力が絶大で、如月さんに訊いても無駄に終わる確率が高いことが広く知られたとか。ヨカッタネ。
 尚、道案内が苦手な原因の方向音痴に限っては、ここ半年も快調です。普段通る道が工事中だったので住宅街を近道するつもりが、迷いに迷って携帯電話のGPSを起動。予め道順を確認して大丈夫だと判断したのに、現地で方向感覚を失った挙げ句に意図せず振出に戻る。地図の読み間違いでお店とお店の距離関係を誤ったり、余計に2時間も歩いたり。少しくらい大袈裟に書いていると思われるかもしれませんが、完全ノンフィクションでお送りしております。
 
 ただ、全ての失敗が自分だけのせいではなくて。地図上で事前に調べたルートの道路が、実際には民家の敷地内で通行不可能だった時もあったのです。その酷い仕打ち以来、兼ねてより愛用のマピオンへの信頼度は急降下しましたが、方向音痴が治る薬が開発されるまでは嫌々ながら使ってあげるつもりです。
 
■6月28日 ゲーマーのピーク。
 
 めるへんめーかーのゲーム系エッセイコミック『わんだりんぐWONDERLAND』において、先日の日記にちらりと登場した妹君による「ゲーマーのピークは25歳なんだって」との発言は、大胆な仮説として何年も前から頭の片隅に取り置いていましたが。この度、アーケード専門誌『ゲーメスト』の1994年7月30日号から、読者投稿に「25歳を過ぎるとゲームの能力が落ちると言うそうだが〜」との記述を見出して、心から救われました。下手だとか不器用だとか不景気だとか、自分で自分を罵った被害妄想の日々に終止符を打てたのです。
 その25歳をとうに過ぎて下り坂を転がり落ちたであろう者が、ゲーメストの攻略記事と連射付のパッドを味方に先日から挑むも、セガサターンのシューティングゲーム『レイヤーセクション』のノーコンテニュークリアが出来ないのは、無理からぬ話でしょう。攻略記事のノーミスパターンと比べれば難易度が下がっていても、パッドでソフト連射の数倍の破壊力を発揮させても、無茶なものは無茶。一応、最高で6面止まりのゲームセンター時代から、裏技でクレジットを増加させないとクリア不可能だった12年前に、久々に起動して初めて裏技未使用でクリアの2年前を経て、稀に1クレジット目でラスボスまでは行ける現在と長い目で見れば少しずつ上達中で、この努力は無駄にならず遅かれ早かれ目標に辿り着けそうではあります。
 
 百人一首と同じく何年も先になるかもしれませんが、根気と根性が無いようで無い如月さんに「巧遅は拙速に如かず」は通用しないのです。
 
 
⇒2008年7月5日 Q.E.P.D.
 
 
  
■7月5日 Q.E.P.D.
 
 第一段階は強烈な追尾性の緑色レーザーで死亡。頼りの攻略記事だとこの攻撃が放たれる前に撃破しているが、弾避けに自信が無い者には不可能。
 第二段階は攻略記事の通りで安定。緑色ばら撒き弾の安全地帯とブラックホールの対処方法がわかれば楽。
 第三段階は回転ナタデココの内側の紫色弾で死亡。1・2回目は引き付けてからの切り返しで抜けられるが、3回目は画面下に追い詰められて避ける場所がどこにあるのやら。
 
 第三段階で残機無し。避けられないなら開き直り、3回目の紫色弾は回避行動を取らずに目押しロックオンレーザー連発で…そんな自棄が幸いして、『レイヤーセクション』のノーコンテニュークリアは遂行されました。かの救いが無いことだけが救いの悲劇的なエンディングは何一つ変わらなかったものの、それを見るプレイヤーの感情は少し違ったように思います。
 
■7月12日 舌切り雀たち。
 
 少し前にあるニュースを見聞きして、感じたこと。
 
⇒Google 検索: 白雪姫 25人
 
 1979年生まれの如月さんが幼稚園の時に演じた『舌切り雀』でも、自分含めて園児の半数が主役の雀でした。幼き日の淡い記憶によれば劇中に登場する雀を複数にして、更に演者を場面毎に変えて実現だったはず。また、お爺さんとお婆さんも担当の数人が常に舞台上で並び、台詞を小分けにしていたような。これは配役の数が圧倒的に足りない為に行われた処置で本質は異なりますが、「物語を改変して主役を増やす」のは昔からある話なのでは。
 
 今となってはそれより何より、幼稚園の卒園直前の劇に『舌切り雀』を選んだことが、内容が内容だけに納得し難いのです。もっと可愛くて幸せな題材にしましょうよ、先生方。
 
■7月19日 ○○点主義ランキング。
 
 時折「○○点主義」なる言葉を耳にするけど、○○に入る数字で最も用いられるのは何なのか。そんな疑問が脈絡無く頭に浮かんで沈まなくなった如月さん、超大手検索エンジンの協力を得て手早く適当に調べてみると…。
 
 
0点主義
10点主義
20点主義
30点主義
40点主義
50点主義
60点主義
70点主義
80点主義
90点主義
100点主義
 
 
 上から下まで多様な○○点主義者が見付かる中、我が目を疑うのが10点の結果。現れる件数は情報提供元の事情とご機嫌で刻々と変化しますが、調べた限りではいつ検索しても0件でした。10点満点で言えば最高の数字なのに、どうしてこんなにも人気薄なのでしょう。気の毒に思って如月さん、これからはせめて自分だけでも10点主義者として生きていこうと決心したそうな。
 
■7月26日 聴覚で涼む。
 
 大きな保冷剤をタオルに包んできゅっと抱き締めたり、適度に冷凍させたプリンをぱくっと食べるのは、肌が酷く弱いやら虫が極度に苦手やら日差しが駄目やら知覚が過敏だわで夏を嫌悪する如月さんが編み出した、安易に文明の利器に頼らない暑さ対策です。保冷剤は凍らしても硬くならないものがお勧めで、プリンは冷たさに加えて食べ応えも生じるところが一挙両得。心ある方はどうぞ、明日の地球の為に真似して下さい。
 このような似非エコロジストな立場より先日、身体の芯から冷気を生み出す素晴らしい方法を発見したので報告致します。それは、プッチーニ作曲『トゥーランドット』より「誰も寝てはならぬ」を聞くこと。例え題名からメロディが思い浮かばなくても、トリノオリンピックで荒川静香選手を金メダルに導いた曲との説明だけで、多くの日本人は「寒さ」を連想するのではないでしょうか。かのオリンピックが開催されていた季節の、全体を白が覆うスケートリンクの映像の、やがて金メダリストとなる者の演技に立てた己の鳥肌の…。
 
 オペラにもフィギュアにもちんぷんかんぷんな如月さん、唯一所有する音源は書籍『トリノ2006 トゥーランドット フィギュアを彩った名曲たち』に付属のCDです。これで物語の大筋を追いつつ記憶に深く染み込んだ旋律に耳を傾けると、胸から生じた様々な想いが交錯して。僅か3分弱の間に寒気を覚えるのはともかく、瞳を潤ましてしまうのが恥ずかしいばかり。心ある方はどうぞ、未来の子どもたちの為に真似して下さい。
 
■8月2日 はしたなきもの。
 
 今年は道案内を全然頼まれなくてヨカッタネと記した途端に、路上で「すみません」と呼び止められて以下略。久しぶりに受けた挑戦にドキドキするも、無事に答えられて胸を撫で下ろす。
 毎日使う鞄には折り畳み傘を常備しているのに、天気予報を全く見ない日も稀なのに、珍しく別の鞄で天気予報を確認せずに外出した時に限って、先程までのかんかん照りを一瞬で覆す豪雨に。3時間雨宿りするも、最終的には走る濡れ鼠になることに許諾。
 以前から欲しかった品物を極めて安価で見付けて、荷物になるから帰りに買おうと思った2時間後には既に棚から消滅。購入出来た人は感謝しなさい。
 
 
 はしたなきもの=間が悪いでも、間が悪い=タイミングが悪いとは限らない為、今日の題名は不正確ですが。いつか使ってみたかった言葉なので、お許しあそばせ。
 
■8月9日 秋桜子。
 
 女性に付ける名前で好きな響きと言えば季節限定の「桜子=さくらこ」だけど、春ではなく秋生まれだとしたら妥協案で「秋桜子=こすもすこ」に…いや、ちょっと無理があるかも。どことなく回文みたい語感だから、試しに逆から読んでみましょう。コ・ス・モ・ス・コ…ん!
 
 シャワーを浴びながら取り留めも脈絡も無く進んでいた思考が、こんな素敵な大発見に辿り着くなんて。お風呂場から出てメモを取るまで絶対に忘れてはいけないとしばし間、生まれて初めて出会った言葉「コスモスコ」を頭の中で必死に連呼する自分がいました。
 
■8月16日 お盆ですけど。
 
 既に前回で「ネタ切れ」を宣言していますし、昨年のごとく絶妙の時期に不可解な出来事と遭遇もせずで、今年の「それっぽいお話」は敢え無く見送りに。来年までに新しい体験を入荷出来れば別ですが恐らく、このまま消滅の可能性が有力でしょう。そもそも、幽霊やらお化けやらを完全否定して憚らない奴が非科学的な現象をもっともらしく取り扱うなんて、ちゃんちゃらおかしかったのです。あんなのは例外無く目の錯覚や勘違いに決まっています、そうだそうだ。
 
 ラジオの深夜番組の次週放送を、絶対に夜中ではなく日中に聞くぞと固く誓っているのは、年に一度の心霊特集だからに他なりませんけど。それとこれとは話が別、怖いものは怖いのです。
 
■8月23日 ラジオの五輪中継1。
 
 今週日曜日のラジオ欄の、8時15分から。右を見ると「北京オリンピック 陸上 女子マラソン」がずらずらっと並び、左を見ると「北京オリンピック 陸上 女子マラソン」がずらずらっと並び…って、いくら何でも4年前と同じ過ぎ。その時と二つ違ったのは、NHK第二が放送時間でNHK−FMが独りぼっちにならなかったのと、異国の地で日本人がちっとも活躍出来なかったことで、準備万端で挑んだラジオとテレビの同時観戦から土佐選手より早く脱落していました。これまた4年前と同じ解説者の増田明美が、棄権に至る遥か前に外反母趾に関して発言されたのと、中村選手がメダル争いに食い込む気配も感じられなかったので、躊躇せずに。如月さんは諦めが早いのです。
 今回の五輪は帰宅中に携帯ラジオでチェックを始めることから上記の「聴覚=ラジオ・視覚=テレビ」で観戦する日が大半だったのですが、これによって違和感を生じるのが音声と映像の僅かな差。テレビはデジタルではなく未だアナログにも拘らず、AMから伝わってくる情報の方が1秒は上回る為、チャンスやピンチの結果が目に映るより先に耳に届いてドキドキハラハラが小さくなるのです。前述のマラソン中継ではAMよりもFMの方が遅れており解決も可能だったものの、やっぱり4年前と同じく民放でのCM中にも実況を流すNHK第一を優先したのは、私だけではありますまい。
 
 そんなNHK第一で聞く五輪中継の欠点について、次回に。
 
■8月30日 ラジオの五輪中継2。
 
 前回の続き。ラジオのNHK第一でオリンピック中継を聞いていて悩ましかったのは、地震・気象・運行・道路と次々に挿入されるニュース速報で、放送が何度も遮断されること。正確には今回のオリンピックに限られる訳でも、大相撲や野球のようなスポーツ中継に限られる訳でもない、この局では常に付いて回る欠点です。これらは時として人の生死に関わる程に重要で、そこまで大袈裟にならずとも日常生活に必要な情報なのは間違いありませんが、その伝え方に配慮が欲しいのです。以下、届くはずのない改善要望を。
 まず、本放送の音声を消さないで下さい。録音番組やネット局の関係で速報を止む無く被せたい際には、本放送は消さなくても音量を小さくして流せば事足りるでしょう。次に、番組の展開を無視しないで下さい。気象警報解除や列車運行再開は一分一秒を争う情報ではありませんし、スポーツ中継なら取組やイニングの間、通常番組なら音楽を流す時間を待つのは許されるのでは。最後に、読み上げる原稿に無駄が多いのを改善して下さい。参考に速報の雛形を。
 
1「番組の途中ですが、大阪のニュースセンターより、○○に関する情報をお伝えします」
2「(速報の内容)」×2
3「大阪のニュースセンターより、○○に関する情報をお伝えしました」
 
 わざわざ「番組の〜」と断る意味は無く、どの地方のどんな内容なのかは聞けばわかりますから「1」は全体が不必要。「3」は言わずもがなで、リスナーにとって有益なのは「2」だけなんですね。そんな「2」の繰り返しは許容するとして、速報から「1」と「3」を省けば本放送が遮断される時間はかなり短くなります。
 
 今週日曜日の閉会式では、上記の例より数倍も長文の速報が開始前から度重なって挿入されて、さながらニュース番組のようでした。次のオリンピック中継はいっそのこと、速報が入らないNHK第二に任せては如何でしょう。実は第一の閉会式中継は途中で見切った如月さん、その第二の裏番組『文化講演会』の「現代アニメの原点 空海とマンダラ」を聞いていたとか。少数派中の少数派だと思われます。
 
 
  
■9月6日 耳掻き新時代。
 
 兼ねてより「耳垢は個人財産であり勝手に取るのは窃盗」「耳からの出血は必要経費」「耳の中が痛い時こそ耳掃除」の3大スローガンを独りで唱え、耳掻き依存症に繋がる通路をまっしぐらに突き進んで帰り道を見失った如月さんですが。今年は共に戦ってきた三種の神器をサポートする新兵器2種類を実戦投入して、多大な戦果を挙げることに成功しました。それは、毛抜きと黒い綿棒です。
 
 耳の内壁に接着する乾燥した耳垢を処理していく自分にとって、前者は最終手段。つまり、あまりに手強いターゲットは毛抜きで直接摘んで、かさぶたのごとくめりめりっと剥してやります。先が細くて奥深くまで進入可能なピンセットでないのは、指捌きを誤ると怖いので。毛抜きだと入り口付近にしか使えませんけど、毎日行う作業ですし安心安全が一番です。
 そして、上記リンク先でも話題にした黒い綿棒。これに手を出したら絶対に中毒症状が悪化すると思い敬遠してきたものの、100円ショップに片側スパイラルで100本入りの商品を見付けたのが運の尽き。使ってみれば、まさに驚きの白さで…ああん、もう1本。耳栓やらリップクリームやら、消耗品は買い込んでおかないと不安になる質なので、時を置かず3パックを購入していました。その後、別系列の100円ショップにて両側スパイラルで150本入りを発見して、以前からの備蓄を含めて白と黒の綿棒が手元に合計1000本程。綿棒専門店を開けそう。
 
 これにてお役御免となった白の綿棒も、通常の掃除には用いますからストックは無駄になりませんけど、その消費速度は著しく落ちることでしょう。
 
■9月13日 見えてくる真っ直ぐな道。
 
 ほんの小さな頃より、かの有名なアニメ『フランダースの犬』を好きになれなかった自分を、はっきりと覚えています。登校前の朝や下校後の夕方にあった再放送で物語の全貌を記憶するくらいに触れたものの、それは自ら望んだ行動でありませんでした。明確な理由を説明し難くて「どことなく嫌い」「何となく見たくない」としか表現出来ないのが、今も昔ももどかしいばかり。少年と犬が天に召される最後の場面で泣いちゃう人の気持ちが知れません、如何にも押し付けがましい品の無い感動ですもの。
 そんな風に心汚れた如月さんが先日、なぜか竹書房の世界名作劇場文庫より数年前に発売された『フランダースの犬』を購入したとか。これは上記の主張を覆したのではなく、主題歌を収録した付属のCDが欲しかっただけで、物語はともかく歌に罪は無いと全力で言い訳していました。大杉久美子の唄う『よあけのみち』をハミングした時、どうしても1番で止まってしまう欠点を以前から克服したかったのです。そして、折角買ったのに小説を読まないで本棚に片付けるのは勿体無いと思うのが、当然の成り行き。
 
 絶対に泣きませんけどねと、斜に構えつつページを開いた1時間後──潤んだ瞳が正面を向いていましたとさ。
 
■9月20日 忘れても良かった。
 
 昨年末に百人一首暗唱計画を苦節2年で成就させて以来、何かを暗記したい衝動が生まれて。齋藤孝『声に出して読みたい日本語』を利用して、幾つかの有名な文章を覚えました。
 
  • せり なずな ごぎょう はこべら ほとけのざ すずな すずしろ
  • いろはにほへと ちりぬるを わかよたれそ つねならむ ういのおくやま けふこえて あさきゆめみし えひもせす
  • じゅげむじゅげむ ごこうのすりきれ かいじゃりすいぎょのすいぎょうまつうんらいまつふうらいまつ くうねるところにすむところ やぶらこうじのぶらこうじ ぱいぽぱいぽ ぱいぽのしゅーりんがん しゅーりんがんのぐーりんだい ぐーりんだいのぽんぽこぴーのぽんぽこなーの ちょうきゅうめいのちょうすけ
  • つきのころはさらなり やみもなお ほたるのおおくとびちがいたる また ただひとつふたつなど ほのかにうちひかりてゆくもおかし あめなどふるもおかし
  • ゆうひのさしてやまのはいとちこうなりたるに からすのねどこへゆくとて みつよつ ふたつみつなど とびいそぐさえあわれなり まいてかりなどのつらねたるが いとちいさくみゆるはいとおかし ひいりはてて かぜのおとむしのねなど はたいうべきにあらず
  • ゆきのふりたるはいうべきにもあらず しものいとしろきも またさらでもいとさむきに ひなどいそぎおこして すみもてわたるも いとつきづきし ひるになりて ぬるくゆるびもていけば ひおけのひもしろきはいがちになりてわろし
 
 『枕草子』の「はるは〜たなびきたる」「なつはよる」「あきはゆうぐれ」「ふゆはつとめて」は、古典の授業における強制暗記のお蔭で省くことが出来ました。同じ流れで他も試すと『平家物語』の「ぎおんしょうじゃの〜」と『徒然草』の「つれづれなるままに〜」も欠落無く記憶に定着している様子。ごく短い期間のみ暗記に励み、その後は長年使われなかった記憶を今の今まで維持したのは、情報の取捨選別に神経細胞が失敗した裏返しなのかもしれません。
 
■9月27日 出所も意味も不明の言葉。
 
 どうして今、こんな言葉を思い付いたのか。
 
 思考の迫間や夢の中に脈絡皆無で、出所も意味も不明の言葉が舞い込む時があって。それは見聞きの有無すら定かではない、神秘の文字列です。誰にでも起きる有り触れた現象なのか、テレビの気配みたいに特別なのか気になりつつ、個人的には歓迎しています。どんなに謎が深かろうが検索エンジンで調べると即、新しい知識や意外な発見に生まれ変わってくれるので。
 実在するのなら色々と情報が出てきて欠落していた意味を補完出来ますし、一致するページが一つも現れないかそれに準じた結果でも、己の無意識が生み出した造語として自己満足の道具にしてやります。ただ、過去の事例では2004年1月28日分のように、前者の場合は言葉を微妙に誤って覚えている場合が多く、Googleから「もしかして」の指導を受けて辱められることもしばしば。経験上、同様に間違っている仲間が確実に見付かるので幾分は救われますけど、いつかオリジナリティ溢れる自分だけの間違いが現れたら、どうしましょう。
 
 次回に続く。
 
■10月4日 出所と意味を検索で。
 
 前回の続き。今回は「出所も意味も不明の言葉」を羅列して、その実情をご覧頂きます。先月にメモした中から一部を抜粋したものに、検索結果を添えました。
 
 
アジスアベバ
 エチオピアの首都、とのこと。聞き覚えはあり。
キースロー空港
 明らかに「ヒースロー空港」の誤り。
ウラジミール
 様々な候補が挙がる中、海外ドラマ『24』に登場する「ウラジミール・ビエルコ」と思われる。
キャスティア
 検索結果少なからずで出所不明…だったが、アップロード直前に別件で手にした小説『<骨牌使い>の鏡』に、キャステアなる人物を発見。
クリーンポコ
 似た言葉で「グリーンポコス」なる洋蘭があるそうだが、自分には縁もゆかりも無い世界。
バンジット
 見知らぬ方のハンドルが少数現れるものの、出所不明。
ライトパルク
 検索結果実質0件で造語か。
色気ネーション
 夢の中に女性の歌声で流れたサビのフレーズ。上に同じ。
 
 
 そのほとんどがカタカナ語で占められているのは、漢字を伴った響きだと出所はともかく意味が容易に推測出来るからでしょうか。
 
■10月11日 構想1年。
 
 多分、恐らく、そろそろ、近々…と中途半端な自覚は持っていた裏返しで、わざと確認を後回しにしてきた日付があって。先日、意を決して目的の数字が記されたノートを久々に取り出すと、予想通りの事実が現れました。昨年の10月20日から一つも自作歌詞を完成させておらず、2000年5月28日から翌年2月20日を抜いて、作品間隔の最長記録を大幅に更新しています。All worksから10年前後遡った頃を眺めると、自分で自分が恐れ多いとしか。
 創作意欲が消えたのではありません、思い付いたフレーズと気に入った言葉を整理する作業は継続していますから。時間に追われる生活を送っていた訳でもありません、こうしてウェブサイトには手を掛けていますから。あと、スランプに陥ったとも言えません。この一年間は特に思い当たる理由も無く、歌詞を書く為のノートを開きもしなかったのです。
 
 せめて今年中に一作は、多分、恐らく、そろそろ、近々。
 
■10月18日 シールの跡に立ち向かう。
 
 簡単に剥がれると不慮の事故や悪人の邪な行為を誘発するし、安さの代償に少々の手間は仕方無い──そんな妥協の胸中で接してきたのは、粘着力抜群の値札シール。本の購入先の五割以上を新古書店が占めるようになって久しい如月さん、経験に裏打ちされた慎重丁寧入念な作業で裏表紙から値札を剥離させ、痕跡が残ることを許しません。それだけに、無惨にも失敗した時の絶望感と言ったら。
 そのまま本棚に並べるのは嫌だけど、剥そうにも剥がしようがない、白く薄い難敵。ウェットテッシュで磨いても効果があるのかやっている本人も疑わしい程で、確実にお勧め出来ません。汚れが広がったり紙が破れたりと、明らかに悪化してしまった経験もちらほらですから。
 
 これが消しゴムを使うだけで綺麗に落ちるなんて、もっと早く教えてもらえたなら多くの罪の無い本を傷付けずに済んだのに。
 
■10月25日 買い換え時。
 
 半年使った携帯ラジオを買い換えて、3年使った電気シェーバーを買い換えて、7年使ったMD録再機を買い換えて、13年使ったセガサターンを買い換えて、お次は3年使った携帯電話も…と、この秋は特に意識しての行動ではないのに、結果的に細々とした電化製品の代替わりが続きました。自分専用のその手の品は滅多なことでは新しく出来ない性格のお蔭で、今は贅沢気分に包まれています。冷静に考えるとまやかしだと気付くので、一切考えないでおきましょう。
 もちろん、インターネット接続端末はドリームキャストのままです。中古とは言えまだ1年しか使っていませんから、パソコンに仕事を奪わせるのは勿体無いでしょう。1998年12月購入の1台目から通算して、これで6台目だったりしますけど。お疲れ気味で予備機に格下げされた4台目と5台目を含めて、手持ちの本体が全て壊れて動かなくなったら真剣に移行を検討したいと思います。
 
 同じ台詞を1999年11月購入の2台目の時から言っているのですから、本当に困った人ですね。
 
 
 
  
■11月1日 放送禁止6デスリミット。
 
 こちらでは関東地方から4ヶ月遅れて10月上旬に放送となった『放送禁止6 デスリミット』の録画を見て、悪い意味で驚いたことが二つ。
 
 一つ目は頻繁に「※この番組はフィクションです」と出るようになったテロップで、あまりのしつこさへの対抗のつもりで数えてみると、合計10回。前作では正反対の感想を抱いており、番組の趣旨を壊し兼ねない危険な行動なのに、そこまで予防線を張らないと駄目な事情が生じたのでしょうか。だとしたらこれを逆手に取って、今度こそ2作目の感想に書いた「フィクションに見せてノンフィクション」を是非。
 二つ目は、劇場版やDVDに関して一切触れなかったこと。今作はきちんと番組内で話を完結させつつも劇場版に深く繋がるらしいですが、この知識を視聴後の検索で初めて得たものだから、どうして説明や宣伝が無かったのかと割り切れない気持ちでした。その公開日が9月6日と放送日から大きく遡る日付となれば、『放送禁止』シリーズにおける関西地方の扱いがよく伝わります。恐らく、関東圏以外は同様だったのでしょうけど。
 
 とは言え、露骨にも程がある序盤のヒントを除くと、内容が優れていたのは大きな救いです。最後の最後に待っていた急展開から、比較的丁寧に真相を明かしてゆく流れに好印象でした。
 
■11月8日 人物名は読まない。
 
 小説を読み終えたばかりの自分に「主人公の名前は?」と質問を投げ掛けると、自信を持って答えられない時が大半なのを嘆かわしく思います。ついさっきまで回答となる文字列を何度も目にしていたにも拘らず、どうして覚えていないのか。コミックやゲームでは滅多に当てはまらない、小説特化の悩みです。
 面白ければ早く結末を知りたいし、つまらなければとっとと奥付けに辿り着きたいしで、どう転んでも読書時間を少しでも短縮したがるのが原因。速読を会得済ならともかく、登場人物の名前を文字として読まず絵ごとく映して進むくらいしか、効果的で読み逃がしも出ない方法を知らないのです。読書中の脳内を観察すると、先頭の1文字と全体の文字数だけで判断している様子で、故に似たり寄ったりの人名がいると混同することもしばしば。過ちに気付くまで事実誤認を強引に正当化して物語を構築するので、それはそれで可笑しな勘違いが生まれて楽しめたりもしますが。
 
 先日、最終巻の入手記念に最初から10冊を通して読み返した『百星聖戦紀』では、登場人物のリストを作る手間を惜しまなかったので無事に難を逃れられました。ただ、そこまでしても第6巻より参加のフィリルとファリィの双子の姉弟が、どちらがどちらなのか覚えないまま今に至るのは、如何なものかと。
 
■11月15日 中日が負けますように2。
 
 今年のセリーグのクライマックスシリーズにおいて、阪神と巨人の勝利を願っていた如月さんは、果たして本当に中日ファンなのか。負けら今シーズンが終了ですから、自身の特異な境遇から敗戦を乞うた2年前とは事情が違います。歴史的逆転劇から岡田監督退任に至る激動の流れより、その当事者同士の阪神対巨人になれば試合が相当に盛り上がること請け合いだったのと、日本シリーズにペナントレース3位のチームが出場した時点で大方の人が白けるのに、更に日本一になってしまった日には世間が興醒め確実だと思ったので。
 第1ステージの第3戦で藤川投手がウッズ選手にホームランを打たれて、中日が第2ステージへの進出をほぼ決めた時には、こうも自分の願い通りにならないものかと苦笑いでした。その際、携帯ラジオから聞こえるNHK第一の解説が「ピッチャーを交代するな」「ウッズと勝負するな」「変化球を投げるな」で、実際の采配が「ピッチャーを交代した」「ウッズと勝負した」「変化球を投げた」で、苦笑いも増幅。そうでしょうそうでしょうと、帰路の夜空を見上げつつ孤独に達観していたとか。
 
 普段は赤に賭けては黒が出て、稀に黒に賭ければ赤が出るのがお決まりの人生を送ってきた身としては、日本シリーズへの切符が巨人に渡されて救われた気分です。
 
■11月22日 好きな「こ」の語感。
 
 気の済むまで頭の中で繰り返し唱えて楽しんだり、街角や書籍で文字列を見掛けると嬉しくなってしまう、自分の好きな語感。どんなのに惹かれてきたか、うんうんと唸りながら力技で記憶を掘り起こし、四字熟語から架空の人物まで取り揃えました。
 
 
曖昧模糊…あいまいもこ
已己巳己…いこみき
女暴小町…すけぼうこまち
タピオカ・プディング
真尾まお…まおまお
ナコルル
穿靈菱…ちょあんりんりん
トクトミトコナミ
ロコモコ
poco a poco…ぽこあぽこ
 
 
 こうして並べてみると、偶然かもしれませんが「こ」の多さが目立ちます。どことなくリズミカルな発音になるから、でしょうか。
 
■11月29日 見知らぬ人からの便箋。
 
 約3年前にこんなことに遭遇しまして、その顛末はこんな風になりましたが、またもや見知らぬ人の私物が挟まっていました。今度は几帳面に小さく折り畳まれた一枚の便箋で、不躾な行為を心苦しく感じつつ興味津々に開いてみると、中から現れたのは知人に宛てた200文字程の鉛筆書き。サブカルチャー系の用語や仲間内でのみ通用すると思しき言葉が多く、日本語で書いてあるのに意味をちっとも理解出来なくて衝撃です。
 それはともかく少し気になるのが、この便箋は読まれるべき人にきちんと読まれたのか。本の持ち主をAさんで借り主をBさんとすれば、挟まれたのは「AさんがBさんに貸した時」「BさんがAさんに返した時」のどちらかが有力ですが、その状況から中身を確認せずに売りに出されたとしたら、AさんないしBさんを素通りして2人と無縁のXさんに渡ってしまったことになります。別件で貰ったか確認の上で、栞に利用したのだと祈りましょう。
 
 どうしてこんな心配をするのかと言えば、心当たりがあるから。貰った封筒にマスコットを象ったような厚めの紙が入っていて、他に一言も無いのを訝しんだ上で贈り物なのだと解釈したところ、これが大間違い。実は端っこに「▲OPEN」と印が付いており、ここから剥して内側に書いた文面を読むべきものだったのです。その時は一方的に指定された待ち合わせの場所と時間が記されていたのに気付いたのは2日前、時代的にも年齢的にもポケットベルすら縁遠い頃でしたので、承諾の返事は現地集合に代えさせて頂きました。尚、本件は恥ずかしさの余り機密扱いとされ、今回が正真正銘の初公表であります。
 
 以上の理由により、妹尾ゆふ子『真世の王<上> 黒竜の書』を借りたり貸したり売ったり便箋を挟んだ記憶をお持ちの方は是非、当方へご連絡を。
 
■12月6日 金星・木星・月。
 
 2005年11月18日分に記した「日常にこっそり舞い込んだ非日常をきっちり見分けられると、ちょっぴり喜んでしまいます」と同種の幸せに遭遇出来たのは、今週月曜日の夕暮れ時がきっかけ。ふと視野に入れた真正面の暗い空に月が浮かんでいるところまでは日常でしたが、その左側に明るい二つの星があったのが非日常。トライアングルを象ったように美しい位置関係が成り立っており、天体への知識と興味を大して持ち合わせない者にも珍しい光景に思えました。
 
 これが後に扱いは小さいながらも報道されて、そうでしょうそうでしょうと独りで頷いたのです。
 
■12月13日 献血検査結果をいち早く。
 
 年に数回の罪滅ぼしで献血に協力すると、血液検査の結果が葉書で届く約1週間後が待ち遠しくなります。これまでの全13回で標準値に収まらなかった項目はほとんど無く、数少ない例外も僅かに上回っただけとは言え、いつまでも良き前例を踏襲してくれるとは限りません。鈍感さに確固たる自信を持つ如月さん、体のどこかに異変が起きていても気付けないでしょうし。
 そんな心境の先週、すぐに不安から抜け出せるかもしれない方法を閃いて。もしかしたらもしかするかもと試してみると、見事にもしかしてくれました。利用したのは、複数回献血クラブのモバイルサイト。これは一度でも献血した人が登録可能な無料のサービスで、メールでキャンペーンの情報が送られたり、月に2曲の着メロが貰える等々の特典が受けられます。ここに過去の検査結果を閲覧するページがあり、今回の分も既にアップロードされていたのです。ちなみに、今や不要な郵便物は4日後に届きました。
 
 もっと早く更新していた可能性もあり、数ヶ月後に訪れるであろう次の機会には目敏く調べたい。ウェブ上では葉書に書かれていない血圧と脈拍を見られるのも魅力でしょう。
 
■12月20日 水中毒にご用心。
 
 小さな前触れの後に全身が強烈な怠さに襲われ、血行を良くすべく厳しめの柔軟運動をしても改善されないが、1〜2時間経つと自然と治ってゆく。時間帯は夕食の後が多く、日中は起こらず。平均で数ヶ月に一度の低頻度ながら、正体不明の体調不良に以前から付き合ってきました。肩凝りに代表される不快感には慣れ親しんだ身だけど、これは同じ怠さでも性質が異なって体のみならず精神にまで鉄の重りを繋がれたかのようで、何をするのも億劫になってしまいます。前述の柔軟運動まで漕ぎ着けるにも、気力を振り絞らねばいけません。
 とは言え、痛くもなければ苦しくもなく、忘れた頃に思い出されてまた忘れられるのを繰り返す程度では、医者に助けを求める段階には進まず。深刻にならないし誰にも話さないしで10年は経過したであろう昨年、偶然得た知識から正体を初めて推察しました。もしや、水中毒とやらでは。
 
 夕食で過度にお茶を飲むのが昔からの癖で、幾度か経験した熱中症と類似点があったことから症状中に真水を口にしていたのが、重要証拠。そこでお茶の量を意識的に減らし、予兆を感じたら水分摂取を禁止した結果、自己診察の正解を確信しています。
 
 
 
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