| 時は流れる 94/12/28制作
街を歩いた 雪が積もった街を
今年も終わりだね そんな会話が飛びかう
街を歩いた 風の声する街を
雪きしむ音する これは冬の風物詩
マフラーして耳あてして
あったかい格好して
白い白い街並 CRYSTAL
一年を振り返る 一人モノローグ
物思いにふける
来年はどんな年になるのかな?
街を歩いた 歌が流れる街を
いろんなことあった いいことも悪いことも
街を歩いた 心安らぐ街を
住み慣れたこの家 街の鼓動聞こえる
手袋して靴下はき
あったかい格好して
青い青い空見る BLUE SKY
一年でひと区切り 未来向かいゆく
目標きめよう
来年はきっといい年になるよ!
◆ 風は玻璃のごとく 95/06/01制作
胸にしみる気持ちを書いた 白い紙
風船に結んで大空に飛ばす
風が運ぶ街中の音 静けさも
開け放した窓から吹きこんでくる
逢いたいだけなの 手紙は旅する
海にはヨット 鳥が羽ばたく
映す瞳の水晶玉
風が贈るプレゼントは 全ての人たちに
宝物の中にしまっておこう
私だけでも 忘れないために
何より大切 返事の嬉しさ
いつも思う幸福だって 嘘じゃない
歩道を歩く時ついついスキップ
小鳥のさえずり 朝日と一緒に
悲しい日でも センチな日でも
今までちゃんと立ち直れた
風が見せるイリュージョンは 一面青空に
せめては1枚の絵にしておこう
空が暗い日 部屋に飾るから
花瓶の花たち 窓辺を添えるの
待ちこがれた手紙の返事 やってきた
風船に結ばれ私の手もとに
そして風の流れは玻璃のごとく
◆ お気に入りの思い出たち 95/06/24制作
久しぶりに降りたバス停 残念だけど
変わってしまった風景 面影すら残らない
知らないうちに過去は過ぎてく
髪を梳かし昔の姿 取り繕った
まだ灯ってない外灯 記憶をたどり歩くと
知らないうちに時は過ぎてく
窓を打つ雨のシャワー 傘を差して
いつものところで時間通りに
お気に入りの思い出たちは
はかなくて いつか忘れてしまうけど
お気に入りの思い出たちは
少しずつ書き換えていくもの
赤く染まった街の色 とっても綺麗
あの日に眺めた夕焼け 今でもまだ覚えてる
知らないうちに人は過ぎてく
胸を打つ雨のシャワー もうずぶ濡れ
いつものところで見捨てられてた
お気に入りの思い出たちは
かりそめで あればいいと思ったけど
お気に入りの思い出たちは
自分自身が決めていくもの
お気に入りの思い出たちは
少しずつ書き換えていくもの
◆ 物語を書こうよ 95/07/08制作 ⇒Postface
初めて知った この丘からの眺め
淡い朝日を体にまとう
なぜだか 胸が暖かくなったみたい
突然聞いた かすんだ恋の続き
唄う勇気は素直じゃなくて
それなら 嘘は不安を募らせるだけ
信じることさえできれば 幻も鏡から出る
絵を描けないなら 物語を書こうよ
心に住んでいるあなたたちの 目覚めの瞬間(とき)
さあ動き出して
今の思いを あの人に伝えたいの
自信は急に 咲けない花のつぼみ
光るかけらを手のひらにのせる
これから それを大事に育てていこう
恐れを消せさえできれば 迷うのも間違いではない
絵を想像したら 物語を書こうよ
心が舞い踊るあなたたちの 素敵な空
さあ飛び立とうよ
今の言葉を あの人に聞かせたいの
絵を見ているような 物語を書こうよ
心を感じてるあなたたちの 作った詞(うた)
さあ出会いの今日
今の私を あの人に知らせたいの
◆ 幸せの主旋律 96/10/02制作
いつまでも子どものままで
ワガママ ばかり言ってる日々
自分にもわからないこと
幸せ その言葉の意味も忘れそう
楽譜を読めなかったあの頃
取り戻す気なんか…なかったはずなのに
今の現実 認めるのはツライ
夢はどこまで 壊れないでいるの?
毎日がその繰り返し
今の現実 認めるのはツライ けど…
私は私なんだから それでいいよね!
なに気なく聞き流してた
あの曲 ホントは好きだった
移りゆく四季の中では
幸せ この言葉の上は歩けない
あんなに練習してたピアノに
裏切られた過去は…消したかった記憶
今の現実 幸せには遠い
明日のかけらも なくしてしまいそう
いつだってこの繰り返し
今の現実 幸せには遠い けど…
そっと優しく手の平で 包んでいよう! 今の現実 認めるのはツライ けど…
私は私なんだから それでいいよね!
◆ そんな季節のそんな頃 96/11/01制作
あの日飛ばした風船追って
知らない道 自転車で走る 昼下がり
見つかるなんて思わないけど
別にいいよ 緩やかになびく 後ろ髪
背伸びしたって 指も届かない場所なんて
今はもうないよね
それが少し切なくて 小さな旅に出た
覚えているよね…あの日飛ばした風船
微かに鳴いた捨て猫抱いて
気がついたら 夕闇の中で 泣いていた
小さな体 冷たくした 淋しい過去の夜
あの日飛ばした風船追って
知らない街 見つけに行こう 自転車で
バンソウコウで そっと隠した傷口の
心には想い出
それは映画のようで 時々夢に見る
きっと忘れない…微かに鳴いた捨て猫
◆ ペパーミント 96/11/21制作
しどろもどろな言い訳 嘘じゃない
いろんなことがあったけど 嘘じゃない
少しの誤解から 糸はほつれ始める
落ち込んだ時 いつも助けてくれる
素敵な香り 枕元にいてくれる
素敵な夢に 逃げたあとで また起きて
桜並木を横目に なに気なく
買ってしまった缶ジュース なに気なく
わずかな時間でも そこに立っていたくて
うつむく人の そばを通り過ぎてく
あの日の香り デリケートなこわれもの
あの日のことは 恥ずかしくて ほろ苦い
ペパーミントの香りは あれからの
とても大事で大切な 宝物
◆ 方向音痴は夢まで辿り着けるのか? 97/01/26制作
正確無比な 地図を 片手に
コンパス持って 夢へ 歩き出す
そうよあたし 方向音痴
こうでもしないと 迷子になるから
一歩一歩を 確かめて進んで
目的の場所へ行こう いつになろうとも
小雨が降れば 傘を 差すけど
休まずずっと 夢へ 歩いてる
そうよあたし 方向音痴
視界の悪い日 油断大敵よ
その場その場で 雨宿りしながら
目的の場所を目指す 旅人のように
あれあれあれれ ここは どこかな?
左も右も 同じ 風景で
そうよあたし 方向音痴
迷子になるのは 日常茶飯事
これしきのこと 大して気にもせず
目的の場所を探す 焦らずにいよう
一歩一歩を 確かめて進んで
目的の場所へ行こう いつになろうとも
◆ ある晴れた冬の午後 97/02/02制作
頬を撫でる風は 冷たいけれど
日差しに包まれた 丘でお昼寝する
いつも急がされる 時計をはずし
日が暮れるころまで 何も考えずに
間近に迫る 春の香り 楽しみたいの
聞こえる
小川のせせらぎ 花たちの息吹
あとは 私の鼓動 それが生きてる印
小さな音の集まりがやがて歌となり
間近の春の訪れを 皆に伝えてくれる
頬を撫でる風は 冷たいけれど
日差しに包まれた 丘でお昼寝する
聞こえる
木の葉のささやき 大地の呼び声
小鳥のさえずり 時計の秒針
小川のせせらぎ 花たちの息吹
あとは 私の鼓動 それが生きてる印
◆ 新たな始まりプレリュード 97/10/23制作
瞬く間に消えてゆく
あんなに数多く 輝いてた宝石が
失われた綺麗たち
再び輝いて 取り戻そう微笑みを
さっきの「バイバイ」は 違う意味だよね
他人が聞けば きっと
単なる 笑い話で 終わるのでしょう
それでも私 今日は
寝るまで 抱いた枕を 濡らすと思う
そしていつもの朝を迎えられたら
こんな時は音楽も
映画も役立たず どうしたって淋しい
どれくらいの年月で
最初の思い出は 加工品になったっけ?
季節の変わり目は 風も冷たいね
散りゆく木の葉 ずっと
眺める そんな余裕が でてきて欲しい
家路に急ぐ 独り
二人で いつも並んで 歩いた歩道(みち)を
今も心の中で手をつないでる
◆ 未熟以上成熟未満 98/03/07制作
夢うつつの 頭振って
昨日見た悪夢をやっつけてやる
リンゴ一つ かじりながら
新聞を斜めに飛ばし読みする
いつもの光景に 舞いこむ風 違う香り
変化なき日常を 苦しむ人は
私から言わせれば 不幸せだよ
永遠の日常は 退屈だけど
磨いたら磨くほど キラリ煌く
今日の朝を 境にして
太陽の日差しが変わったみたい
日記帳を 読み返すと
あまりにも暗くて笑ってしまう
カーテンの隙間から 掠める風 初めまして
悠久の日常を 手にするまでに
どれだけの困難が あったかわかる?
終わりなき日常に 帰ってきたら
失った感情を 取り戻せたよ
◆ 晴れのち雨のち曇りのち 98/05/28制作
目覚まし時計は 小鳥の小声
同じ時間に正確に
忘れないうちに ノートへ綴る
一夜限りのロードショー
天気がいいね
久しぶりにスケッチへ行こう
天気がいいね
出来るうちになんだってしよう
お昼をすまして 帰りの途中
それは突然やって来た
急かされるままに 家まで走る
服で下絵を守りつつ
ずい分降るね
お気に入りの小説を読もう
ずい分降るね
出来るうちになんだってしよう
ウトウトしてたら いつの間にやら
部屋は暗さで真っ黒け
うつろな瞳で 明かりをつける
窓に夕陽は映らない
どんよりするね
絵の空には青色を塗ろう
どんよりするね
出来るうちになんだってしよう
◆ 君の未来 98/12/10制作
エピローグを告げる 旋律が聞こえる
物語が滅びたあとの
広大な荒野に 咲きたての花
名も知れない過去から届く
メッセージ受け取り 潤う瞳
泣き方がわからず 悲しむことを
ためらったいくつもの夜
花びらに一粒 こぼれた雫
あの夜はもうすぐ明ける
ここがプロローグ
プロローグを告げる 旋律が聞こえる
自由を持つ鳥が飛ぶ朝
怖がりの小鳥は 私の仲間
新たな日へ羽ばたく勇気
もう少し下さい 「いいよ」と言って
頼りない背中を そっと押してよ
そうしたらちゃんと飛べそう
手をつなぐ仲間と 一緒になれる
朝露を雫に変えて
ここでエピローグ
◆ 幸せ、さがします 99/02/14制作
最近暗い話題が 多すぎて困るよ
傷つきやすい心を イジメて楽しいの?
なんとかしよう おせっかいでも
あたしがしよう できそうなこと
さがします 淋しがり屋の人のため
幸せを もちろん無料(タダ)で
さがします 悲観論者の君のため
幸せを 見つけてあげる
雨の降る日が続いて 毎日がゆううつ
お調子ものの天気は 助けてくれないの?
どうにかしよう がんばれるから
あたしがしよう ひとりぶたいで
さがします 暗い気持ちの人のため
幸せを 期待しててね
さがします 自殺志望の君のため
幸せを 見つけてあげる
さがします 淋しがり屋の人のため
幸せを もちろん無料で
さがします 悲観論者の君のため
幸せを 見つけてあげる
さがします もっと生きたい人のため
幸せを あたしのために
◆ なみだのきえたあと 99/08/27制作
光を浴び 水を湛え
それでも芽生える 勇気はまだない
オクビョウモノ ナンジャクモノ
心を突き刺す ナイフを抜けない
流れ星だけ望んで 眺めた夜には
幼い頃に感じた 優しさ もう消えている
何度も唱えた おまじない
今も時々頼りにして
涙は大事に とっておく
だっていつかは枯れるだろうから
枯れるだろうから
力をだし 殻を破り
密かに芽生えた 一粒の種は
希望を請い 愛を求め
成長してゆく 最後の時まで
仲間はずれに気づいた 瞬間壊れる
独りじめした幸せ あんなに もう遠い場所
いつでも笑える 人が好き
悲しむことは簡単でも
なるべく一緒に 微笑んで
そしてナイフの傷は癒される
傷は癒される
何度も唱えた おまじない
今も時々頼りにして
涙は大事に とっておく
だっていつかは枯れるだろうから
枯れるだろうから
◆ 夏は終わり冬は来ない 99/09/22制作
まだめくってない カレンダー
8月から眠ってるよ
お気に入りなんだ その写真
9月のにはかえたくない
いろいろあった 夏
まだまだ遠い 冬
同じ季節に いた昔の私に
教えられることたくさん
大切に 今をすごしてゆくよ きっと
同じ季節に 行く未来の私に
教えられることあるかな?
見飽きた模様の カーテンを
久しぶりに開けてみよう
そこにある景色 新鮮で
絵日記にもしたいくらい
成長できた 夏
そろそろ近い 冬
同じ季節に いた昔の私に
魅力的なこといっぱい
でも過去は 振り返らずにゆくよ ずっと
同じ季節に 行く未来の私に
うらやましいこと作ろう!
◆ ゆらり、ひらり…ふわり 00/01/10制作
鮮やかに彩られた 花びらたちが
そっと風が通る度 揺れる
あの空へ舞おうとは 誰とてしない
みな自分の身の程を わきまえていて
でもなんかそれって淋しくない?
この世で最も大切なはずの
自分を私は 生きてゆけるかな
そんなに自信は無さ気だけど
気のせいじゃないよ 見守っていてね
僅かな間 ゆらり 動いてる
寝過ごしてしまったの? 冬に遅れて
季節はずれした雪が 踊る
受け止めてくれる人 探しもいない
ただ地面に降りそそぎ 静かに消える
せめて優しさだけ置いておいて
時折ワガママ口にしちゃうのは
お茶目と思って 大目に許して
いざって時には心配無用
ちょっとがんばって 背伸びした分で
瞬く間 ひらり 浮かべるの
世界にあふれてる悲しみより
この世で最も大切なはずの
自分を私は 生きてゆくでしょう
独りで全てを受け入れられる
たくさんの弱音 きっと言うけれど
そして今…ふわり 舞いだした
◆ 天使のように 02/05/14制作
少し遅れて羽ばたく翼
今日に限って空 私よりも綺麗
真新しい香り 似合う街
柔らかな花びら 風の渦
ときおり髪の先 触れる舞い
頬に移るほのか 桜色
人に言えない傷ついた朝
記憶通りの路 逃げてゆく早足
少し遅れて羽ばたく翼
今日に限って空 私よりも綺麗
重すぎた足枷 消えた靴
ご褒美に買い替え スニーカー
貸し切り思い込み お店たち
胸に灯るステキ 女の子
誰も知らない裏切りの中
初めて使う鍵 光もれる扉
少し遅れて羽ばたく翼
今日に限って空 私よりも綺麗
◆ 窓に映る朝 02/11/19制作
昨日を残すほのかな香り
ふっと揺れて 鳴らすウィンドチャイム
響きを受けて目覚めた朝は
夜の終わり 耳打ちしてくれる
薄れゆく夢の景色の中
なごり惜しそうにお別れする
それが 平均的なリズム
いつも起きるのはお昼だから
嫌われたのかと心配した
今朝は お出迎えありがとう
ふわりと浮かぶ柔らかな音
奏でるのは 真新しいメロディ
指揮者のいない目覚めの曲は
寝起き悪い 私を待っている
朝露枝垂れる窓ガラスに
ゆっくり優しい吐息かける
早く 暖めてあげたくて
ベッドの恋しい季節だけど
冷たい空気も心にいい
今日は 素敵な日に出来そう
今朝も お出迎えありがとう
◆ ココアプリン 03/01/10制作 ⇒Postface
チラリ見えた 甘い香りの雰囲気に
ゆらり揺れた そこはかとない臆病さ
恋の飲み心地なんだろうけど
思ってたよりもほろ苦いなぁ…
この舌触り あえて例えてみるのなら
お砂糖なしのココアのプリン
背伸びせずとも ちゃんと大人になれたのに
治らないのはお子様味覚
治せないのは強がりなとこ
ほろり泣いた 痛い最後のお別れに
ばさり切った 髪は切ないボーイッシュ
嫌われた理由わかんないけど
いつまで経ってもほろ苦いなぁ…
いびつな形 レシピ間違いしたみたい
出来そこないのココアのプリン
頑張らずとも 妙に自信はあったのに
上手くなりたいお料理の腕
上手くだしたい素直な気持ち
この舌触り あえて例えてみるのなら
お砂糖なしのココアのプリン
背伸びせずとも ちゃんと大人になれたのに
治したいのはお子様味覚
治したいのは強がりなとこ
◆ 潤いの雨のキス 03/03/15制作 ⇒Diary
肌を痛める 乾いた空気を
たしなめてくれる 待ち望んだしとしと雨
天気いい日が 嫌いな彼女は
いつも寂しげで 細く映る 瞳で微笑んでる
太陽に照らされる君には
本音では訝しかったけど
今の顔は 案外可愛いね
優しくキスを交わしたら
ほんの少しだけ 口に血の味が残った
これだけ雨が降るのなら
きっと潤うね そのカサカサの唇も
逆さに吊った てるてる坊主が
呼んでくれたのか 久しぶりの篠突く雨
天気悪いと 喜ぶ彼女は
慈しむように 雨の行方 瞳で見届けてる
淑やかな存在の君には
不釣り合いどこか感じたけど
どうやら僕 気にせずいいみたい
激しいキスを求めても
嫌がらないのは 綺麗な唇の証拠
たくさん雨が降ったから
潤してくれた 君と僕の関係まで
◆ スイートグレープな日常 03/04/03制作
「房の先っちょが甘いと全部甘いんだよ」
昨日知ったばかりの知識を
さも常識のように 語り出すアンタ
もしかして人間もそうかな
ものは試しとウチは 親指くわえる
あぁ何か「莫迦?」とか言われそうな
冷たい視線を感じる
そしたらアンタ意外に微笑み
「甘かった?」なんて訊いてくれた
優しいね優しいね さすがは友達だね
「指の先っちょが細いと全部細いねんて」
今作ったばかりの言葉に
「ホント?」なんて顔する 単純なアンタ
ホントもホントめちゃめちゃホント
どうせ嘘なんだから 適当でいいや
「あぁダメだ指太いんだアタシ」
いやまぁ見たまんまやんか
第一アンタ痩せぎみなんだし
「ピアノ弾いてたら仕方ないよ」
慰めてやんないと 一応友達だし
「細い指すごい憧れるなぁ」
「ウチの指分けたげたいわ」
「ちょっと人生変わりそうだもん」
「今以上悪くはならへんな」
こんな風にウチらは 莫迦やってくんだろう
こんな風にウチらは 莫迦やってくんだろう
◆ よしなに、はるのこころ 03/06/03制作
微かな喜びハミングに
人目はばからず舞う 花びらの散りゆく渦の中
期待に温もる浮わつきは
嫌々な小雨さえ 祝福のシャワーに暖める
いくつになっても 初めては慣れない
ほてる頬を はにかみでごまかして
さぁあとちょっと
はにかめばはにかむほどに ほてるのは頬
街中ハッピー巻き散らし
周り気にせずに酔う 幸せの予感と実感に
朝から止まないソワソワは
短い歩幅までも そそくさと急かせて歩かせる
待ち合わせ場所は 早すぎに到着
逃げたいけど 頑張らずガンバるよ
さぁあとちょっと
等身大のかわいさを どうぞよしなに
いくつになっても 初めては慣れない
ほてる頬を はにかみでごまかして
さぁ…あと…ちょっと
はにかめばはにかむほどに ほてるのは頬
「どうぞ よしなに♪」
◆ オーデコロン 03/07/04制作 ⇒Diary
辺りに散らばる くすぐったそうな笑顔は
何をそんな照れてるの?
教えてくれても 良さそうなものなんだけど
「ゴクヒジコウ」なんだそう
気にするほどでも なんて
外野が言うまでもなく
素敵な人はよく知っている
全てのものに 優しくなりたくても
まずは自分を愛さないと
何も愛しく なりはしないってこと
風にも重たい 前髪の奥にあるのは
かけがえないチャームポイント
気づかされてから 隠さなくなったおでこは
心だって軽くしちゃうね
明るくなったね なんて
鏡を見るまでもなく
今の彼女はよく知ってる
憎いばかりの コンプレックスたちも
まずは自分が愛さないと
誰も愛して くれはしないってこと
◆ 半袖景色 03/07/31制作
今年もやって来た 肌を刺すツンツンの日差し
か弱い白に日焼けをプレゼントしに
保守派の私とは 仲良しになれるはずもない
この夏中は部屋から出てやるもんか
やんわりまぶした小麦色が
素肌に水着のあとを着せる
魅力的なのは 知ってるけれど
後悔ばかりの夏を 過ごす者にとって
それは脱ぎ忘れた服のようなもので
痛めつけられた過去を 懐かしまないため
あの時の景色は押し入れにしまおう
少しの容赦なく 肌はもうヒリヒリの日差し
注意してても内気は灼きつくされる
奥手な私とて こんなにも誘われるから
あの夏空が恋しくなりかけている
木陰に密かな涼しい風
ボトムの裾から纏いたくて
たまにはいいかな 外に出るのも
こそばい記憶の夏に 笑顔取り残して
嫌な経験だけ育むの止めよう
無視し続けた日差しと ヨリ戻せるのなら
少しくらい肌をあらわにしてもいい
箱入り娘の肌が ほのかに帯びてゆく
後悔の数にもくじけない強さを
脱ぐの忘れた水着は さすがに無理だけど
まずは半袖から始めてみようかな
◆ 遅生まれに追いつこう 04/01/06制作
いつも2人して 街に溶け込んでるよね
笑う時は一緒で 好きなものも一緒で 今も一緒
なのにおかしいよ ママとはぐれた人混み
置いていかれるような 怖さを感じてるの どうしてかな…
あなた + 3キロ = わたし になったのが
うらやましいのは ホントだよ でも
前の方が可愛かったよ なんて言ったのは
やっかみ半分だけれど もう半分は本音だよ
女の子の"子"でいる部分を あなただけ先に
卒業しちゃわないかって そんな不安に気づいてる しゅみの変わり目は まずは愛読誌みたい
立ち読みする彼女を お隣りからチラチラ 盗み見たら
そこにあった本 なぜかハイティーン向けで
ついこの間までは おんなじマンガ雑誌 読んでたのに
あなた − 2センチ = わたし になったのが
悔しくないわけ ないってば うん
「どうかしたの機嫌良くないの?」 なんて言われると
余計にこのれっとう感 そわそわなってさわがしい
「そっか今日はおごってあげるよ」 わたしスネてると
察して気づかってくれる そんなところも大人びて あなた − 1歳 = わたし で生まれたの
うれしくなる日は 来るのかな ねぇ?
前の方が可愛かったよ なんて言った時
少しも怒ろうともせず ただほほ笑んでくれたっけ
女の子の"子"でいる時間は わたし独りして
卒業するの遠いけど いつかあなたに追いつくね
◆ くちどけチョコレイト 04/02/02制作 ⇒Postface ⇒Diary
傷つきやすい女の子が 待ち焦がれてた季節には
儚い存在を曖昧にする魔法がある
いじめ上手な熱さにだと とろけてしまうか弱さを
不思議な方法で守ってくれる冬の空気
だから 寒さに乗じて 今なら溶けずに
あの人の唇 触れることも出来るでしょう
だけど 板チョコは禁止 食べられる時に
乱暴に噛まれて 痛い思いしそうだから
かけらひとつのチョコレートが ごく柔らかな甘みすら
お口のいっぱいに広げる力秘めるように
小さな胸で大事にして 紡いでいった想いには
どんなに遠くても伝える力あるんだって
だから 寒さと一緒の 今なら溶けずに
あの人の心に お届けもの届くでしょう
きっと ひとくちサイズの 可愛いチョコなら
歯も立てられないで そっと食べてもらえるはず
そして お口のいっぱい くちどけした時
嬉しげな季節に ありがとうを言ってあげて
◆ ミルク・オ・レ 04/09/10制作 ⇒Diary
記念すべき 初めての擦れ違いとなった本日
感傷的にも程がある 自分に自分で嫌気を差す
鏡の中 泣きすぎて赤く腫れた瞼と小鼻
痛々しさをも通り越し くすくす可笑しい顔してたり
毎日の決まり 眠る前に飲む ホットミルク
火加減に失敗して沸騰!
差し水代わりに 混ぜてあげたのは アイスミルク
出来上がり牛乳入り牛乳
あえて名付ければ 特製ミルク・オ・レ
どうしたって 昔から熱いものが苦手とは言え
この生まれつきの猫舌を 侮ることなくいて下さい
こう見えても 何だってやれば出来る子なんですから
せめて今までの振る舞いを 謝る気持ちを受け取って
ホットのミルクと アイスのミルクが 混ざり合って
ちょうど良い温度になるみたいに
ホットな私と アイスな貴方が 通じ合って
温度差がなくなったらいいのに
上手くいかないね 二人のミルク・オ・レ
◆ 心街(こころまち) 04/11/09制作 ⇒Diary
もしもそこに佇む 不安げな君の顔が
誰かとはぐれてしまったせいなら 安心していいよ
この街では必ず 守られる決まりがある
捜してる者と捜される者は 巡り会わされると
あの迷子してるおチビさんが
淋しさに負けて 泣き出してしまう前に
あの待ちぼうけの女の子が
時間を気にして 立ち去ってしまう前に
見つけてくれる人 絶対に来ると確信してる
そんな素敵な光景を ここでずっと見てるから
多分そこでうつむく 悲しげな君の顔は
待ち合わせの約束破られたね でも大丈夫だよ
この街には不思議な 人知れぬ魔法がある
待たせてる者と待っている者を 結び合わすような
あの大慌てなお母さんが
我が子の名前を 必死で呼ぶより先に
あの急ぎ足の男の子が
遅刻の言い訳 思いつけるより先に
見つけて欲しい人 向こうの方から訪れるはず
何度も同じ幸せが 繰り返して生まれてる
そしてここに独りで ため息の私がいる
今日もまた見つけてくれなかったね とっくに慣れたけど
この街には私を 待つ人がかつていたの
今でもまだ捜してくれていると 信じて待っている
◆ ♂rib◇◇bon♀ 05/03/27制作 ⇒Diary
開け放しの窓から 日差しを浴びた風が
誰にも気に留められないよう こっそり舞い込む度
睫毛に伸びる髪を 贈り物に見立てて
結びつけた君のリボンから 奥ゆかしさが揺れる
それは咲きたての花が
ほのかな甘みを 香らせるごとくに
ボクの憧れるのは 強さより 格好良さより
胸をきゅっとさせるような くすぐったい可愛さ
たった1つだけでも ワガママが 許されるのなら
ボクは君みたいな 女の子になりたい
閉め切った教室に ゆううつ招く雨が
皆から気を留められたくって リズムを奏でる度
聞き分けのない髪の 癖っけ宥めようと
きつく結った君のリボンさえ しどけなくうなだれる
いつも元気してる分
たまの物憂いは ちょっと痛々しい
ボクが女の子には どうしても なれっこないなら
せめて鏡の中 憧れ叶えてみる
自分で言っちゃうのも 莫迦だけど きっと似合うから
ボクは君みたいな リボンをつけてみたい
男の子と女の子
良いとこ取りして 繋ぎ止めるリボン
ボクの憧れるのは 強さより 格好良さより
胸をきゅっとさせるような くすぐったい可愛さ
たった1つだけでも ワガママが 許されるのなら
ボクは君みたいな 女の子になりたい
ボクの細い指先 忙しなく 髪と戯れ
仕上げられつつある 憧れのシルエット
不器用で拙くて 下手っぴな 結い方だけれど
ボクは君みたいな 女の子になってる…はず
◆ 末っ子季節 06/11/08制作
招かざる客が到来した街を
なるべく目立たないよう 走り去りゆく
素顔を突き刺す冷気に参るけど
家族一の暑がりは 負けたりしない
噂によると 貴方は傷付き易いと言う
それを肯定させられる 心当たり少なからずです
だからお互い 余計な詮索なんてせずに
最低限の優しさで 肌と肌を触れ合わせましょう
寒さの重みで傾斜増した坂を
変化に気付かぬ振りで 駆け抜けてゆく
部活で鍛えた逞しい太股
惜しげ無く披露出来る 絶好の時
想像するに 貴方は甘やかされ過ぎてる
他人(ひと)に厳しいその姿勢 いい加減に反省しなさい
だから今日から 色々試してあげるつもり
精いっぱいの悪巧み 自分なりに考えてきたの
咽はカラカラで呼吸も苦しくて
オーバーワークに体 火照りだす頃
おでこやお下げを不意に撫でた小雪
意地っ張りの貴方にも いいとこあるね
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