| 殻 〜ピーターパンにはなりきれない 96/05/15制作
風のように 水のように
ただ 流れる 透明の私
ただ 流されるだけ
静かに 優しさ 満ちている
殻の中で
密かに 瞼を 閉じている
いつまでも…
子どものままで いたいのに
夢みたいに 影みたいに
今 消えゆく かりそめの私
今 消えてゆくのみ
さざ波 押し寄せ 割れている
殻の中で
微笑み 忘れて 泣いている
悲しいね…
大人の色に 染まるのは
自分の笑顔 取り戻す
きっと いつかは…
◆ オレンジの香りに包まれて 96/07/14制作
寂しいのは 私一人だけなの?
泣きたいのを 必死でガマンしてるのに
天からこぼれる 悲しみの雫
傘を片手に歩く街は セピア色
無音の世界を 知らぬ間に招いて
後悔してる君の姿は
もうすぐ消えてしまう ただの幻ね
優しいのは あなた一人だけなの?
けれど私 どうすることもできないの
雪の舞う夜は 誰だって孤独
鏡見るたびため息する 二人とも
風から伝わる 悪魔の笑い声
耳を閉じても聞こえてしまい
もうすぐささやかれる 甘い誘惑を
もうすぐ時が満ちて 私招かれない
寂しいのは 私一人だけなの?
泣きたいのを 必死でガマンしてるのに
苦しいのよ 私一人だけでは
包まれたい 幼いオレンジの香り
包まれたい 幼いオレンジの香りに…
◆ 如月 97/02/16制作
「もうすぐ春よ」 呪文のようにつぶやく
四つの季節は一巡り
終わりは始まりの糸口
街路の隅で 裸のままで泣いてる
誰とて知らない桜の木
それこそ偽りの真実
哀れに思って スケッチしてあげた
一枚残った 最後のページに
引きだしの奥 書くのをやめた日記と
一緒に眠ったはずの過去
切ない思い出の結晶
心の傷口 魔法で治せたら
弱虫だろうと 生きてゆけるのに
「もうすぐ春よ」 呪文のようにつぶやく
四つの季節は一巡り
終わりは始まりの糸口
◆ PESSIMIST 97/08/01制作
神様は人がいいらしい
なにかの本で読んだことある
運命の糸を編めたなら
片手に持って逢いにいきたい
わりと恐くないです 終わりは
聞いていてくれますか 理由を
これで決まってません 全部は
今に誕生します ここから
妖精はお人よしだって
誰かの本で読んだことある
私にも羽が生えたなら
最後のダンス見せてあげたい
ほんの軽いものでしょ 命は
からかいがいあります あなたも
驚かせて覚まして 眠りを
ほっといて下さい そんなの
◆ The doll's clothes 98/01/09制作
昔から 「だって」が 口ぐせだった
聞かれないようポソリ
愛の芽 育てば 嬉しいけれど
水をあげないあなた
倒錯の 世界で 眠りすぎたから
長く大きくあくび
雨の日に こぼれた 水色の粒
それはあたしのナミダ
あーあ ため息ばっかりね
愛の花が咲くには まだ寒すぎる
あーあ 空は曇りがいい
手造りの 箱庭 そこが泣き場所
気づかれぬようコソリ
嘘つきと レッテル 貼られた時に
黙りこくったあの日
背中向け 飾った 人形さんの
役に立たないヒトミ
窓を開け 朝日を 迎えるたびに
密かに破るページ
あーあ ここにはいたくない
花の種を蒔くには まだつらすぎる
あーあ 別のあたしがいる
◆ ちっぽけでいること 98/03/16制作
夢でいた草原で 摘みとった花の色
目の覚める瞬間に なくして ゴメンね
ゆっくりと歩みよる 悲しみが見えた時
運命に立ち向かう 勇気を 分けてよ
死にたいくらい恥ずかしい
弱さを知ってから 無力でいることが
お別れをする前に 助けて 下さい
涙目の奥底に 同じもの映す人
一人でもいるのなら 名前を呼ばせて
散らかった部屋の隅 現実を拒否したら
今よりも淋しさを 重たく 感じる
生まれかわりがあるのなら
私をもう二度と 私にさせないで
ちっぽけな存在を 許して 下さい
死にたいくらい恥ずかしい
弱さを知ってから 無力でいることが
お別れをする前に 助けて 下さい
ちっぽけな存在を 許して 下さい
◆ やさしさは罪 98/07/20制作
あなたは 私を 殺せないけど
私は あなたを 殺せるはずよ
あなたは 私を 殺したいけど
私は あなたを 殺したくない
お出掛けの時は 上下とも赤で
好きでもない そんな色に ワザとしよう
あなたは 私を 殺せないけど…
日記書く時に 持つペンは赤で
気の狂った そんな奴と 思われたい
私は あなたを 殺せるはずよ…!
お休みの時も ネグリジェが赤で
悪魔になる そんな夢の 続きがいい
あなたは 私を 殺したいけど…
夢にいる時の 手の平は赤で
指に触れた そんな傷が いとおしくて
私は あなたを 殺したくない…!
あなたは 私を 殺せないけど…
私は あなたを 殺せるはずよ…!
あなたは 私を 殺したいけど…
私は あなたを 殺したくない…!
私は あなたを 殺したくない……
殺したくない……
◆ 疼く季節 98/10/15制作
日差しと空気の調和がとれた日
白のワンピース着たよ
いつもの場所まで走らす自転車
古い鉄橋が見える
あの上から 傘をさして 飛び降りたら
もしかしたら 飛べるのかな なんて……思うよ
私は帰らない
私は帰らない
ゴメンナサイ 一応謝っておきます
冷たく乾いた平たいくちびる
爪でゆっくりとなぞる
落ち葉が視線を遮るカーテン
ここにいつだっていたよ
演じていた はにかみ屋の 笑顔の奥
不器用にも 隠した傷 痛い……どうして?
私は帰らない
私は帰らない
白を赤に 染めたい気持ちをわかって
私は帰れない
私は帰れない
◆ 萌芽〜か弱くていい 98/11/05制作
たくさんの芸術家たち
表した愛や思い出
もうそろそろ 燃やしてもいよね
弱いけど…努力はしたよ
弱いけど…でもこれで精一杯
もうすぐ虹の端に 深い谷ができる
逃げ道をなくしてしまうために
イタズラなめぐり合わせは
神様が仕組んだ余興
倒れるまで 踊らされるドレイ
弱いけど…あきらめてない
弱いけど…抵抗はさせてもらう
遥かな向こう岸に ユートピアを見たと
自分から飛び込む愚か者
弱いけど…努力はしたよ
弱いけど…でもこれで精一杯
◆ もうすぐ夜になる 99/05/07制作
落としものを 探しています
大事にしてた宝物
なくしてから ずっとずっと
歩いた道をたどっている
もうみんな 探したはずなのに
手がかりも 見つかってくれない
どうしたらいいんだろう
怒られるのが怖い
ハミングした 唄の音色
うっすら残る帰り道
嘲笑いに 聞こえるのは
被害妄想じゃなさそう
誰のせい? こんなに苦しいのは
淋しさは 希望まで凍らす
大声で泣いたのは
いつぶりのことだろう
◆ カーテンコール 99/06/21制作
もうすぐ 地球は 滅亡するの
理由までは知らない
知る必要ないもの
祈っても 無意味なんだって
願っても 手遅れらしくて
だからみんな 冷静に
レクイエム 選んでおこうよ
気だるい 空気が張り詰めている
押し潰されちゃいそう
そういうのもいいかな
約束は ちゃんと叶えてね
指切りを したの覚えてる
お礼なんて いらないか
決まりごと 早めてみただけ
もうすぐ 地球は 滅亡するの
理由くらいは知ってる
教えるのはでも嫌
◆ ミンナキライダ 99/08/09制作
まずは 雲が消えた
次は 星が逃げた
そして 月が死んだ
迷子になったら 助からないよ
だって夜空に明かりない
ロマンチックには ほど遠いでしょ
だって夜空に明かりない
まずは 音が消えた
次は 色が逃げた
そして 夢が死んだ
淋しくなっても 眠っては駄目
だって世界に何もない
なくしものなんて 探しても無駄
だって世界に何もない
まずは キミが消えた
次は ボクが逃げた
そして 人が死んだ
◆ 好きなだけ独りっきり 99/11/19制作
夕暮れ時 独りっきり
風に抱かれた湖で
揺れるまつげ 霞むほとり
前髪だけが動かない
流しそこねた 涙の溜まる場所
向こう岸に 渡るボート
沈まないなら乗ろうかな
待ちぼうけは よくあること
淋しいのには慣れちゃった
独りっきりが 楽しい訳じゃない
◆ 敬虔なジュブナイル 02/06/14制作
神様なんて信じないよ
信じてほしくば 私に従いなさいな
聞かせたげない理由なんて
あなたの気持ちを 重たく暗くしちゃうから
倒れたままのぬいぐるみ
ヒビ割れ入る窓ガラス
これ以上 酷くなんなきゃいいな
これでもう 笑わなくていいな
神様なんて信じないよ
信じてほしくば 姿を現しなさいな
うたぐり深い性格だと
この世の全てが 仇に思えてくるから
行方不明のペンダント
刻みを止める腕時計
明日には なんとかなればいいな
明日こそ 弱音吐いてもいいな
「神様助けて…!」
◆ 好き嫌い言っちゃ 02/07/16制作
使い飽きてきた甘いMelody
けれどまだ 捨てるのも惜しい気する
くるくると巡る主旋律が
リフレイン 終わるのを怖がってる
ルルル...♪ 怯えて震えて
ご機嫌うかがい
ルルル...♪ 何だか似ている
あの娘が怖くて
優しくしていた頃の僕に
響き飽きてきた幸せDays
楽々と 手に入るはずだったね
さらさら流れる年月日に
エンドレス 嫌がって出口探し
ナナナ...♪ ほったかされて
どこから間違い
ナナナ...♪ 迷子になる時
なくしてしまった
小さな背中の道案内
◆ 昨日私が死んだ夏 02/09/30制作 ⇒Postface
最後にあなたの 泣く顔見たくって
最期の私は 瞳を傷つけた
酷い過ち許す夏に
お迎え来なくて なくした帰り道
背中に夕焼け たまなら好きだった
いつも一緒の悲しみより
大事な人には 上手に嘘つける
何ともないんだ 心配いらないよ
そして無邪気に作り笑い
優しい振りして ホントは冷めた目の
あなたを嫌いに なるのは難しい
そんな本気で怒らないで
最後にあなたの 泣く顔見たくって
最期の私は 瞳を傷つけた
昨日私が死んだ夏に
◆ 指のくちどけ 02/11/01制作
私の心は移り気模様
ころころ変わる 好みのくちどけ
今は中指が美味しそう
消えないで 消えないで
口の中を淋しくなんてさせないで
溶けないで 溶けないで
不幸すぎて忘れかけてたほろ苦さ
私の心は移り気模様
決められないの 好みのくちどけ
今は小指を愛している
消えないで 消えないで
過去の人を恋しくなんてさせないで
溶けないで 溶けないで
胸の内に置き去りにした酸い甘さ
私の心は移り気模様
冬期限定 好みのくちどけ
今は薬指にぞっこん
消えないで 消えないで
憤りを激しくなんてさせないで
溶けないで 溶けないで
笑顔だったあの頃のとは違う味
◆ わたしのことを好きになって 03/06/23制作 ⇒Diary
ママとパパがいるのだから きっとわたし
いない人よりずっと しあわせなんだね
でもね2人も3人も いらないんだ
1人ずつでいいのに これってワガママ?
れいとうしょくひんとか コンビニのおべんとうが
おいしくないワケじゃないけど
時にはわたしのため あいじょうをこめてくれた
ママの味が食べてみたいな
わたしがじぶんから あまえて言ってみると
ママは決まってフキゲンになる
ごはんぬきにしたり 家からおい出したり
たからわたしは何も言わない
ずっとだまって いい子にして たまにかなしむ
ママとパパはいるのだけど いつもわたし
へやにとじこめられて ひとりぼっちなの
でもねそうしてられるのは おちつくんだ
ママとパパのケンカを 見なくていいから
わたしはいい子だから へやでべんきょうするのが
きらいなんてワケはないけど
時にはわたしのこと しんぱいになってくれる
パパがここにいてくれたらな
わたしが泣きながら そんなおねがいすると
パパもおこっておそろしくなる
いたいことをしたり 大声でどなったり
だからわたしは泣いたりしない
ベッドの上で ねたふりして 心はころす
ある日テレビを見ていると
「ジドウギャクタイ」のニュースをしてた
そこに見つけた女の子
なんだかわたしにそっくりだった
1番さいしょのママ しゃしんの中でほほえむ
ママのかおはとってもキレイ
1番さいしょのパパ しゃしんの中でかわらず
パパのかおはすごくやさしい
わたしのたからもの みんなすてられたけど
このしゃしんだけのこってくれた
今もママとパパは 天国にいるのかな
わたしもうすぐそっちに行くから
ケンカしないで なかよくして わたしをまって
◆ しずくの雫 03/12/20制作
かけがえのない 煌き秘めたしずく
いつまでも 泣いてばかりの
私のためだけに 流してくれたと信じてた
だけど貴方は 他にも何人にも
同じ色 同じ形の
粗悪な優しさを こっそり注いでいたんだね
きっと 許さないだろう
きっと 許さないだろう
例えこの感情が 我侭だとしたって
私が私として いられる証だから
初めて抱く 憎しみ帯びた瞳
誰にでも 優しくなれる
貴方のことだから 気づいてくれると賭けていた
そんな私を 見透かされないように
同じ顔 同じ視線で
心を誤魔化して 嘘つく準備を整える
多分 出来っこないでしょ
多分 出来っこないでしょ
まさかこの感情を 見て見ぬ振りだなんて
貴方が貴方のまま ここへと来ていたなら
かけがえのない 煌き秘めたしずく
いつまでも 泣いてばかりの
私のためだけに 流してくれたと信じて、る
ずっと 許せないけれど
ずっと 許せないけれど
すでにこの感情を 許していた貴方の
しずくが雫として 私に降り注いだ
◆ angel's tip 04/02/23制作 ⇒Diary
甘いものは苦手なのに
他人の不幸が 蜜の味なの知ってしまって
生え揃ったばかりの歯を
溶かされないよう 唇噤むことを覚えた
私の 孤独の高貴さを
誰が犯せると言うのだろう
死すらも 泣かせる悲しみに
立ち向かう者はいちゃいけない
操れない感情とは
別れの言葉も いらないくらい仲が悪くて
感じやすく弱い心
大嫌いなのに そんな自分が愛おしくなる
私に 触れたりなんかして
最期の後悔させてあげる
時まで 止めさす美しさ
壊してしまうの怖くない?
私の 孤独の高貴さを
誰が犯せると言うのだろう
私に 触れたりなんかして
最期の後悔させてあげる
◆ かしこ 06/06/16制作
誰も気に止めない 世界のスミっこで
大人しく慎ましく 生きてゆこうと決めたのです
いつも皆さんから 怒られてばかりで
迷惑掛けているの 申し訳なく思いました
もう二度と お目汚しせずにいられます
どうかお許しを 頂けますでしょうか
ともすれば 淋しいことなのかもしれません
でもこれできっと 良かったはずなんです
空のお日様さえ 照らし忘れたまま
もう何百年間 全てを拒絶した空間
何が訪れても 追い返しているのに
こっそりと私だけ 匿っているのはどうして?
思いきり 似合わないお洒落してみても
咎められないし 笑われたりもしない
瞳がね 悲しくないのに潤んでる
こんな優しさは 生まれて初めてだよ
目に見えない傷の 手当てさえ終えたら
遠くないいつの日か こことお別れ出来るだろう
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