■バーニングレンジャー
 ・ジャンル:アクション ・メーカー:セガ ⇒レビュー
 
 ソニックチームが意欲的に開発した災害救助ゲームは、操作性と視点に癖があり過ぎて一般向きとは言えない仕上がりになってしまいました。やり込み要素のコンプリートに途方も無い手間が掛かるのに、プレイ時間の半分弱を奪う演出が一切飛ばせないのも困りもので、挑戦には覚悟が必要でしょう。
 最後に『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』との意外な接点を追加しました。
 
 
●レスキューリスト
 
 メールの総数は183通と公開されているものの、誰から何通届くのかが不明ではプレイすべきミッションの見当が付きません。そこで用意したのがレスキューリストとメール数の対応表で、紫色のセルは特別要救助者を意味します。一生懸命努力して全108人を救助すればイリアからのメッセージが届いて少しは報われるとは言え、死に物狂いでメールを全部集めてもご褒美は無しです。
 
-First Mission- 3rd Energy Plant
PAGE 1 20通 PAGE 2 19通 PAGE 3 20通
-Second Mission- Aqua Spool Incorao
PAGE 4 25通 PAGE 5 16通 PAGE 6 24通
-Third Mission- Abandoned Colony
PAGE 7 20通 PAGE 8 20通 PAGE 9 19通
 
 
●特別要救助者パスワード
 
 全19人の特別要救助者が登場するジェネレートのパスワードで、末尾の記号は同種を示します。
 
-First Mission-・見吉隆夫DEZCJOB5RB
・岡野聡AVNOLPE5WG
・森屋英明B3L1H5B5TT
-Second Mission-・東真一ETY5PZY2BM
・渡邊泰弘C2WGPEALF5
・熊谷文恵AOT1JBELDA★
・綿貫透AGKWO6B2CC
・永道泰彦BYCOHWN2CT
・エリオットAOT1JBELDA★
・クラリスAOT1JBELDA★
-Third Mission-・土橋朋教EABCPXEVEF◆
・節政暁生ESN5HWAVBM
・瀬津丸勝BESON6KFDH
・幡谷尚史BLFWPGJFTP
・清水馨世CKUGJRMFH5
・松本卓也EABCPXEVEF◆
・大島直人DEASLUZFTX■
・中裕司DEASLUZFTX■
・柴田亜美EABCPXEVEF◆

 
●その他
 
・2通目以降のメール
 特別要救助者からのメールに関して、公式ガイドブックや攻略記事に「2通目以降は配信されにくい」「2通目以降は後半や終盤でしか配信されない」との記載があります。実体験でもレスキューリストの完成後ですら、パスワードで特別要救助者から2通目以降のメールを配信させようとした際に、連続で無視されてしまいました。この傾向が要救助者にも当てはまるのかは不明です。
 
・アナログよりデジタル
 個人的にはアナログよりもデジタルの方が、誤操作が少なくなりました。通常時はもちろん、直進的な入力を要求されるミッション3と4で効果大です。
 
・クラリスとエリオット
 『ナイツ』『クリスマスナイツ』のセーブデータが無くても、レスキューリストに登録されていれば再登場します。セーブデータを削除してこの2人分を別の要救助者に割り振る、なんて技が使えれば助かったのに。
 
・チャージショット
 ジャンプ中にショットボタンを押し続ければ、通常よりも格段に早くチャージされます。ボス戦全般で利用価値が高いです。
 
・タイムラグ
 転送で消費されるクリスタルは救助シーンに移行した瞬間に判定される為、クリスタルが10個未満でコンテニューを増やしたい時には、クリスタル獲得のタイムラグ中に要救助者と接触しないように注意。
 
・嘘つきクリス
 「近くに生命反応!」「生命反応が近くにあるわ!」と言われても、その部屋に要救助者がいるかどうかはジェネレートによりけり。惑わされないようにしましょう。
 
・柴田亜美先生描き下ろし
 レスキューリストの松本卓也さん・大島直人さん・中裕司さんの顔イラストは、そうらしいです。
 
 
●ソニックとの接点
 
 以下の物語は、メガドライブFAN1991年9月号の別冊付録『ソニック・ザ・ヘッジホッグ ストーリーコミック Vol.3』より転載したもので、リアルタイムのセガユーザーでも後半はご存じ無い人が多いのでは。この設定に開発者がインタビューで触れた記憶はありませんが、ほんの少し『バーニングレンジャー』を思わす描写です。
 
ソニック・ザ・ヘッジホッグ ストーリー外伝
 
 伝説の始まり
 
 人は2本足歩行を始めた時から、空と未知のスピードへの憧れを持ち始めたと言う。
 
 1947年アメリカの空軍には2人のエースパイロットがいた。1人は史実に残る最初に音速の壁を超えた男、チャック・イエガー。そしてもう1人の男は、ヘンリー・ゴードン。彼はその研ぎ澄まされたテクニックからヘッジホッグ(ハリネズミ)と呼ばれていた。
 ヘンリーはそのあだ名から、フライトジャケットにハリネズミのエンブレムを付けており、それは彼のトレードマークとなっていた。
 ある日、司令部に呼び出されたチャックとヘンリーは新型戦闘機のテストを命じられる。彼らの音速への挑戦が、いよいよ始まる。
 
 
 伝説となった男
 
 テスト飛行当日、チャックとヘンリーはお互いの健闘を祈り、フライトジャケットの交換を行った。お互いを認め合っている彼らならではのことだ。
 アリゾナの空を飛ぶ2機の新型ジェット戦闘機。まず1号機に乗るヘンリーから音速へのチャレンジは始まった。視界の狭まる中、無線による交信を続けるヘンリー。強烈なGを感じながらスロットルをしぼるヘンリー。地上の基地では1号機の速度測定が進む。ドーンという音とともに1号機はついに音速の壁を破った。歓声に湧きたつ地上基地。喜びに絶叫するヘンリー。しかしこの瞬間、ヘンリーの乗る1号機は無惨にも爆発。彼の機影は2度とレーダーには映らなかった。その約20分後、2号機に乗るチャックは音速の壁を無事破り、地上に降り立つ。
 
 史実に残ることになったのはチャックの方だった。賞賛の日々が続くチャックにとって、重いシコリは残った。家族にも真実が伝えられぬまま、歴史の陰に追いやられようとしているヘンリーに対し、チャックは申し訳なく思うのだった。
 チャックは決意する。ヘンリーのことを生涯忘れまいと。彼はヘンリーのフライトジャケットを着る。そして彼はそのジャケットを『ソニック・ザ・ヘッジホッグ(音速のヘンリー)』と名づける。
 
 
 新たなる伝説
 
 チャックの着るフライトジャケットを見て、ヘンリーをしのぶパイロットたちは次々と自分のジャケットに『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』のエンブレムをつけだす。不思議なことに何故かソニックのエンブレムをつけたパイロットに事故者が出ない。
 やがて、10年の月日が流れる。空軍パイロットにとって憧れのエンブレムとなる『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』。だがこの時、ヘンリーを記憶する者は少なく、ヘンリーのことを語る人間は誰もいなかった。
 ある日、チャックは『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』のついたフライトジャケットを片手に、ゴードン家を訪れる。そこには成人したヘンリーの娘メグがいた。現在フリーのカメラマンをしていると言う。
 メグにヘンリーとの思いでを語るチャック、別れ際にフライトジャケットをそっと渡すのであった。
 ソニックのフライトジャケットを着ると何故か落ち着くメグだった。彼女はジャケットを着ると父親に守られているような気持ちになるのだった。
 ある日、メグは航空ショーの取材で、郊外のとある飛行場に行った。勿論ソニックのジャケットを着て。事故はこの時、起こった。
 
 アクロバット飛行する2機が、空中でバランスを崩し、激突。2機のうち1機が記者席に真っ逆さま。逃げ遅れたメグの側に墜落、炎上する。炎に包まれるメグ、逃げようとあがくが、意識は遠のいて行く。
 そんな時、誰かがメグの頬を必死に叩くのだった。薄れ行く意識の中で見えたのはソニック・ザ・ヘッジホッグだった。ソニックはニッコリ微笑むと、メグに手招きする。「こっちだメグ。こっちだ」と。フラフラとソニックの方に歩くメグ。微笑みながら、勇気づけるように手招きするソニック。ソニックの笑顔は優しく魅力的だ。必死にソニックの方に歩くメグ。だがメグの意識はそこでなくなる。意識の消え際に、ソニックは人指し指をたて左右にふり、彼女に微笑んでいたようだ。そのしぐさは彼女の父親がよくするものだった。
 
 意識が戻った場所は病院のベッドだった。1週間眠り続けたらしい。ソニックのジャケットを探すメグだが、ハンガーにかかっている煤けたジャケットを見てホッとする。看護婦にジャケットをとってもらい、抱きしめる。しかしそこには、ソニックはいなかった。
 
 
 
 
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