■リンクル・リバー・ストーリー | |
・ジャンル:アクションRPG ・メーカー:セガ/ネクステック ⇒レビュー |
丁寧なグラフィックと豊富なキャラクターパターンが特徴の、スプライト系アクションRPG。個人的にお気に入りで、セガサターンが輝いていた1996年の春に誕生した割に、地味なまま埋もれてしまいました。のんびり遊んでも10時間以内に終わったり、色々な新しい試みが有名無実だったり、テキスト量が乏しかったりの中途半端な仕上がりと共に、同時期に『パンツァードラグーン ツヴァイ』『ドラゴンフォース』等の有力タイトルが登場した事情も一因でしょう。もし半年先に世に出ていたら、少しは日の目を見ていたのかも。 ●プレイヤー操作 ヒロインを務めるリス系獣人キッチュの、特徴的な操作。 ・ダッシュ 方向キーを入れながらCボタンを2回押せば、小さなおでこを全開にしてダッシュ。足元に石や花があると躓いて豪快な音と共に転び、痛がる様子を見せて少しの間だけ操作不能になりますが、前方にかなりの距離を飛んでくれるので移動のテンポは悪くありません。 ・ローリングアタック ダッシュ中にBボタンで連続前回り攻撃。微々たる威力だわ反撃も受けるわで、使い道が見付かりません。ぐるぐる回る姿を眺めて楽しむくらいでしょう。 ・シッポで防御 方向キーをくるっと回すとフサフサの尻尾が弧を描き、敵弾の一部を跳ね返せます。跳ね返すと同時に反撃にもなり、炎を放ってくる敵に有効です。 ●プチムク 真ん丸とした植物の胞子です。Bボタンを一定時間溜めてから離せば選択中の武器タイプに応じた特殊能力で攻撃し、自動でパールの回収も手伝ってくれます。
●魔法 中盤の必須イベントで指輪を受け取った後、敵に攻撃を命中させてゲージを最大まで溜めればAボタンで放てます。ストックは1回のみ。あって無いような存在です。
●説明書補足 説明書に未記載や理解しにくい部分の補足です。 ・セーブ セーブ方法は独特。通常のプレイフィールド上ではなく、エリア間を移動するワールドマップでスタートボタンを押せば呼び出せます。強制上書き方式で現状を保存しつつやり直すことは出来ませんから、ロードの前に複写しておくのが賢明です。 ・クイックセーブ 地面に描かれたエンブレムを通過すれば、その場がライフが尽きた際の再スタート位置に。お世話になる機会が滅多に訪れないとしても、もしもの時の為に。 ・赤リンゴ ライフを少し回復するアイテムで、序盤は生命線です。水辺の森ロンド・風のウズに通じる出口付近の木にて、パール50個の消費で入手可能。サルじいの台詞がヒントなのでしょうが、存在と入手方法に気付きにくい感はあります。 ・黄金リンゴ ライフを完全回復するアイテムで、これさえ携帯しておけばボス戦も怖くありません。クラウン村・中央奥の木にて、パール100個の消費で入手可能です。 ・ライフ上限増加 各所にある閉じたフラワーに接すれば、パール50個と引き換えにライフの上限が増加します。フラワーの場所は後述。最初は一体何が起きたのか、まるでわからないでしょう。 ●武器栽培システム 何が何やら複雑そうな名称ですが、既存のゲームのパーツが「武器の種=武器屋」「栽培=購入」「パール=お金」に置き換えられただけです。武器の種には地・水・火・風の4属性がレベル1〜4と、レベル4専用の闇・光の2属性があり、武器は7種類から自由に選択で、全126個。この内、エンディングまでに使用するのは10分の1以下でしょう。 春・夏・秋・冬の季節毎に1種類当たり1個の武器しか保管出来ない為、同じ土壌で同じ種類の違う属性を栽培すると、以前持っていた武器が消えてしまう点には注意。更に上位レベルの種で下位レベルの武器は栽培不可能と、全ての武器の名前をチェックするには大変な仕様なので、ここに纏めます。
サターンファン1996年5月10日・5月24日号の攻略記事より、3つの表を転載。 ・属性の相性 左側の出典元の表は間違いとしか思えず、右側に自分で調べた結果を併記しました。縦軸が武器、横軸がモンスターの属性です。
・武器の攻撃力 ゲーム内ではハンマー>アックス=ソード>ロッド>スピア=グローブ=ブーメランと大まかにしか確認出来ませんが、武器毎に細かい差異があるとのこと。
・モンスターの名前と属性 モンスターの属性を確認後、有効な武器を栽培して次のエリアに挑戦が理想と思わせて、実際には敵が強くて進めない難所は存在しません。投げやりなのに独創的なネーミングが素敵。
●資料 ・武器の種の入手場所 登場の順番はステージの選択により一部で前後し、種のレベルは所有個数に対応。機会を逃すと戻れないと思われるものと、場所が見付けにくいものに注釈を添えました。 水の種1個目:四季の大陸 風の種1個目:ヘレネー山脈 風の種2個目:ヘレネー山脈 水の種2個目:人魚の洞窟 水の種3個目:カッシーの滝 風の種3個目:トウモロコシ畑 地の種1個目:トウモロコシ畑 火の種1個目:天空の島、脱出時(※後戻り不可の恐れ) 火の種2個目:落ちた島 水の種4個目:用水路の砦(※木の葉に隠れて見付けにくい) 地の種2個目:小さなほこら、奥 地の種3個目:小さなほこら、奥 風の種4個目:ミストラル高山 火の種3個目:ミストラル高山(※表斜面にあり見付けにくい) 闇の種1個目:ファンダ遺跡 火の種4個目:ファンダ遺跡 地の種4個目:コニャック森林 光の種1個目:最終決戦前、オサより ・フラワーの開花場所 ライフの上限を以下の場所で増加出来ます。 1:岩石広場 2:クラウン村 3:天空の島(※後戻り不可の恐れ) 4:用水路の砦 5:ミストラル高山 6:サンゴの浮島 ・ロードデータの題名 ロード時にシナリオの進行状況によって付けられる題名の一覧です。一部は敢えて展開を無視してワールドマップに戻らなければ見られず、歯抜けがあるかもしれません。 1:旅立ちの時 2:黒い霧がはれて 3:夢に入る薬 4:ロビンを探して 5:クラウン村へ 6:オサのゆくえ 7:ヤークの斜塔 8:いざ、天空の島へ(※見るのは面倒) 9:浮上した旧大陸 10:命を吸い取る石 11:石を破壊しろ(※見るのは面倒) 12:オサ救出 13:復活のウンガロ 14:秘宝を求めて1 15:秘宝を求めて2 16:最後の戦い ●その他 ・バグ 画面の暗転から復帰しなかったりフォントが崩れたりするバグがあるものの、頻繁には起こらないので温かい心で接して頂ければと。 ・フラグ 本作はフラグの立つ条件が緩く、シナリオ上で必須の会話を飛ばせてしまいます。例えば、開始直後にダンジョン脱出用のマントをくれるサルじいは、最後まで一度も会う必要がありません。また、初プレイ時にマシンヘッドの看板を見落としたまま天空の島へ行き、その後の展開から完全に取り残された経験もあり、プレイ予定の方はお気を付け下さい。 ・取れない宝箱 トウモロコシ畑にある石に囲まれて隔離された宝箱は、プチムクを飛ばして破壊すればパールを入手出来ます。 天空の島から制限時間付で脱出する際に移動不可能な離れた場所にある宝箱は、プチムクは飛ばせずブーメランも届かずで、中身を拝むには春の魔法が必要です。魔法を撃ち込み破壊すると大量のパールが放出されますが、制限時間が非常に厳しくてプチムクに回収させる余裕はほとんどありません。 ・Wrinkle River Story 本作の不思議なタイトル『Linkle Liver Story』について、英語版ウィキペディアに日本の英語事情を絡めた面白い考察が書かれています。 ・ホテル・カリフォルニア CD-DAでも聞けるスタートメニューのBGMは、イーグルスの有名曲に酷似。スタッフロールも…。 |