■最優秀軍勢決定戦 | |
召集に必要なLPが考慮されず不公平だった最弱召集ユニット決定戦を是正すべく、再戦を二部構成で行いました。 |
■前編 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
一定額のLPから自軍を編成させ、費用対性能比率を競わせます。分け与える金額は最高額のドラゴンを基準に95LPとし、そこから高価なユニットを優先に限界まで召集。複数の系列を持つジーク・バストラル・シェルファは、代表的な方のみを採用しました。 ●参加軍勢
●設定とルール
戦場はオプションの戦術画面でヘクス、CPU操作の総当たり戦、攻撃側・防御側で1組2戦行い勝敗を競います。同ターンにお互いが退却を選択した場合と、20ターンを過ぎての強制退却は引き分け扱い。勝利に2点、引き分けに1点を与えます。 ●対戦成績 *表の見方 全て攻撃側の成績で、重複する防御側の成績は省きました。左から対戦相手、勝敗と終了ターン、勝利陣営の生存ユニットです。
●順位 ・第7位 ベルフレイム軍…0点 最強召集ユニットのドラゴンも、単独では簡単に料理されてしまいます。被害を気にせず集団で迫る敵勢には悠長にブレスを吐く暇を与えてもらえず、全編を通じて撃破出来たユニットはジーク軍の騎士のみで、更にバストラル軍・シェルファ軍・エル兄妹軍には戦う素振りも見せられないまま逃げ出しています。意外と臆病者なのかもしれません。 ・第6位 ジーク軍…6点 魔法の鎧と祝福で聖戦士を強化して、生身の敵を次々に撃破することも可能なはずなのに、思いの外の大苦戦です。足枷となったのは大して役に立たないのにすぐに傷付き、聖戦士の回復魔法をせがむ騎士の存在。ただし、攻撃側対クリムト軍戦では前述の魔法強化作戦が成功で、頼みの槍がなかなか命中しなかったにも拘らず、長期戦の末にデビルロードとの1対1の戦いを制するに至りました。 ・第5位 クリムト軍…8点 ストーリー上のライバルであるベルフレイム軍と、ゲーム上のライバルであるジーク軍を上回り、合格でしょう。ダメージ源が這虫に限られて全般的に不利ながら、小悪魔を倒された時点で退却を選びがちなデビルロードが原因の失点も少なくありません。見せ場は防御側対バストラル戦での勝利です。デビルロードはバーサーカーに完全包囲されてからの這虫で逆襲し、その後の攻撃は都市の技量修正によって何とか耐え抜くも、まだ無傷のバーバリアンが2部隊残存し、1度でも攻撃を食らうと敗北の窮地──しかし、2部隊共にムチによるマヒをお見舞いし、難を逃れました。 ・第4位 エル兄妹軍…14点 祝福・技量・魔法の鎧による強化を優先する思考ルーチンと、微々たる威力とは言え高確率で命中する大量の弓と、弱った敵を確実に仕留めた剣が勝利の原動力。ただ、回復用に温存すべきMPを無意味な魔法の弓に注いでしまったり、まだ元気なエルフが案外あっさり退却してしまう局面も目立ちました。射撃合戦となったガイラム軍には攻撃側では強大な攻撃力の前に良いところなく破れたものの、防御側では地震の有効活用により雪辱を晴らしています。 ・第3位 シェルファ軍…16点 魔法側に著しく片寄った戦力ながら好成績。とは言え、流星や雪嵐が敵を薙ぎ倒した訳ではなく、水の精霊の召喚によって相手の逃亡を促す戦術が功を奏し、鉄壁の防御力とマヒ持ちで本来ならシェルファ軍の天敵であるはずのデビルロードを擁するクリムト軍からも勝利をもぎとりました。いざ開戦しても水の精霊は魔法に射撃に盾にと十分な働きを見せ、頼り甲斐のあるユニットです。MPの尽きかけた魔術士が懸命に戦場を移動するお茶目な光景は、結果として戦いを精霊に委ねて自軍の全滅を避ける効果がありました。 ・第1位(同点) バストラル軍…20点 防御側全勝で第1位。レベル3の魔法なんか何のその、価格と性能を両立する狂戦士が可能にした物量作戦の前に、大部分の敵勢はひれ伏すしかありません。お馴染みの玉砕戦法で多大な犠牲を払いつつ多少の戦果を挙げるバーサーカーに加え、バーバリアンもダメージを分散させる役割を担いました。魔法に苦しめられたのは攻撃側対エル兄妹軍戦ですが、2発の地震によって壊滅同然となりながらも都市を奪取し、エルフロードにMP回復の隙を与えず撃破成功。苦手を克服していた戦い振りを見る限り、やり直せば全点数獲得も夢ではない潜在能力です。 ・第1位(同点) ガイラム軍…20点 こちらも防御側全勝、通常のプレイでは憂き目を見てばかりな格闘系マスターが1位に並びました。ただし、バストラル軍とは違って薄氷の勝利も少なくありません。多勢に無勢で敗北必死だと思われた対バストラル軍も防御側では命中率の差が如実に現れてよもやの勝ちですし、攻撃側対クリムト軍戦では無傷同然のデビルロードに瀕死のジャイアントが死に物狂いで投げた石が致命的命中を発生させたりと、幸運に恵まれたと言えるでしょう。攻撃側対ベルフレイム軍戦でドラゴンを都市から誘い出して投石への布石を打つ等、ミノタウルスも5LP分は頑張っていました。 ●まとめ もちろん、1エリア12ユニット制限その他諸々の要素があり、バストラルとガイラムの召集ユニットが最強だなんて口が裂けても言えません。それはともかく、わざと作り出した限定的な状況に応じて各々のユニットが各々の強さを発揮してくれたのは、本作の絶妙なバランスが現れたように思います。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
■後編 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
以下の戦績は、参加ユニットを「血に染まりしバハムート」でプレイヤー選択時における初期戦力に置き換え、バルマー軍(=マ軍)を加えて試したもの。 ●参加軍勢 ・ジーク軍…聖戦士×2+騎士×2+戦士×2+魔道士×1+魔法使い×2=209LP ・バストラル軍…バーサーカー×4+バーバリアン×2+魔道士×1+魔法使い×2=126LP ・シェルファ軍…騎士×2+戦士×2+魔術士×1+魔道士×2+魔法使い×2=174LP ・エル兄妹軍…エルフロード×5+エルフ×4=196LP ・ガイラム軍…ジャイアント×4+ミノタウルス×2+ゴブリン×3=133LP ・ベルフレイム軍…ドラゴン×2+バシリスク×3+リザードマン×3=250LP ・クリムト軍…デビルロード×2+大悪魔×2+小悪魔×4=260LP ・バルマー軍…リッチー×2+バンパイア×2+マミー×2+ゾンビー×2=244SP ●対戦成績
●順位 ・第8位 バストラル軍…0点 必要量には全然足りない大切なMPを再生と魔力向上に注ぎ、打たれ弱い蛮族の泣き所を補おうとした魔道士の作戦も空しく、屈辱の無得点。戦争終了までのターン数も短く、見せ場は全くありませんでした。ただ、バストラル軍は全ユニットの合計LPが最低額で、不可抗力の一面も確かに。 ・第7位 ジーク軍…9点 魔法の鎧+火炎防御+攻撃増強+再生+祝福+魔力向上の聖戦士を誕生させれば、毒化の危険が皆無の今戦では無敵に近かったものの、MPの消費方法に難のある思考ルーチンが潜在能力を潰しました。無意味に何本も投じられる魔法の矢に、最も泣かされた勢力でしょう。回復役として貴重な魔法使いが攻撃側の配置だと逃げ出しがちなのも、残された戦士系ユニットたちが不敏です。 ・第6位 ガイラム軍…14点 ここから3人は接戦。ガイラム軍はHPを絶対に回復出来ない性質から短期決戦に持ち込まなければ勝ち目が薄いのに、バーサーカーのような交戦意欲とドラゴンのような特殊能力を持ち合わせておらず、英雄雇用不可のマスターでは珍しく9人編成なのにバストラル軍並の合計LPも相俟って、中位グループへの滑り込みは健闘だと思います。これは格上のシェルファ軍とバルマー軍に対して防御側で、密着即退却の習性を利用出来たからこそ。中でも戦場で真っ先に動くこともあるゴブリン×2は、魔法使いを即座に倒したり未行動の魔術士の退却を誘ったりの仕事を遂げ、直接的な勝因に繋げていました。移動後にレベル3攻撃魔法を集中砲火されがちな攻撃側では苦戦でしたが、仮に全員がランクA同士の争いであれば魔力のダメージ軽減効果で克服出来るでしょうし、ガイラムのいないガイラム軍は手強いですね。 ・第5位 エル兄妹軍…15点 充実の魔法が生存力を向上させ、攻撃の手数の多さから致命的命中への期待度が高く、配置による不利も被らない割には、平凡な順位に。非力なイメージとは裏腹に格闘と射撃の力押しを多用する戦術が敗因で、第6ターンにはエルフロード×5・エルフ×3VS聖戦士×2の優位に立ったのに、魔法の鎧+再生の壁を膨大な弓矢で貫けないまま引き分けに持ち込まれた攻撃側対ジーク軍戦での失点は直に響いています。魔法使い系ユニットのようにMP回復への意識が高ければ、地震と魔真空刃の雨あられがデビルロード以外を打ち砕いたでしょう。例外として、水の精霊×2を完全無視して死者を出さずに勝利と言う、攻撃側対シェルファ軍での手際は見事でした。 ・第4位 シェルファ軍…16点 大魔術士団は決まり決まって散り散りになるも、水の精霊が敵の関心を引き付けつつ粘り強い抵抗を続けて、数少ない攻守双方での勝ち越し。また、クリムト軍に2勝した唯一の軍勢でもあります。水の精霊は自身への回復を怠らない故にタフだわ、仲間から攻撃増強の助力を得ればパワーも侮れないわ、勝敗の判定に無関係でありながら標的になり易いわで、今戦におけるMVPでしょう。また、その傍らで地味に頑張った騎士の貢献が大きかった勝利も少数あり、戦士は防御側対ジーク軍で聖戦士と騎士の息の根を止めて騎士に成長する奇跡まで起こし、黒騎士不在の黒騎士団が驚きの奮闘を見せました。 ・第3位 クリムト軍…18点 合計LPが最大で、相性の悪い敵も存在しないのに、攻撃側でジーク軍・シェルファ軍・エル兄妹軍に不可解な敗北。防御側でもシェルファ軍を相手に、デビルロードが水の精霊へ固執している内に騎士から攻撃を次々に当てられ、2部隊が同時に逃亡を始める番狂わせがありました。上位クラスの戦意がそんなでは、HPを約半分残して情勢も有利なのに退却したがる大悪魔と、魔法を唱え終わると無謀な行動に出がちな小悪魔を責められません。 ・第1位(同点) ベルフレイム軍…20点 クリムト軍やバルマー軍とは対照的な速攻命の戦術は安定性に欠け、ブレスの不発が目立った今戦は運の悪さで単独1位を逃しました。攻撃側の方が密集配置の敵軍を効率良く焼き払えると思いきや、実際には防御側で高成績。これはドラゴンの頭数が少なくて真価を発揮しにくい分、自分よりも相手の事情が勝敗に影響したのでしょう。バシリスクも乱数に嫌われ、石化が敵主力に命中することは無かったものの、傷を癒せない境遇ながらほとんどの勝利時に2部隊以上生き残り、高価で貴重なドラゴンの消耗を防ぐ補佐役としての存在感を示しています。 ・第1位(同点) バルマー軍…20点 先に命令が回ってくれば悪魔召喚を、既に鴨が近寄っていれば死の呪文を、それらに続けて這虫や気弾をと、早期離脱はあれどMPの消費を惜しまないリッチー。攻めては後方の魔法使い系ユニットを手早く無力化させ、守ってはEDと再生の効力から全ての勝ち試合で生存ユニットに名を連ねたパンパイアと、退却知らずで突撃好きなマミーとゾンビーも侮れず、この強きから弱きまで整った戦力では標準設定でのハンディキャップも納得でしょう。ただ、迂闊にもリッチーを先頭に晒す配置の問題から、攻撃側では惨敗も時折。 ●まとめ 前編1位タイから大転落を見せたバストラル軍に、前編不参加から1位タイに食い込んだバルマー軍と、上下で逆さまの結果になりました。バストラルの開幕と言えば、プレイヤーの操作では地の精霊魔法の欠如が痛く、CPUに任せてもベルフレイムに駆逐されがちで、安価に頭数を揃えられる特徴とマスター間の均衡を踏まえれば、初期戦力にバーサーカー×2を追加しても構わないのでは。 |