●24/12/04 |
◆事情を知らない転校生がグイグイくる 1〜4 (川村拓・コミック) その外見と性格のせいで同級生から「死神」とあだ名を付けられて苛められているけど、大人ぶって平気な振りをして凌いでいる小学5年生女子の生活が、「なんてかっこいいあだ名!」と公言して憚らないアホの子な転校生男子が現れて一変する、短編と中編で構成されたギャグが八割の漫画。作中は時間が進んで戻らないタイプで、残りの二割で主人公2人以外の級友たちが絡んだ成長劇に、複数の登場人物の恋愛模様も。尚、昨春のアニメは未視聴です。 思い付きに頼りきりのシチュエーションコメディではない、時間経過による関係の変化の描写が秀逸で、小学校で過ごす時間の濃密さを上手に詰め込んでいます。また、この設定から転校生男子が事情を知ってグイグイこれなくなるところで終幕と思いきや、それは早くも第2巻の中盤に訪れて驚かされました。彼に対して逆の立場となってグイグイいく彼女の言動が読者への求心力抜群で、あまりの力強さに作中に引き込まれて実際にページを捲れなくなってしまった程。第3巻のお弁当の、第4巻の病院のエピソードも同じくで、作者の見事な計算にしてやられっぱなしになれます。 |
●24/11/12 |
◆ハナコ@ラバトリー 新装版 上&下 (施川ユウキ/秋★枝・コミック) 作者の代表作『バーナード嬢曰く。』を気に入って一息付いた後、既作に手を出し始めたのが2021年。大半の作品を入手して一気読みをすれば悲しくも、世間の好評と自分の評価が相容れない結果に。そんな辛い現実の中で、作者が原作を務めた本作は『ド嬢』と異なる作風ながらも好きになれました。作画が自分好みな訳ではない為、元のネームに対しての印象でしょう。 なぜだか記憶喪失状態で、意図せず様々な場所のトイレに出没しては色々な立場の人々と対話劇を繰り広げる、少しおかしな「トイレの花子さん」となったセーラー服女子が主人公。一話完結の軽妙なテンポと意外と強いミステリー風味が特徴で、全2巻の短さながら一気に伏線を出しては回収を繰り返す最終話の感情移入度が高く、読後感の良さに二重丸をあげました。ミステリーとハートフルが爽やかに交わって帰結した、続編が出て欲しくないタイプの佳作です。 |
●24/06/17 |
◆お稲荷JKたまもちゃん! 1〜6 (ユウキレイ・コミック) 女子高生を装った超もふもふな狐娘を表紙に、帯で『JKとは「じつはキツネ」の略である』と断言されたら、もう思い付きとケモナー頼りの出オチでしょと、先入観全開で距離を置きたくなったのは私だけではありますまい。しかし、完結を迎えてから一気読みして、初印象で見誤ってしまってゴメンなさいの気分でした。いや、まさか、こんなに感動させられるなんて…! 萌え絵とも異なる独特の画風でハートフルコメディに擬態した序、更なる超もふもふを逐次登場させて読み手を骨抜きにする破、作者の豊潤な知識に裏打ちされた真相と伏線回収に驚かされる急と、その緻密かつ過不足の無い物語には良き感情しか生まれません。また、紙の厚みに対して満足感が下がりがちなワイド4コマだけど、欄外を可能な限りに豆知識や補足で埋めており、このページ内情報密度は読者サービスとして嬉しいところ。タイトルとキャラクターだけを見れば人を選びそうな反面、実はどんな属性の人にもお勧め可能な様々に魅力溢れる作品でしょう。敢えての苦言は、今となっては入手困難な特装版の小冊子に、至極重要なエピソードが収録されているのは難。 |
●24/05/17 |
◆いじめるヤバイ奴 11〜19 (中村なん・コミック) 4巻以降はコメディ路線の好評故か不条理ギャグ化して…と愚痴って言及を止めた為、脱落組と思われそうだけどリアルタイムで連載及びコミックを購入していました。物語の方向性は、シリアスからコメディを挟み不条理ギャグを経て異能力バトルで通り抜け、最後はハーレムものに着地します。何が凄いって、方法はともかく全伏線を片付けて、まさかの大団円なこと。作者にとっても、登場人物にとっても、読者にとってもな、完全無欠のです。1巻では「不安なのが真相で、単純に病的な性格だったり、超自然的な展開だったりしたら興醒め」と記し、実際に真相は全然面白みの無いものだったにも拘らず、本作の美しい幕引きに拍手を送りたい。 そもそも、現代かつ現実の日本が舞台に見えて、「仲島君は身体ダメージが即座に治癒」「白咲さんのお仕置きを受けたいじめっ子は廃人化」「廃人には体が縮む等の強烈なデバフがある」「あらゆる暴力をいじめと称する」「使用武器に所有数制限無し」「物理法則無効」「ヒロインは名字の漢字に色名が含まれる」「その色名と髪色が同じだと超人的能力を自動発動」他、非日常ならではのお約束が一貫して存在しました。それに気付かず、当初は「仲島君が何本も歯を抜かれたのに家族に察せられない→真相のヒントでは」「白咲さんは異常に力持ち→同上」と、本気で考えていた浅薄な己を今なら笑えます。 |
●23/06/13 |
◆苺ましまろ 9 (ばらスィー・コミック) 5年振りの新刊で何より先に注目すべき帯のコピーは「大人気YouTuber○○氏大推薦!」とのことで、見知らぬマスク姿の男性の写真付。作品の歴史は無駄に長いとは言え、まだ一桁巻なのにお約束を守れないどころか、女の子たちの暴力的な可愛さを壁視線で愛でたい作風を無視する所業に絶句でした。「かわいいは、赤スパ!」「かわいいは、シンギュラリティ!」「かわいいは、てぇてぇ!」とか、一読者でしかない自分の方が愛読者の満足度と新規層の開拓に貢献出来そう。 そんな第一印象及び不出来な前巻の反動も含め、読了感はとても爽やかでした。絵柄は丁寧な描き込みで1コマずつ眺めても良し、笑いは豊富だしテンポも軽快で良し、過剰にも思えた漫画的表現は無しと、読者にとって正しい『苺ましまろ』を作者が思い出してくれたみたい。この調子で連載が続いていて次巻が早めに出れば嬉しいけど、巻末の初出を見て絶望感が。2018年3月号から2022年9月号までの収録だなんて、現実は恐ろしい。 |
●23/02/07 |
◆親愛なる僕へ殺意をこめて 1〜11 (井龍一/伊藤翔太・コミック) 二重人格や猟奇殺人が題材のクライムサスペンス・サイコミステリーで、大人気作品とは言い難いものの昨秋に地上波で連続ドラマ化されており、現在の認知度は高そう。本作を読み始めた時には既に連載終盤でしたが、サスペンス重視の序盤・ミステリー重視の中盤・答え合わせの終盤・完全無欠のエピローグと、先が気になって仕方無い展開を終始続けていて、遅い出会いが幸運に思えました。それは一週間後の無料公開を待てずに、アプリで初めてポイントを消化したくらいに。尚、未回収の伏線は「特別あとがき」に詳細があり、読みそびれた人は原作者への不信感が拭えるので是非。これが期間限定公開かつコミックに未収録なのは惜しい。 作画の完璧に近しい素晴らしさに対し、原作の完成度は劣ります。主人公の思考→行動→結果の流れがご都合主義で、終盤はツッコミどころが満載です。また、時系列が複雑なのを補完すべく、コミックの一部でタイムラインを開示してくれるとは言え、物語上で重要な場面の描写が省かれたのを確認する程度しか役立ちません。それでも本作への評価が落ちないのは「単純に面白いから」の一言で、感覚は海外ドラマ『24 -TWENTY FOUR-』の如し。あと、自称極上ミステリー『白暮のクロニクル』を数年前に読了後、世間の評判との乖離に己が感性の衰えを疑わざるを得なかった自分にとって、本作は単なる娯楽作品を超えて救いにもなりました。内容さえ面白ければ、整合性の少々の難は敢えて無視出来ますね。 |
●22/09/07 |
◆バーナード嬢曰く。 1〜6 (施川ユウキ・コミック) 高校の図書室を舞台に、読書家だと周囲から思われたいけど読書はしたくない面倒な性格の主人公と、本物の読書家同級生3人の絡みだけで描かれる、自称ジャンルは名著礼賛ギャグ。2017年に電子書籍で第1巻を無料で読んで非常に気に入り、当時既刊の第3巻までを紙で購入し、アニメも全話観ました。尚、本作では数百の作品が取り上げられたのに、自分に縁があるのは『サロメ』と『モモ』だけで、本を全然読んでいないと自戒させられます。 そんな自分を主人公に重ねられる本作も、第4巻辺りから素直に楽しめなくなりました。最大要因は、いわゆる「サザエさん時空」を採用にも拘らず、皆が精神的に成長したり、対人関係が深まったりしたことでしょう。この時空では折々で各要素をリセットするのが大事なのに、作者すら「ド嬢は自分より読書家になってるんじゃないか…?」と第3巻にして述べており、これでは初期設定の精髄を保てません。他に、充実の欄外注とエッセイが順次縮小されたり、雑で下手だけど味わい深くて自由奔放な絵柄が、丁寧で上達した代わりに大人しくて凡庸なものに変化したり、10年以上の長期連載と言えど魅力の劣化が激しくて残念。画力が上がっても表現力は下がるんですね。 |
●22/06/03 |
◆終電ちゃん 1〜9 (藤本正二・コミック) ウェブでコミックを読む習慣は持っていなかったのに、どこかのリンクで本作の掲載ページに辿り着いたのは、2015年のこと。電車の萌え擬人化なんて今更…との先入観は誤りで、実は純な人情もので良い裏切りでした。しかし、再読や作者の動向チェックには至らず本作との関係は断絶され、電子書籍ストアで無料コミックの山々から第1巻と邂逅したのは、2017年のこと。知らぬ間に雑誌連載→コミック化しており、つまりは対極の作品と馴れ初めが同類です。 見た目は幼女・頭脳はワーカホリック・性格は姉御肌やらお淑やらと多種多様な終電ちゃんたちと、数多の老若男女な乗客が織りなす人生模様を、明確な主人公を不在にした効用から神視点で読めます。物語内で活用される鉄道関連のギミックは丁寧に解説される為、専門知識が皆無でも問題無し。また、見習いの運転士が立派な新幹線運転士に、ただの会社の同僚がカップル→プロポーズ→結婚式→妊娠と、最終回まで大胆に時間経過するのが新鮮でした。余談として、数年前にダイヤの大幅乱れの報道を見て「今夜は終電ちゃんが大変そう」と独り言ちてしまったことが。 |
●21/07/31 |
◆セガハードヒストリア (歴代セガハード専門誌編集部・ムック) 『ゲーマガ 2012年5月号』で終止符を打ってから10年を前にし、ソフトバンク発刊のセガハード専門誌を懐古する豪華仕様の化け物登場。ムック2冊で定価は驚きの16500円だけど、パソコンで遊べるメガドライブ用ゲームソフト10本・セガハードのミニチュア各種・既刊コミック3巻&裏技集のPDFが付く重装備な為、実物を手にすれば割高感は小さめ。その最終号の1年前に購入した我がパソコンでゲームソフトはまともに動かないだろうと覚悟していたら、幸いにも正常動作してくれて操作や描写に遅延も感じません。 良い話は以上。商品説明では一貫して「完全受注生産 予約締切:3月26日」だったにも拘らず、今でも普通に購入が可能なのは酷い。当日まで待っても書籍の詳細はおろか収録タイトルの全貌すら不透明で、店舗特典・ポイント還元・出荷予定日等の比較を飛ばし、滑り込みで受付中のショップを検索して予約を入れたのに。公式Twitterでは締切日延長→誤報でしたとの混乱が見られ、受注数が目標に届いていないのは明白でした。ならば「締切を公式に延長して既存の全予約をキャンセル」が理想だけど、せめて「当初の仕様が変更になったお詫び」くらいは出しましょうよ。 |
●21/03/20 |
◆いじめるヤバイ奴 5〜10 (中村なん・コミック) 4巻までは熱中出来た反面、5巻から10巻は長い中弛み。本作は「ヒロインの目的」が「主人公の奮闘」と「残虐描写によるカタルシス」と共に少しずつ明かされるのが魅力なのに、新たな敵を迎えた主人公が以前のライバルらと手を組んでゆくシーケンスになってヒロインの出番激減=種明かしは後回しなのが明白で、訴求力に欠けます。更に、完全シリアスと思わせて結構コメディな作風が好評なのを受けてか、悪乗りし過ぎたのが痛打。もう不条理ギャグの領域まで突入しており、他人の評判はともかく自分にとっては迷走でした。次巻収録予定の主人公の独白「この半年間 何やってたんだ 俺はよぉぉ…!!」に強く同意します。 余談。1巻「あれはいじめを始めて〜」は誤りで、6巻「花は全然〜」もでしょうが、ヒロインの髪色に編集者が無頓着では。読者は「作者の見落とし」か「物語の伏線」か、区別不可能なので原稿チェックを慎重にお願いします。特に前者はシーン全体を無かったことに、となりそうな程に不安です。 |
●21/03/12 |
◆いじめるヤバイ奴 1〜4 (中村なん・コミック) 『わたし(仮)』より以前、「マガポケ」で初めて読んだのが本作。理由はランキングのトップを何となくタップしただけで、タイトル以外の情報を得ずに第1話を読了すれば、叙述トリック小説やフェイクドキュメンタリーの名作を、そうとは知らずに触れた時の感激が。本作は敢えてネタバレを積極的に宣伝しており、非常に幸運でした。不安なのが真相で、単純に病的な性格だったり、超自然的な展開だったりしたら興醒めだけど。あと、作品のコンセプトが明確になるのは2巻からで、1巻は控え目です。 主人公の悪夢のような一学期が過ぎる1巻から、二学期が始まって強敵との勝負が決着する4巻までにおいて、主人公の目前で行われるヒロインと強敵の対決が最大の見所。まさかあんな形で邂逅し、あんな形で介入し、あんな結果になるとは。この前後におけるヒロインの表情変化と台詞も相当な見応えで、更には新展開が待ちます。本当に予定調和を許さず、先が楽しみ…以上、刊行当時の感想纏めでした。 |
●20/08/20 |
◆アンダー ザ ローズ 10 春の賛歌 (船戸明里・コミック) 8巻で大方の伏線回収を見事に遂げた反動か、9巻は一休み感を受けましたが、今巻では再び間断無き群像劇と容赦無き心理描写が復活し、人物及び背景の描き込みも抜群の密度。コマに込められた意味全部を理解するには苦労が伴います。個人的には『冬の物語』で心根は聡明で優しい女性だったアンナが、モノローグで完全な悪役を引き受けた分、彼女への心証を取り戻すエピソードを期待していました。しかし、作者が読者に用意した展開は残酷なもので、実に悲しい想い。作品自体が悲しいのではなく、彼女の辿る運命が悲しいです。そして、本巻の結末はクリフハンガーで、また最低2年待たされるのかと単行本派かつ『ハニロ』未読者には厳しい現実。どうか少しでも刊行ペースが上がりますように! 上記のレビューをAmazonに投稿したのが、2017年12月。その後、掲載誌が休刊→続きを100円で16ページずつ毎月電子配信→2019年6月に11巻収録分まで配信完了→コミック用の修正期間に突入までは、1000円と引き換えに先を読めて満足していました。しかし、作者曰く「11巻は発売未定」で理由も私的ではなく商業的っぽいし、今や完結が危ぶまれる苦境に。どうか少しでも配信の売上が上がりますように! |
●20/05/21 |
◆わたし(仮) 1〜4 (奥津武・コミック) 講談社の漫画アプリ「マガジンポケット」の作品で、連載開始と共に愛読した数少ない例です。片思いの相手が事故で記憶喪失になったのを好機と捉え、彼の恋人を殺し、その座を奪ってしまった女性が主人公。以上の設定を基軸に引っ張るのかと思いきや、予断を許さない本格サスペンスな進行及び重厚な作画力、台詞やコマに忍ばせる作者の遊び心、そして何よりお茶目かつ切れ者かつ行動力の化身かつサイコパスな主人公に魅了されました。彼女は救いようのない人間性なのに、行動に対して合理的な説明を欠かさない為に感情移入し易く、この極めて反社会的な人物像に反感を覚えないどころか、応援してしまう自分が心配になります。 そんな喜ばしい心配は悲しくも長引かず、打ち切り風の展開と3巻&4巻同時発売で驚かされることに。明らかな引き延ばし回(格ゲー)や、結局は無意味な設定(近未来)はあり、2巻での告知無しを踏まえれば、コミックの実売部数による急な決定でしょう。少なからずの登場人物──特に主人公への思い入れが強く、彼女の物語が雑に閉じられてしまったのは非常に残念。ただ、「マガポケ」は電子書籍化すらせずに表から消える作品が多いので、完結まで紙で出してくれたのは愛読者として感謝しないといけませんね。 |
●19/12/09 |
◆ひとり暮らしの中学生 (松下幸市朗・コミック) 『ひとり暮らしの小学生』の続編希望者として、本作のウェブ連載は待望。前巻『江の島のあしあと』の前日譚と同じくワイド4コマでの収録は、更に前の「〜の夏」「〜の空」が電子書籍版をトリミングでノーマル4コマ化させた不満が解消され、コスパの悪化は避けられないが安価なままだし歓迎。作者の特色は「お色気・下ネタ・バイオレンス・百合・シュール」等、昨今の4コマのスパイス的要素が皆無なこと。それでオチの範囲を狭めるのも確かで、今回は成長して現実を理解した主人公が不憫な場面が多め。でも、直球で笑わせてくる所も少なくなく、リアリティ云々を無視出来るなら再び素直に楽しめる。苦情は「連載を先駆けて全収録と思わせるシンプルなタイトルとは裏腹に完結せず、ミステリーのようなプロローグが浮いている」「本巻を知ったのは発売日の作者のツイートで、当レビューの投稿日現在においてもウェブ連載のページで一言も触れていない、出版社の宣伝姿勢」の2つ。 上記のレビューをAmazonに投稿したのが、2018年3月。1年半超を経て、続刊が出ないどころか連載が更新延期→中断→終了と、本作は散々な扱いを受け続けました。作者のツイートも本巻発売翌日でぴたりと止まり、病気等のやんごとなき事情も考えられますが。ウェブ連載のページに説明が一切無いのを踏まえれば、出版社とのトラブルにしか思えません。 |
●18/12/12 |
◆苺ましまろ 8 (ばらスィー・コミック) 4年半振りの帯のコピーは「かわいさ、超オリンピック級!!」で、これは自虐と自賛が入り混じって笑うに笑えないけど笑ってしまい、前巻より更に良し。でも、「かわいいは、ストップ高!」「かわいいは、SSR!」「かわいいは、トリプルスリー!」とか、どうでしょう。 限定特典付との情報により、購入は通販でも書店でもなくアニメイトにて。前回の入店は20年振りだったのに、僅か2年で再び出向かねばならないとは思いもしませんでした。その特典の「複製ミニ色紙」はコミックの裏表紙と同じ絵のペラペラ紙で、明らかに無価値な品だとは思いもしませんでした。気を取り直してページをめくっていくと、くすりとさせられる場面が皆無とまでは言えませんが、最終的に静かな怒りすら覚えさせられるとは思いもしませんでした。感想を記す気力が湧くまで1年を要した割に愚痴だけな理由、一言で表せば「大喜利」です。 |
●18/02/28 |
◆あの娘はヤリマン 1&2 (北内乙三・コミック) ウェブでコミックを読む習慣は持っていなかったのに、どこかのリンクで本作の掲載ページに辿り着いたのは、2015年のこと。1話読み切りでしか不可能な「究極の出オチ」と「出し惜しみしないネタ」に抗えず、相当に笑わせてもらいました。こんなにも独創的で画力も高いのに、新人投稿作とは。しかし、再読や作者の動向チェックには至らず、本作との関係は断絶されます。 タブレットを初購入し、電子書籍ストアで無料コミックの山々から第1巻と邂逅したのは、2016年のこと。説明によれば、ウェブとは言え連載→コミック化したようで、1話読み切り云々の先入観を覆す現実に再度の驚き。迷わずダウンロードすれば、本当に完全な続きものになっていて、引き延ばし感とも無縁な濃い中身でした。全2巻だし気軽に買っちゃえ──と思ったのは確かながら、物語の半分を無料で読んでしまったせいで興味は急速に萎んでしまい、やっとで紙のコミックをセット購入したのは2017年のこと。どうでもいいけど、最後辺りに登場する4人が片山まさゆき『まんちょくスナイパーとどめ』のパロディなの、気付ける人って極少に違いない。あと、主人公に纏わる余談を日記に。 |